ポーランド南部クラクフ郊外にあり、ユネスコ世界遺産に登録されているヴィエリチカ岩塩坑。
13世紀から20世紀後半まで稼働していた世界でも最大級かつ最古の塩鉱で、年間100万人以上が訪れるポーランド有数の観光名所となっています。
塩鉱の中はガイドツアーで見学が可能となっており、クラクフから半日程度で観光が可能。この記事ではそんなヴィエリチカ岩塩坑のツアーに参加した筆者が内部の様子やおすすめツアーについて紹介します。
1. ヴィエリチカ岩塩坑の場所・アクセス
ヴィエリチカ岩塩坑はクラクフ中心地から約15km離れており、クラクフ県のお隣、マウォポルスカ県ヴィエリチカに位置しています。
1-1. 車・タクシーで
クラクフ中心部からは車で約25分ほどの距離。道路は綺麗に整備されており、幹線道路1本道のためレンタカーを利用しても簡単にアクセスすることができます。
ヴィエリチカ岩塩坑は主要観光地ということもあり駐車場も十分なスペースがあるので午前・午後ともに混雑時期でも駐車に困ることはありません。
タクシーを利用する場合日本円にして片道2-3千円の距離、ホテルによってはタクシー会社と定額制での契約を結んでいるところもあるので聞いてみるといいでしょう。
1-2. 公共交通機関で
クラクフ中心部からヴィエリチカ岩塩坑まではバスを利用して30分ほどでアクセス可能。最安値で訪れたい場合にはバスがおすすめです。
最も便利なのが304番のバス。20分間隔の運行ではあるものの岩塩坑の観光センター目の前に停留所があるためわかりやすくおすすめです。
利用バス:304番
岩塩坑最寄り:Wieliczka Kopalnia Soli
クラクフ旧市街最寄り:Jubilat
利用バス:301番
岩塩坑最寄り:Wieliczka Klasztor(岩塩坑より徒歩10分)
クラクフ旧市街最寄り:Jubilat
運賃:PLN 4.0 (2022年7月現在=約130円)
1-3. クラクフ発半日ツアーで
最も楽にアクセス可能なのがクラクフ発の半日日帰りツアーに参加する方法。クラクフ市内からの送迎と現地でのガイドツアーをパッケージで購入することができるため、ガイドツアーを自分で予約したりする手間を省くことができておすすめです。
数多くのツアー会社がクラクフ発ツアーを催行していますが、少人数制のツアーがおすすめ。岩塩坑のガイドツアーもツアー単位で行われるため、少人数ツアーの方が周りに影響されずゆっくり写真を撮ったりすることができます。
おすすめツアーは記事後半で紹介しています。
2. 見どころと見学のコツ
2-1. ヴィエリチカ岩塩坑の見どころ
ヴィエリチカ岩塩坑は13世紀から1996年まで創業されていた世界でも最大級かつ歴史の長い岩塩坑。現在わかっている範囲だけでも最深部は327m、全長300km以上にも及び、過去にはショパンやコペルニクスも訪れたとされています。
そのうちやく3-4kmの部分が観光用に整備されており、ガイドツアーに参加することで見学することができます。
ガイドツアーが始まるとまずは380段の螺旋階段をひたすら降り、地下64mのスタートポイントに辿り着きます。
ここからは観光用に整備された約3kmの坑道を歩きながら、各ポイントにある見どころでガイドから説明を受けていく2時間のツアーとなります。
坑内には岩塩採掘が行われた当時に坑夫が歴史上の有名な人や神話上の登場人物を彫った彫刻が数多く残されています。
坑内は全て塩。床も天井も壁も、全てが塩となっており舐めてもいい(けれども衛生的に保証できない)と説明がありました。
坑内は暗く幅2-3mの道を進みます。数十メートルおきに岩塩でできた彫刻や当時の採掘が行われた様子を模した展示がされていました。
ツアーは奥に進むにつれどんどん深く移動していきます。基本的に観光路はフラットに整備されています。
そして最大のツアーの見どころがキンガ礼拝堂。
地下100mほどの場所にある大広間で、もちろん壁や床、階段など全てが岩塩。シャンデリアや彫刻もすべて岩塩で作られています。
キンガ礼拝堂には岩塩でできた最後の晩餐の彫刻やマリア像、イエス・キリストの十字架像など様々な見どころがあり、ツアーではこの礼拝堂で5-10分の自由時間となります。
