マイクロフォーサーズ用のマニュアルレンズ、フォクトレンダー コシナ 25mm F0.95。
F0.95という驚異的な大口径レンズから生まれる圧倒的なボケ味を求め、コアなユーザーを中心に愛されており、私も思わず手が出てしまった一人。
今回はそんなレンズをOM-D E-M1 Markⅱに装着し、秩父羊山公園に芝桜を撮影しに行ってきましたので作例を紹介します。
1. 開放の近接撮影でとろふわ
このレンズの特徴は、1つのレンズにして色々な味を出せるというところ。絞り開放で撮影した場合、フワッフワになるというレビューが多くありますが、実は必ずしもそうでないのがこのレンズ。
まずは評判通りのとろふわ写真を1枚。
絞り開放で撮影。ピントが合ったところは芯がありつつもふわっと、合焦部分から離れるとまるでとろけるようにボケが広がっていきます。
噂通りソフトフォーカスをかけたような柔らかい写真に。
さすがフォクトレンダーの名を冠したF0.95という超大口径レンズということだけあって、このボケの表現はただただ素晴らしい。
2. 開放の遠景撮影でジオラマ風
実は「絞り開放でソフトフォーカスをかけたような画になる」というのは、近接撮影をした場合に限る、といってもいいかもしれません。
実際に焦点ー被写体間距離を長くとるとこんな感じに。
合焦させた部分はしっかりシャープに、ですがそこからジオラマのように急激にボケはじめ画面にいくにつれ芯が見えなくなります。
前ボケ、後ろボケともに非常に綺麗でうるささは感じません。特に後ろボケは見事で自然にとろけていきます。
「被写角深度」というものを意識させるような写りです。
3. 絞り値の違い
このフォクトレンダーのF0.95シリーズの購入を検討している方の多くは絞り開放での利用を目的としているでしょう。
一方でF0.95では場合によってはボケすぎてしまい撮影対象がはっきりしないことがあります。
絞り開放で撮影した場合は黄色い花が白い背景の中に1本だけ咲いているような画になりますが、少し絞ると実は背景に芝桜がびっしりと植わっていることがわかります。
いずれにせよ、最小絞り値がF0.95というのは撮影表現の幅が広がります。
4. 絞ってしゃきっと遠景撮り
完全マニュアルレンズで、開放のボケを売りにしているレンズではありますが、絞ればかなりシャープな画を作ってくれるレンズでもあります。
この写真はF8まで絞り込んで撮影しました。ほぼパンフォーカスのように四隅を除いて全体をシャープに解像しています。
圧縮前の20MPの画像では、向こうに見える木の葉っぱ1枚1枚しっかり描写できていることがわかりました。
色の再現性もとてもよく、そこはさすがにデジタル専用設計と言えるかもしれません。もちろんしっかりと絞れば、手持ちのかき氷を背景と共にいい感じに写すことができます。
「絞り値によって全く別の顔を持つレンズ」という評判は間違いではありません。
5. 近接ポートレートが楽しい
35mm換算で50mmの大口径レンズということで、ポートレートにも最適。
少し距離を取ればピント合わせもしやすく、さらにカメラ側のピーキング機能等を使うことでMFレンズながら初心者であってもフォーカス操作は比較的容易なはず。
ですが、このレンズをの特徴を生かすのであれば、思いっきり寄った近接ポートレートにチャレンジしてみてください。
ここで出した作例は、顔のアップを撮影した作品から全体の1/6程度の範囲だけを切り取ったもの。
合焦部分のまつ毛の部分をよく見てみてください。左目のまつ毛手前半分は合焦して芯がある描写をしている一方、奥半分はボケてとろけていっています。
まつ毛にピントを合わせるのはポートレートの基本とよく言いますが、このレンズを使う限り、まつ毛のどこにピントを合わせるか、というところまでコントロールできてしまいます。
これはオートフォーカスには絶対に出来ない技ですので、マニュアルレンズを使いこなせると表現の幅はさらに広がってきます。
6. 最後に
いかがでしたか?
マイクロフォーサーズ用マニュアルレンズ、フォクトレンダー 25mm F0.95を紹介しました。
開放でとろけるようなボケ味を楽しむもよし、少し絞ってスナップ写真に使うもよし、絞り込んでシャープな風景撮影をするもよし、様々な使い方ができる魅力的なレンズです。
フォクトレンダーのレンズを使うためだけにマイクロフォーサーズシステムを導入したという人がいる気持ちもよくわかりました。
是非今後購入を検討している方はこのレンズ沼にも足を突っ込んでみてください!
フォクトレンダー25mm F0.95開封レビューや、ここでは紹介していない作例をこちらの記事で紹介していますので、合わせてごらんください。
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