欧州域内を周遊旅行する際に非常に便利でお得な交通手段となる格安航空会社。
ヨーロッパでは日常的に仕様されているいたって普通の手段ですが、一方まだ日本では馴染みがないこともあり格安航空会社と聞くと少し躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は欧州でも比較的最近登場した勢いのある格安航空会社、ウィズエアー Wizzairを紹介します。
1. Wizzair概要
Wizzairは2004年から運行を開始したハンガリーの格安航空会社。欧州の中では新興の格安航空会社ですが一方、ハンガリーのナショナルフラッグキャリアが倒産したこともあり、ハンガリーを代表する同国最大の航空会社でもあります。
現在はハンガリーだけではなくイギリスにも拠点を置き、ヨーロッパ全域にわたって国際線を幅広く運行している大手航空会社となっています。
2018年12月現在保有機材は120機以上、さらに新型のエアバス製機材を継続的に新規発注中という勢いがあります。
Wizzairの特徴はなんといってもその安さを生み出す細かい価格設定。後述しますが、他の格安航空会社と比べても値段設定が少し細くなっています。
格安航空会社と聞くと少し心配なイメージがあるかもしれませんが、少なくとも欧州域内で言えば最も搭乗者数の多い主要移動手段です。
私自身欧州在住者としてこの航空会社を数多く使うことがあるので、実際の搭乗レビューを交えて紹介していきます。
2. 予約方法
Wizzairの予約は、他者格安航空会社と同様全て公式HPより直接行います(英語)。
しかしながら、格安航空会社は毎日同じ航路の運行があるとも限らないため、他者の予約と同様基本的な流れは、スカイスキャナーで発着先を検索して利用可能かを探すということになるかと思います。
地方ローカル空港や中欧・東欧を結ぶ航空券を検索するとWizzairがトップ表示されることが多々。
さらに空路とは思えないほどとんでもなく安い値段が設定されている場合も多くあります。
場合によっては欧州域内国際線のフライトを1300円台で飛行機に乗れる、それが欧州格安航空会社の醍醐味でもあります。
実際にスカイスキャナーよりWizzairの予約ページへと飛ぶと、いくつか料金プランが表示されます。
こちらは実際の予約画面(PC版)。
BASICというのが一番基本のプランで最安値のもの。
その他チェックイン荷物や座席指定をしたい場合にはWIZZ GOというものを、さらにキャンセル無料や優先搭乗などのプライオリティをつけたい場合にはWIZZ PLUSを選択します。
チェックイン荷物があると突然値段が上がりますが、ルールに反すると当日に非常に高額な追徴金を課される場合があるので、荷物がどのくらいになるのかよく事前に確認をしましょう。
とはいっても格安航空会社を利用する以上その安さの恩恵を受けるために機内持ち込み荷物だけで乗り込むことが理想ではあります(詳しくは次項)。
3. 荷物制限
Wizzairは航空会社の中では最も厳しい機内手荷物持ち込み制限を課していることで知られています。
最安のプランで航空券を購入した場合には、 40 x 30 x 20 cmの大きさに収まる荷物を1つのみ機内に持ち込みが可能。
2つ目に関してはたとえハンドポーチ程度の大きさのものであっても追加料金なしでは持ち込むことができません。
この40 x 30 x 20 cmというのは座席下に入れることができるサイズという目安で使われているため、座席下に収納可能なものであれば多少サイズオーバーしても見逃してくれる傾向があります。
ただ、オーバーサイズのキャリーバッグに関してはほぼ100%の確率でゲート前でペナルティを課されるのでBASICチケットを購入の際には十分注意が必要です。
手荷物が2つになりそうな場合やキャリーバッグを持ち込む予定の場合には初めからWizzGoを選んでおくか、Basicを購入したのち座席指定と荷物追加のパッケージセットである「プライオリティ」を追加購入しておくようにしてください。
尚、空港や搭乗ゲートにはこのようなスケールが置いてあり、荷物の大きさがあってないと判断されると確かめるよう指示されることがあります。
荷物の大きさを守るというのが格安航空会社使用時の原則です。
3. チェックイン
格安航空会社の基本として、Wizzairもチェックインは原則オンライン上で行います。
予約完了後送られてくるメールの指示に従いチェックイン手続きを行った後、搭乗券を印刷しておくかスマートフォンにモバイルボーディングパスを保存しておく必要があります。
航空券予約時に「空港チェックイン」も選択できますが、その場合追加料金がかかるので注意してください。
尚、空港チェックインを選択せずに当日空港でチェックインを行う場合、罰金のような高額な手数料を取られますので注意してください。
4. 航空券
印刷した搭乗券には、座席番号、搭乗時間、出発時間が記載されているほか、搭乗に使用するドアの位置も書かれています。
座席が後部の場合には後方出入り口を使うよう描かれているので、その指示に従ってください。
ちなみに今回は移動の自由を定めたシェンゲン協定加盟国間の便ということで事前の「VISA CHECK」の指示はなかったのですが、なぜか搭乗ゲートを通った際にスタンプを押されました。
ここは空港職員の対応によって変わるのかもしれません。
ただし東欧諸国やイギリス、アイルランドなどシェンゲン協定未加盟の国とシェンゲン協定加盟国を結ぶ便(入国審査が必要な国際移動)の場合にはウィズエアー利用時はビザチェックが必要となります。
ビザチェックが必要かどうかは印刷した航空券もしくはダウンロードしたモバイルボーディングパスに書かれています。
ビザチェックについて詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
