羽田空港の国際線ターミナルの24時間営業のメリットを生かし、近年人気が高まっている羽田深夜発ヨーロッパ便。
日本の深夜に出発することで出発前の時間を最大限利用ができ、機内ではすぐに寝るだけ。そして目的地には翌日の朝についているということで時間の有効活用ができます。
この深夜便は昼行便を利用する際と比較してサービス内容が変更されており、深夜便のメリットを最大限活かせるよう各航空会社が工夫を行なっています。
今回は全日空ANAの羽田空港深夜発フランクフルト行きの便のエコノミークラス搭乗レビューを紹介します。
1. 深夜便とは
羽田空港の24時間化に伴い、各航空会社が本格参入してきている深夜便。
ANAやJALなど日系航空会社はもちろん、エールフランスなど外資系の航空会社も深夜便を設定しており、日本からヨーロッパの便だけを見てもドイツやフランス、イギリス、オーストリアなど外資系ファンド多方面へと利用することができます。
最大のメリットは時間の有効活用。出発日(もしくは前日)を最大限利用することができ、また翌日朝に現地に到着しているということでビジネス客に特に広く支持されています。
その他、現地到着時間が早いことを生かして、コネクティングフライトの選択肢を増やすことができるというメリットもあります。
デメリットはほとんど見つからず、通年を通して非常に高い搭乗率を保っている人気路線です。
2. 搭乗レビュー
今回は羽田発フランクフルト行き、NH203便のエコノミークラスを利用したのでその際のレビューを紹介します。
2−1. チェックイン手続き
チェックイン手続きは昼便と全く同様、航空会社のカウンターで荷物の預け入れ手続きとともに行います。オンラインチェックインをした場合でも、荷物がある場合はカウンターでの手続きとなるのも同様。
昼便との違いは、カウンターの混雑具合。
深夜便の数が昼便と比較すると少ないこともあり、空港全体にいる人の数は少なくカウンターの列もさほど長蛇の列というほどのものにはなりません。
一方、ビジネス客や上級会員の利用が多いのか、エコノミークラスのカウンター以上にビジネスクラスカウンターの列が長くなっていたのが印象的。
ただし人員もビジネスクラスカウンターのほうに多くさかれていたこともあり、こちらの待ち時間もさほど長くはなさそうでした。
2−2. 搭乗機材 ボーイング777型機
羽田発フランクフルト行きNH203便に使用されていたのはボーイング777-300ER型機。2010年に就航した機材のようでした。
現在ANAがヨーロッパ便の主力として使っている新型のボーイング787型機と比べると若干レトロ感は否めませんが、それでもまだ航空機としては若い分類に入る綺麗なもの。
日系の航空会社ということもあり、機内清掃も行き届いており快適に過ごせました。
座席配列は2−4−3。エコノミークラスとしては珍しく、最前列を除く全席レッグレスト付き。シートピッチも広く、体格の大きな欧米系の人であっても窮屈さを感じない座席となっていました。
リクライニングはFixed Back Shellスタイル。背もたれを倒すのではなく、座席全体を前方にせり出させることで角度をつけるタイプのもので、こちらは好き嫌いが分かれるものです。
後ろを気にせずにリクライニングを使うことができる、あるいは前方の人のリクライニングによって窮屈になることがないというのはこの座席タイプのメリットです。
各座席に備え付けのモニターは感圧型のタッチパネル式。モニターサイズは10.6インチと現在の水準ではエコノミークラスの平均的なもの。USBチャージャーもモニター横に備え付けられています。
2−3. 機内サービス
深夜便の特徴がでるのが機内サービス。
搭乗時にはすでに深夜0時を回っていることもあり、離陸後のサービスは最低限かつ非常にクイックに行われます。
シートベルト着用サインが消えるとすぐに軽食のサービス。軽食とは言ってもトルティーヤが一つずつ配られるだけの簡素なもの。
引き続いて通常通り飲み物が配られますが、すでにこの頃には就寝している人も多くみられました。そして離陸後1時間半がたつかたたないかというタイミングで消灯。
なるべく早く搭乗客に寝てもらえるよう工夫がされています。
実際多くの搭乗客がシートベルト着用サインが消えると同時に就寝モードに入っており、軽食や飲み物を受け取らないという人も多く見られましたし、機内エンターテイメントサービスを楽しむという人もほとんどいなさそうな雰囲気でした。
筆者も搭乗後すぐにぐっすり、気づけば6時間以上が経っていました。
フランクフルト到着2時間前になると朝食のサービス。こちらは和食と洋食の2種類から選ぶことができるようになっていました。
洋食はパンケーキとポーチドエッグ、和食はシャケご飯。洋食メニューが人気のようでした。
エコノミークラスの機内食としては調理方法や味付けにこだわりが見られ、普通に食事として美味しいと感じられるもの。機内雑誌でも紹介されていましたが、洋食であってもどこか日本の味を感じられるような、そういう工夫がサラダやサイドメニューで見られました。
JALにも同じことが言えますが、日系航空会社のエコノミークラス機内食はあなどってはいけません。
3. 注意点
深夜便はメリットづくしですがいくつか注意点があります。
まず、深夜便ということで離陸後の機内食サービスが省略されているということ。これを知らずに夕食を何も食べていないなどということになると、かなり空腹との戦いになってしまう可能性があります。
また羽田空港自体が24時間営業とはいえ、ターミナル内のお店は10時閉店というところも多く、深夜便に合わせて空港に来ると牛丼ファストフード店や回転すしなど一部レストランしか営業をしていません。
深夜便を利用する際には、夕食をある程度しっかりと食べてから空港に向かうかあるいは機内で食べれるものをあらかじめ用意しておくことが必要です。
またセキュリティチェック後の免税店も11時〜12時で閉店するところが多く、海外の人にお土産を買ったりするという場合には注意が必要です。
4. 最後に
搭乗後すぐに就寝、そして目が覚めればすでにヨーロッパ上空。時間の有効活用というのはもちろんのこと、体への負担が少ないことも大きな特徴です。
昼発便だとなかなか寝付けず、映画などを楽しんでいる間に現地到着。時差ボケに悩まされるということがありますが、深夜便では飛行機に乗るまでが若干眠さとの戦いになるとはいえ、搭乗後はすぐに寝付けるため現地到着後すぐにアクティブに活動ができるはず。
機内食のサービスがないなど一見するとコストパフォーマンスが悪いのではないかという気持ちになってしまうかもしれませんが、実際には非常に利便性が高くメリットづくしの深夜便です。
是非ヨーロッパへ渡航する際、選択肢が許せば深夜便を積極的に選んでみてはいかがでしょうか。
ANAのプレミアムエコノミークラスやビジネスクラスの搭乗レビューはこちらの記事で紹介しています。
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