日本と北欧の最大都市コペンハーゲンを約11時間で結ぶスカンジナビア航空。
スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの共同出資により運営されている北欧最大のフラッグキャリアである一方、徹底したコストカットにより運賃が抑えられていることで知られています。
そんなスカンジナビア航空のビジネスクラスは、他社比較でとても安く、比較的気軽に利用できる値段が設定されています。
今回はそんなスカンジナビア航空のビジネスクラス搭乗レビューを紹介していきます。
1. SAS Businessの入札制度
今回は、プレミアムエコノミー(SAS Plus)の往復チケットをスカンジナビア航空公式HPから購入。クリスマスホリデーの時期で比較的混雑する時期ではあるものの、往復16万円程で購入しました。
しかし実際に搭乗したのはビジネスクラス(SAS Business)。実は、スカンジナビア航空はアップグレードの入札制度を採用しており、上位クラスに空席がある場合にはアップグレード希望者によるオークションが開催されます。
よって今回はコペンハーゲンから成田国際空港までの片道を約2万8千円の最低金額で入札。
搭乗3日前になり、アップグレードの権利を落札したよ!というメールが届き晴れてビジネスクラスの利用が叶うことになりました。
本来コペンハーゲン〜成田国際空港のビジネスクラスは片道最安価格でも25万円程。ここにエコノミークラスの復路チケットを足すだけでも30万円は超えてしまいます。
そんな中、今回は16万円のプレミアムクラスエコノミーのチケットに約3万円を上乗せするだけで、往路はビジネスクラス、復路はプレミアムエコノミーの往復のチケットを手にすることが出来ました。
ここまで低価格でビジネスクラスを利用できるのはスカンジナビア航空ならでは。
2. 使用機材(コペンハーゲン〜成田便)
コペンハーゲンと成田をつなぐ長距離国際線に利用されている機材はエアバス社A340-300。座席数は247席、中大型機に分類されます。
2015年に機内の設備がリニューアルされ、とても真新しく綺麗になっています。
3. ビジネスクラス客室設備
ビジネスクラスの座席配置は1-2-1で10列。計40席設置されています。
ダークグレーを基調にしたシックな客室内となっており北欧らしく落ち着いた印象です。
シート
しっかりと各座席には仕切りがあり、プライベート空間を確保することが出来ます。
フルフラットにもすることが可能なシートはスウェーデンの老舗寝具メーカーであるヘステンス Hästens製。
前後の幅が約2mと広く、身長が高い方でもしっかりと横になることが可能です。フルフラットにした状態で、敷布団と掛け布団を置けばしっかりとした心地のいいベッドの完成です。
シート付属機能
この新型のシートは機能が豊富。リクライニングなどは言うまでもありませんが、特記すべきはマッサージ機能がついているということ。
シート内部に組み込まれたエアクッションの空気量を調節することで内部から臀部にかけて電動マッサージを受けることが出来たり、シートの硬さを自由に調節することが出来ます。
音もとても静かで周りを気にしなくても利用可能なのもポイントです。
もちろんシート周りには世界各国の規格に対応したコンセントジャックやUSBジャック、イヤホンジャックなどが完備。
モニターは感度の高い大型タッチスクリーン(15.4インチ)が各席に設置されています。
エンターテイメントの種類は必要十分、約60−70程度の映画のほかテレビプログラムやゲーム、など様々なプログラムが入っていました。
ただし日本語の音声や字幕に対応したものは日系航空会社と比較すると少なくなっています。
トイレ
エコノミークラスではいつも問題となるトイレですが、ビシネスクラスではトイレ問題もほとんどなし。
座席数40に対し、ビジネスクラス専用のトイレが3つ用意されており、飛行中を通して行列ができると言うことは一度もありませんでした。
また定期的に清掃点検されているようで、床が濡れているなどということも今回は遭遇することはありませんでした。
トイレ内にはウェットティッシュなど最低限ではあるもののアメニティも準備されています。
アメニティ
ビジネスクラスのアメニティを紹介していきます。
1993年に誕生し現在北欧ファッションの流行を先駆けるスウェーデンのFilippa K社のアメニティポーチが採用されています。
ポーチ内にはスキンケアクリームやリップクリーム、北欧らしい木目調のおしゃれな歯ブラシと歯磨き粉、そして靴下にイヤーピースとアイマスクが入っています。
どれもしっかりしたもので、たとえ機内で使わなくても持って帰りたくなるものばかり。
離陸後にはスリッパも配布されたので、長時間足のむくみなどを感じずに快適に過ごすことが出来ます。
4. 機内食・サービス
ビジネスクラス搭乗時の1番の楽しみと言っても過言でないのが機内食。
結論から言うとスカンジナビア航空のエコノミークラスの機内食はかなり質素なものですが、ビジネスクラスの食事はとても満足度の高いものでした。
ウェルカムドリンク
まず機内に乗り込むとウェルカムドリンクが配布されます。シャンパンやオレンジジュースの2択。
日系航空会社のようにCAさんによる挨拶などはありませんが、ジャケットをあずあってもらうことは可能です。
実際の機内サービスが始まる前には、ビジネスクラス用のメニューが各席に配布されます。
ここには飲み物や食事のリストが書かれており、英語と日本語の2言語表記。ちなみに今回のメニューの表紙デザインは日本人アーティストによるものだそうです。
食前の飲み物