5. 使用機材
ウィズエアーは他社大手格安航空会社同様機材繰りや機材メインテナンスにかかる人件費を削減するため、使用機材は全てAirbus A320ファミリーに統一しているようです。
ピンクの機体に大きくWizzと描かれた独特の機体は目を引きます。
6. 機内
機内はというとシンプルでいたって普通。
典型的な格安航空会社仕様となっているため、座席とテーブルのみの最低限となっています。
シートピッチも標準的な格安航空会社の間隔で30−32インチとのこと。リクライニング機能は付いていません。
標準的な日本人にとってはそこまで窮屈ということもなく、短時間のフライトであればまったく問題ありません。
7. 機内サービス
機内サービスもほかの格安航空会社と同様、全て有料になります。メニューは各シートに備え付けてあり希望があれば注文する形。
ライアンエアーのような買え買えオーラを出すこともなく、淡々とサービスしている印象でした。また、物価の安いハンガリーの会社ということもあってか、機内サービスの値段も抑えめな印象。
周囲を見ていると結構注文している人が多いように思いました。
実際物価の高い北欧等で空港の売店で飲み物やサンドイッチを買うよりは機内で購入した方が安いので、Wizzairにいたっては機内での購入がお得かもしれません。
8. 運行について
もちろん格安航空会社とはいえ運行そのものにはまったく問題なく、私が乗った便に遅延なども発生しませんでした。
セーフティデモンストレーションなどもいたって普通。利用客も非常に多い大手航空会社なので、安全面での心配はいらなさそうです。
9. 最後に
欧州で急成長を続ける格安航空会社Wizzairの搭乗レビューを紹介しました。
格安航空会社の代名詞であるライアンエアーやイージージェットがその厳し過ぎるルールなどで評判を落とす中、Wizzairは同等の価格設定にもかかわらず安心してストレスフリーで利用することができました。
尚、ナショナルフラッグキャリアのような上級会員制度がないwizzAirであってもプライオリティパスを使うことで空港ラウンジを利用することができるので、LCCを含め航空機での移動を良く使う人は登録していくことをおすすめします。
長くなりがちな待ち時間を有効に使うことができるはずです。
交通機関として考えるのであればいたって普通、荷物の追加料金を払っても非常に安いので時間や運行ルートがあるのであれば是非気軽に使ってみてはいかがでしょうか。
こんにちは。22年5月に英伊間の往復でWizz Airを利用しました。航空券自体は非常に安かったですが結果的に€78の罰金と計6時間の遅延の間に合ったので今後の皆さんのために追加で共有させてください。
ちなみにペナルティについては自業自得でもあります、がweb pageは本当にわざとか?レベルでわかりづらく書かれています。今まで数十回は格安航空券を利用してきましたが過去1ひどい対応でした。
ペナルティ
Skyscannerから複数航空会社が選べる中で今回Trip.comを利用しました。
注意1:priority check inの名称が分かりづらい
priority checkinの内容はTrip.comから予約すると座席指定、fast online checkinくらいしか出てこないのでまあいいかとスキップしましたが、これに機内持ち込みキャリーバッグと自動オンラインチェックインが含まれています。(1〜2日前に勝手にチェックインしてもらえます)これを外してしまうと、搭乗2時間前までに自分でチェックインしなければ€48ペナルティですがこの注意書きは(少なくともTrip.comから予約すると)どこにも書かれていません。メールにも全く書かれません。
なお私は2時間以上前に空港カウンターで指摘され、自力でやろうとしましたがそれもダメで支払わされました(支払いのために別のLCC合同チェックインカウンターに小一時間並ばされました)
注意2: Trip.comからフリーの持ち込みのbaggage allowanceを確認すると、航空会社のHPに飛びますが、「1キャリーバッグ(オーバーヘッド)と1バッグ(座席下)」がfreeに含まれる、と記載されています。しかしこれが含まれていません。€30
Delay
往路:4時間、機内で待たされました。30分〜1時間おきに「いつ飛ぶかわからない」という機内アナウンスがありました。(原因不明、聞いたが教えてもらえず)
復路:これまた2時間delay
みなさま私のような失敗をされずにお気をつけて格安旅を楽しんでください。
貴重な体験シェアありがとうございます。
LCCのトラブルを見ると、どれもやはり旅行会社を経由しての予約にまつわる説明不足に起因するものが多いように思います。
やはりLCCは航空会社からの直接予約とアプリのダウンロードが重要だと感じます。
ディレイについてはEUのルールで補償が航空会社に義務付けられています。補償の有無については飛行距離と遅延時間に依存するので、今一度調べて見てはいかがでしょうか。
https://www.airhelp.com/en-int/eu-flight-delay-compensation/
個人での対応も可能ですがこのようなサービスを使うと手数料を取られるとはいえ手続きが簡単になります。
wizzair を初めて利用するのでこちらがものすごくわかりやすくて拝見させていただいております。
私は日本人で3/28発でポーランドからロンドンの往復です。
ビザチェックが必要と仰っておられますが、何か必要な書類などがあるのでしょうか?また、アプリに保存していても航空券のプリントアウトは必須になりますでしょうか?
お教えいただけると有り難いです。
どうぞよろしくお願いします。
基本的に日本人であればパスポートがあれば十分です。印刷をして、それに現地でスタンプを押される形になります。