人口1000人以上の街としては世界最北に位置し、北極点からわずか1000kmあまりしか離れていないスヴァールバル諸島スピッツベルゲン島、ロングイェールビーン。
人口2000人、白熊3000頭、スノーモービル4000台ともいわれるまさに極地ですが、実は毎日ノルウェーから民間機が就航しており、観光でも気軽に訪れることができる街です。
そんなロングイェールビーンにいったからには「世界最北」を感じられるような体験をたくさんしたいところ。
今回は、ロングイェールビーンの街中心部での観光名所や、せっかく極地まできたからには是非経験したいアクティビティなど10項目紹介します。
1. スヴァールバル博物館
スヴァールバル諸島で北極圏の生活や文化、歴史を学びたければ、必ず訪れるべきなのがスヴァールバル博物館。
博物館と研究機関が隣接しており、とても詳細で正確な情報に触れることができます。
その展示内容は多岐にわたり、中世以降活発化した北極圏開拓の様子や、極地での生活や狩猟のこと、ロングイェールビーンが発展した理由でもある炭鉱業について、そして忘れてはならない環境問題についてなどなど。
剥製を使って北極海で見られる生態系の展示があったり、とても精巧に作られたマネキンによる炭鉱業の過酷さが紹介されていたりと、極地とされるこの地のことをよく理解できる場所です。
名称: Svalbard museum
公式HP: svalbardmuseum.no
住所・地図:
2. 最北スーパー スヴァールバルブティッケン
ロングイェールビーンには世界最北のものがたくさん。街唯一のスーパーマーケットであるスヴァールバルブティッケンは世界最北のスーパーマーケットとしても知られています。
そんな世界最北のスーパーの品揃えや物価などは気になるところ。
ここを訪れる皆が驚くのが、意外にも品揃えは豊富で物価も安いということ。その秘密はこちらの記事で紹介しています。
スーパーで購入できるトートバッグや買い物袋はお土産としても人気。是非ロングイェールビーン立ち寄りの際には買い物をしてきてください。
名称: Svalbardbutikken
公式HP: svalbardbutikken.no
住所・地図: Coop Svalbard, 9170 Longyearbyen
3. 名無しのメインロード
ロングイェールビーンは人口約2000の非常に小さな街。街中心部のメインロードは南北に1本に伸び、その道路沿いに多くのお店やレストラン、ホテルが並んでいます。
ロングイェールビーンの生活の中心であるとともに、観光客にとってはお土産探しなどの拠点。
極地ということを反映して、白熊対策の銃が売られているお店やあまり欧米ではみかけなくなった毛皮製品のお店など、物珍しいお店がたくさんあり、ウィンドウショッピングをするだけでもとても楽しいエリア。
特にこの地でしか売られていないオリジナルブランドの防寒具などは観光客にも人気で、そのクオリティも高いのでおすすめです。
4. ロングイェールビーン川河口
ロングイェールビーンの街の一番北外れにあるのが、ロングイェールビーン川の河口部分。
こちらは海が内陸に入り込んだフィヨルドの部分でもあり、冬期になると凍結するエリアでもあります。
夏には大型の客船が出入りしていたり、美しい山々に囲まれながらカヤックを楽しんだり釣りを楽しむことも可能。
冬期になると、その凍結した上を歩くトナカイの姿や、スノーモービルを使って対岸にわたったりができるようになります。また、街外れにあることもあって光害が少ないため、オーロラ観測地としてもおすすめ。
この河口付近からは、まさに極地を感じさせる険しい山々を眺めることができ、ロングイェールビーンで大自然を感じられるスポットの1つとして人気です。
5. スヴァールバル教会
スヴァールバル諸島に唯一の教会であり、世界最北の教会でもあるスヴァールバル教会。この教会は1921年に建てられた教会が元となっており、現在のたてものは1958年に再建されたものです。
この教会の面白いところは、教会運営がノルウェー政府による国営となっていること。教会運営も極地ということで独特のようです。
建物は全て木造となっており、内部には小さく可愛らしい祭壇と礼拝堂。そして、教会らしくないことに白熊の剥製とカフェスペースまで。
教会であると同時にロングイェールビーンに住む人のコミュニティを深める場所であることが感じられます。
名称: Svalbard Church/Svalbard kirke
公式HP: www.svalbardkirke.no
住所・地図: Postboks 533, Longyearbyen 9171
6. スヴァールバル世界種子貯蔵庫
世界種子貯蔵庫は、ロングイェールビーン郊外にある巨大地下貯蔵庫。いつかくるかもしれない世界の大確変に備え、現在地球上に存在する種子を世界中から集め永久凍土に掘った貯蔵庫(-18度)に保管しています。
その規模は1種につき50の種子を保存する前提で、450万種類もの種子を保存できる大きさ。現在までのところ90万種類の種子が保存されています。
