日本のフラッグキャリアの一端を担い、日本と世界を繋ぐANA。スターアライアンスゴールドメンバーとして私もしばしば利用しています。
欧州在住ということで様々な航空会社を利用する機会がありますが、今回はANAのビジネスクラスに搭乗してきました。
みなさんが気になるANA長距離線ビジネスクラスの搭乗レビューを紹介します。
1. ANA使用機体
今回利用した路線は羽田ーロンドン昼便。使用機材はボーイング777−300でした。
さすが日系ということもあってか、機体の外装はとても綺麗。真っ黒になりながらも外観は関係ないとばかり飛ぶ外資系になれていると、日光を反射する程綺麗な翼はやはり気持ちがいいものがあります。
そんな搭乗機の隣を見るとドイツ行きのスターウォーズ特別塗装のボーイング787型機が。本音はあっちに乗りたかった。
2. ビジネスクラス座席
ANA長距離線のビジネスクラスは全てボックスタイプのフルフラットシートが採用されています。エコノミークラスとは大きな違い。
ANAのプレミアムエコノミーはお金を出す価値がなかなかわからない、と辛口レビューをしましたが、ビジネスクラスはその価格差をしっかりと実感できます。
ビジネスクラスの座席のリクライニングは全て電動式。
リクライニングはもちろん、レッグレストや背もたれのサポート具合などまで調整ができます。
座席前面には、着席時のレッグスペースのほかフルフラット時に足を置くことになるサポート部分があります。
寝ているときはもちろん、座っている時でも様々な姿勢をとることができるため長時間のフライトでも楽に過ごすことができます。
3. シート設備・エンターテイメント
前述のリクライニング機能以外のシート設備を紹介します。
USBチャージャーや様々なタイプに対応したコンセントホルダーはモニターの下に。
シートサイドには先ほどのリクライニングコントローラーとエンターテイメントコントローラーがあります。
モニターはエコノミークラス同様タッチパネル式になっているため、コントローラーを使わなくても操作は可能です。
しかしビジネスクラスシートの場合モニターと距離があり、特にリクライニング機能を使っている間は画面が遠いためコントローラーは地味に役立ちます。
上映されているものはエコノミークラスと同様で、最新の映画やドラマ、ゲームなど好みに応じて楽しむことができます。
4. アメニティ
ビジネスクラスでは充実したアメニティが提供されます。
枕やスリッパはもちろん、ノイズキャンセリングヘッドフォン、アメニティポーチ(後述)、フルフラット時に使用するベッドマットやかけ布団など。
さらに希望者にはパジャマがわりに使えるカーディガンが配られます。
ANAロンドン便のアメニティポーチの中には、ロンドンCovent Gardenに本店を構える美容メーカーからのアメニティが。
ハンドクリームやリップクリーム、ミスト化粧水などが入っていました。その他にも歯ブラシや耳栓など定番物ももちろん同封されています。
5. サービス
ウェルカムドリンク
まず優先搭乗で機内に乗り込むと、担当CAさんによる「”名前”様、いつもご利用ありがとうございます」のお決まり挨拶とともにウェルカムドリンクが配られました。
シャンパンやオレンジジュースから選ぶことができます。
サービスメニュー
離陸後には、食事のメニューや追加サービスがかかれたメニューリストが配られます。
あまりワインなどには詳しくありませんが、日本酒やウイスキーの銘柄を見るとなかなかいいものを揃えているような印象。
食事1回目
ANAの機内食は定番の有名シェフとのコラボ料理。
食事は和食と洋食から選ぶことができますが、私はいつも通り迷わず洋食を選択しました。
テーブルの準備の後、まずはアミューズとして、菜の花のマリネ、ホタテのスモーク、そしてちょっと変わったチーズスティックが出されました。お酒は梅酒をいただきます。
アミューズの後はサラダとスープ。ズワイガニがたっぷりのったフレッシュなサラダでした。そしてANAビジネス定番といわれる、使い道が全くない大量の塩と胡椒ももちろんセットです。
お味はというと、適度な塩味が効いてとても美味しい。やはりビジネスクラスの食事は「機内食」から一歩脱却しています。
メイン料理は、ショートリブ、アワビ、ベジタリアン対応のトルテリーニから選択。肉な気分であったためここはショートリブを選択。
予想を上回る大きなリブの煮込み料理が出てきました。味は美味しいのですが、ちょっと重かったかなというのが正直な印象。
あとANAに乗るといつも感じてしまうのがパンのレベル。エコノミーやプレミアムエコノミークラスのパンは20年前の給食か、っていうくらい論外なレベルなのですが、ビジネスクラスのパンももう1レベルアップほしいところ。
特に海外の搭乗客にとっては不満なクオリティに違いありません。
そして最後は食後のデザート。こちらもANAビジネスクラスで語り継がれる甘すぎるスイーツです。とにかく濃厚といえば聞こえはいいのですが、巨大リブステーキのあとに超濃厚なショコラはかなり効きます。
搭乗前にラウンジで既に軽食を食べていたこともあってこちらのデザートは途中でギブアップ。
といっても一品一品の質はやはり高いので、その組み合わせの問題だとは思います。機内でギブアップするほど満腹に食べられるのは幸せなんですけどね。
間食サービス
1回目と2回目のサービスの間には、ビジネスクラスは間食の提供があります。
色々選択肢はあるのですが、ANAといえば一風堂ラーメン。長距離線だとどうしても食べたくなってしまうだけでなく、一人が食べ始めるとその匂いに誘われ次々に注文がはいるという悪魔の誘惑です。
この日は一風堂の新作、鳥ラーメン。インスタントヌードルには変わりありませんがやっぱり美味しい。
ラーメンときたらビール。
超不健康の極みなのですが、こういう時にしかできない楽しみということでお許しください。
食事間のサービスであってもしっかりプレートにおつまみとともに準備してくれるのはやはりビジネスクラスです。
食事2回目
着陸前2時間ほどになると朝食という名の食事の時間になります。こちらもメニューは和食か洋食。
2回目の食事は1回目とは違いワンプレートでの提供となり、メインを選ぶこともできません。
今回はマカロニグラタン。たくさん野菜が使われており、軽食にしては食べ応えがある一品です。
エコノミークラスとの差を考えるともう少しレベルアップしてもいいような気はしますが、それまでに散々食べて飲んでとしているのでこれはこれでいいのかもしれません。
6. 総評
総評としてはANAビジネスクラスはとても満足度が高い体験になると思います。
他社と比較してもサービスのきめ細やかさや食事のクオリティでは負けていません。
ANAはエコノミークラスやプレミアムエコノミークラスではやや外資系より満足度という意味で劣勢に立たされているのが実際ではあるのですが、ビジネスクラスではそれなりにカバーできているという印象を持ちました。
唯一悔やまれるのがパンのクオリティと間食が和食に偏っていること。そういうところを改善していくとさらに海外の利用客からも高い満足度を得られるように感じました。
もちろんフルフラットになるシートの快適さはエコノミークラスとは比較になるものではなく、長距離の移動の後であってもほとんど疲れを感じず、そしてひどい時差ボケにも悩まされることなく行動することができます。
季節や予約時期によってはANAビジネスクラスもとてもお得な値段で販売されているので、ぜひその敷居を乗り越えて一度使ってみてはいかがでしょうか!
同じくANA欧州便のエコノミークラス、プレミアムエコノミークラス搭乗レビューはこちらの記事で紹介していますのであわせて参考にしてください。
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