ちなみに坑内には約40もの礼拝堂があるとされ、そのうち複数のものはツアー行程中に見学することができます。
キンガ礼拝堂の先に進むと辿り着くのが地底湖。透明度が高くライトアップされていることもあり神秘的な青色に輝いています。
この岩塩坑内部にはカンファレンス場としても使える場所があり、過去には国際学会や外交の場としても使われています。坑内にはそういったイベント参加者のためのエレベーターも。
岩塩坑内部には一般の観光客用の売店やレストランもあり、坑内で食事を取ることも可能(個人ツアー参加客のみ)となっています。
坑内の見学ツアーは約2時間。ツアー中はひたすら歩きとなりますが、ツアー後地上へと上がる際はエレベータを利用するので体力的にはさほど消耗はしないという印象でした。
2-2. 見学のポイント
高感度カメラの用意
坑内は観光用にライトアップされているとはいえ、全体的に薄暗い場所が多く綺麗に写真を撮ろうとすると高感度に強いカメラが必要となります。
スマートフォンでもナイトモードなどで撮影可能ですが、一方で人物を入れての撮影などはなかなか厳しくなります。
綺麗に写真を撮りたい場合には夜景に強いカメラや、センサーサイズの大きな一眼ミラーレスカメラがおすすめです。
旅行におすすめなカメラについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
最低限の荷物
坑内に持ち込みが可能な荷物は飛行機の座席の下に収まる大きさのものと同等。大きなバックパックやキャリーケースは持ち込むことができません。
ヴィエリチカ岩塩坑のチケット売り場そばに荷物の一時預かり所がありますが、スムーズに観光できるよう大きな荷物はホテルや車内に置いておくことをおすすめします。
服装と靴
坑内は通年気温15度〜16度程度に保たれており、少しひんやりとする体感温度。あまり寒いと感じるほどではありませんが、ツアーが2時間程度続くことを考え長袖もしくは羽織るものを用意しておくといいでしょう。
ツアー中は数百段の階段を含む約3kmを歩くことになるため、歩きやすいスニーカーがおすすめです。
3. おすすめツアー
ポーランドでも有数の観光地であるヴィエリチカ岩塩坑へはクラクフを発着するツアーが数多く催行されています。
そのため、価格競争も激しくどこのツアーもほとんど値段に差はなく、正規の岩塩坑ガイドツアー料金に往復の送迎料金を多少上乗せした程度の価格に落ち着いています。
おすすめは25名以下の小グループのツアーで所要時間が4時間程度のもの。小さなグループのツアーのほうが岩塩坑内部も少人数で周れるためおちついて写真撮影等を楽しむことができます。
また所要時間は一番短いものでも主要な見どころは全て廻ることができるので十分です。
4. 最後に
ユネスコ世界遺産に登録されている世界最古の岩塩坑、クラクフを観光する際には必訪の名所です。
特にキンガ礼拝堂は有名なだけあって見応え抜群。一度見たら一生忘れないような地下の世界を楽しむことができます。
数多くツアーも出ており気軽にクラクフから半日程度で見学可能なので是非自分の目でその絶景を堪能してください。
クラクフに宿泊する際におすすめなのがラディソン・ブル・ホテル・クラクフ。クラクフ旧市街に隣接した場所にあり、空港アクセスもしやすく観光に便利なホテルとなっています。
5つ星ホテルではあるもののフレンドリーでカジュアルな雰囲気もあり、価格帯も抑えめ。一方、サービスや客室のクオリティ、豪華な朝食ブッフェは5つホテル相当とコストパフォーマンスがいい使い勝手のいいホテルです。
ホテル名:Radisson Blu Hotel Krakow
住所:Floriana Straszewskiego 15, 31-101 Kraków
ホテルランク:5つ星
料金目安:13,000円〜/部屋・泊(スタンダード)
筆者レビュー:【クラクフ/ラディソン】観光におすすめ5つ星ホテル宿泊レビュー
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