離陸後初回の食事前にコールドドリンクのサービスがあります。
メニューリストにはワインやビールはもちろん、カクテル類などとても豊富に品揃えがあり迷いましたが今回は2つの飲み物を注文しました。
一つ目がウォッカ・マルティーニ。その名の通り45度のウォッカを17度のマルティーニで割り、オリーブを入れたものでちょっと強めのカクテル。
そしてもう1つどうしても気になっていたものを注文。
「裸島」と呼ばれる日本酒で、なんとヨーロッパで初めてノルウェーに作られた酒蔵で製造されたものなんだとか。
色味が強くまるで白ワインのようですが、実際味もとてもライトでサラサラした白ワインという感じ。アルコール度数を全く感じさせない食前酒にはちょうどいいものでした。
1回目の食事
離陸後のドリンクサービスが終わった後は食事のサービスが始まります。
スカンジナビア航空のビジネスクラスの特徴が色濃くでるもので、ワゴンに運ばれてくるものの中から好きなものを選ぶスタイル。
最初のラウンドは前菜。今回のメニューはドライビーフやカーリックス・キャビア、そしてサラダがあり、今回はドライビーフとサラダをいただくことに。
同時にモチモチとした温かいパンもサーブされました。スカンジナビア航空のパンは他社のビジネスクラスと比べても本当に美味しいと評判。もちろんパンのおかわり自由です。
そして前菜の次はメインディッシュ。スカンジナビア航空のメインはガッツリ系と知られていますが、今回もお腹一杯になりそうなメニューが並びます。
メインの選択肢はオーブンで焼いたナマズや鴨肉のヴァロディーヌ、イベリコ豚、そしてパンツェロッティ・パスタ。
メニューだけ見るとなかなかどんなものか想像ができませんが、こちらもワゴンで全種類持ってきてくれるので、実際にものを見て選ぶことができます。
ちなみに味はというと普通にレストランで食べる味で大満足。
メインのあとはデザート。まだまだ食事は続きます。デザートもワゴンサービスで、同じく食べたいものをその中から選びます。
ちなみに、全種類欲しければ「Everything」と言えば全部盛ってくれます。
今回はフォンダンショコラとチーズの盛り合わせをいただきました。他にもフルーツの盛り合わせやアイスクリームなど、お腹の好き具合にも合わせていただくことが出来ます。
2回目の食事
今回利用したコペンハーゲン〜成田便では2回目の食事は朝食としてサーブされます。
こちらも同じくワゴンサービスで、その中からブッフェのように選ぶことが可能。ハムやチーズ、キッシュ、などなどたくさん選択肢があるので食べるものや量を自分好みに調節可能です。
そしてスカンジナビア航空自慢のパンももちろん温かい状態で。1回目の食事の時とは違う種類のパンが多数用意されていました。
SASバーコーナー
巡航中はビジネスクラスの客室内のギャレーがバーコーナーとなりセルフサービスで飲み物や軽食を取ることができます。
クッキーやチョコレート、グミ、フルーツ類などからカップラーメンに至るまで。しっかりとマシンで抽出する本格コーヒーや紅茶、各種缶のソフトドリンクやアルコール類も用意されていました。
もちろんここにないものは直接CAさんに頼めば快く提供してくれます。
機内Wi-Fiサービス
スカンジナビア航空のビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスの搭乗客は無料で機内Wi-Fiを利用可能。
航空券予約時の予約番号と名前、メールアドレスを入力するだけで接続することが出来ます。
ただし、ヨーロッパ域内では比較的Wi-Fiが安定していましたが、ロシア空域にはいると徐々に不安定となり、かなり接続しにくい時間が続くのであまり大きな期待はしないほうがいいかもしれません。
5. 最後に
今回はスカンジナビア航空のビジネスクラス SAS Businessの搭乗レビューを紹介しました。
エコノミークラスでは食事のクオリティなどかなりコストカットを進めている印象が強くあるスカンジナビア航空ですが、上級客を相手にするビジネスクラスのクオリティは他社と遜色なし。
それどころか、設定料金を考えればコストパフォーマンスは抜群。美味しい食事やフルフラットシートのおかげで10時間を超える長時間フライトも苦にはならず、目的地到着後に疲れを持ち越さずに済みました。
今回は言及しませんでしたが、もちろん優先チェックインや優先搭乗、ラウンジ利用m荷物預け入れ上限の拡大など基本的なビジネスクラス客向けのサービスもついてきます。
ちょっと優雅な飛行機旅を体験したいと言う方、スカンジナビア航空のビジネスクラスおすすめです!
スカンジナビア航空エコノミークラス、プレミアムエコノミークラスの搭乗レビューは上記の記事で紹介していますので比較がてら読んでみてください。
コペンハーゲンは北欧最大都市ということで多くのホテルがありますが、特にオススメなのがRadisson Collection Royal Hotel。
中央駅から近く、観光のスタート地点になるストロイエからも徒歩数分と大変便利な立地にあります。
このホテルが人気な1番の理由は、このホテルのデザイン。デンマークを代表するデザイン建築家の巨匠、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)が内装や家具、照明まで全てデザインしており、彼の最高傑作とも言われています。
北欧ステイの雰囲気を最大限高めてくれるこのホテル、観光客にもビジネス客にも超人気なため予約が取りづらいので検討している方はお早めに!
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