特別なツアーなどがない限り普段観光客が内部を見学することはできませんが、外側だけであれば誰でもすぐ近くまで近づくことも可能。
ロングイェールビーンから徒歩ではアクセスが難しいので、ロングイェールビーンを紹介するガイドツアーなどに参加してアクセスするといいでしょう。
名称: Svalbard Global Seed Vault
公式HP: croptrust.org
地図
7. 氷河クルージング
6~9月の夏季にはクルージングも人気。一口にクルージングといっても、同一行程内にホエールウォッチングや氷河間近までの接近、さらに運が良ければ白熊観察など、欲張りすぎなほどに楽しみがつまっています。
クルージング船でしかアクセスができないようなところが多数あるスヴァールバル諸島。夏にロングイェールビーンを訪れる方にとってはマストアクティビティです。
ちなみに真夏とはいってもそこは北極圏。風も強いため防寒対策は必須です。
8. スノーモービルツアー
真夏の時期を除いて、秋から春にかけて通年で楽しめるのがスノーモービルツアー。日本からであっても国際免許証を提示することで参加することができます。
公共交通機関がなく、冬場には車もほとんど使用できないこの地では、人口2000人にしてモービル台数4000台と呼ばれるほどスノーモービルは重要な交通手段。
そんなスノーモービルだからこそアクセスできる大自然と絶景には声を失うこと間違いなし。
ロングイェールビーンの街を離れる際は法律で白熊対策としての銃の携帯が義務付けられているため、このようなツアーに参加する際には銃を携帯したガイドと行動が原則。
また-30度にも耐えられるモービルスーツやブーツの貸し出しもセットになっており、観光客の安全面もしっかり考えられたツアーなので安心です。
9. 犬ぞりツアー
極地で長年にわたって主要交通手段として活用されてきたのが犬ぞり。
ここロングイェールビーンにも犬ぞり基地が多数残っており、観光客も参加可能な犬ぞりツアーが複数催行されています。
この地の犬ぞりツアーの特徴はなんといってもそのリアルさ。
他の北欧各国で見られるような、少し体験して終わりというような犬ぞりツアーではなく、犬と信頼関係を築き、ロープでソリに固定するところから全て参加者の任務。
また、操縦者は声や足、体重移動を使って実際に犬をハンドリングすることが求められます。
そのためかなり体力と力がいるツアーであることも間違いなく、実際に私が参加した時も振り落とされて軽傷を負った方やソリが横転するなんていうアクシデントも。
どちらかというと体力に自信がある若者向けアクティビティです。
10. オーロラ観測
ロングイェールビーンは北に位置し過ぎてしまいオーロラバンドを外れるため、一般的にはオーロラの名所とは言われません。
ですが、周囲に大都市などがないため光害がほとんどなく、街の中心部であってもそれほど明るいわけではないので、オーロラ発生日には夜間街中からでもしっかりと美しいオーロラを見ることができます。
また、街のわずかな明かりをも気にする方には、キャタピラのついたスノーキャットを使ったオーロラツアーも催行されており、そこからは人工物が何一つない大自然の中オーロラを楽しむことができます。
ちなみに冬期は街の外に車で出ることはできず、また銃の携帯が義務なため、個人では街を離れることはできないため、ロングイェールビーンの外からオーロラを見るためにはツアー参加が必須です。
実際私が人生でみた最も強いオーロラもここロングイェールビーンから。冬の夜間は−35度近くになるため、念入りな防寒対策をして楽しんでください!
最後に
北緯78度、北極点からわずか1000km程度と離れていない極地であり最北端の町ロングイェールビーンを楽しむために行きたい所、やりたいアクティビティを10項目紹介しました。
最後に私が現地で簡単にハイライトをまとめたタイムラプス動画を紹介します。
まさに普段は絶対に経験できないようなことが盛りだくさんで、空港に着いた瞬間から新たな発見と経験の連続。
死ぬまでに1度、いや何度も訪れたい、本当にそう思わせてくれる場所でした。
その他天候や物価事情など、旅行前にチェックしておきたい重要事項はこちらの記事でまとめています。
ロングイェールビーンへは、夏場に催行される北極海クルージーング、もしくはノルウェーのオスロやトロムソから発着する直通便を利用してアクセスすることができます。
是非みなさんも機会があったら足を運んでみてください!
ロングイェールビーンは開発が制限されていることもあって、ホテルの数が需要に比べて非常に少なく、また一般住宅もほとんどないためAirbnbの物件も限られています。
そのため、通年にわたって旅行者の宿泊場所確保が難題。そのため、個人旅行をする際には宿泊場所の予約と航空券の予約を並行して進める必要があります。
航空便はノルウェー首都オスロや北極圏の最大都市トロムソを起点に、スカンジナビア航空やノルウェーエアシャトルなど複数会社が運行しています。
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