ヨーロッパで最も成功し、最も知名度があり、格安航空会社の代名詞とも言えるのがライアンエアー Ryanair。
欧州域内の飛行ルートをバス料金かと思わせるほどの格安の航空券で販売している、節約旅行者の味方でもあります。
一方、その値段を支えるために、色々と他の航空会社には見られない特徴があるのも事実。今回は、最も価格帯の安い航空券「Valueチケット」を利用してライアンエアーに乗る際に知っておくべきことを10項目紹介します。
ルール
1. オンラインチェックインと印刷
ライアンエアーにValueチケットを利用して搭乗する際に絶対に忘れてはいけないのが、搭乗前のオンラインチェックイン。
通常は出発時刻の48時間前から、予約時に座席指定を有料で行った場合には搭乗前60日からいつでも行うことができます。
また、オンラインチェックインと同時に忘れてはならないのが、搭乗券の印刷。オンラインチェックイン時にPDFでダウンロードできるので、それを必ず印刷して空港に持参してください。
オンラインチェックインを忘れると55ユーロ(もしくはポンド)、搭乗券の準備を忘れると20ユーロ(もしくはポンド)という高額の手数料という名のペナルティーを空港ターミナルで課されてしまいます。
2. ビザチェック
ライアンエアーを含む一部欧州格安航空会社では「VISAチェック」という航空会社によるパスポート等の渡航書類の事前確認が行われています。
航空会社は乗客が入国拒否等担った場合には「航空会社の負担で」出発地に連れ戻さないといけないというルールがあり、このリスクを無くすために行うコスト削減の一環です。
VISAチェックが必要となるのは主に非シェンゲン圏からシェンゲン圏への移動(もしくはその反対)等、入国時に国境審査を抜ける必要がある越境。
VISAチェックに該当する便を利用する際は、セキュリティチェックの前に航空会社カウンターに並ぶ必要があります。
尚、VISAチェックが必要にかどうかは渡航前のオンラインチェックイン時にわかります。VISAチェックが必要な場合、オンラインチェックインを行なってもバーコード付きの搭乗券が発券されず、代わりにカウンターに行ってVISAチェックを受けるよう記載が出ます。
この場合、最終的な搭乗券はVISAチェック後にチェックインカウンターで印刷されます(無料)。
3. 手荷物許容量順守
荷物のポリシーが非常に厳しく厳格な運用をしていることで知られているライアンエアー。
まず航空券を最低運賃(Valueチケット)で購入した場合、機内に持ち込める荷物の数は1つのみ。また前席のシート下に収まる小さなサイズのバッグのみ持ち込み可能(25 x 20 x 40 cm以下)で、頭上のコンパートメントは使用できません。
チェックインが必要なスーツケースなど大きな荷物や、手荷物として持ち込むキャリーバッグ等を追加する場合には、航空券購入時もしくはチェックイン前に事前購入が必要です。
ライアンエアーではチェックインカウンターや搭乗ゲート前で荷物チェックを頻繁に行なっており、サイズオーバー、重量オーバーもしくは個数制限オーバーが見つかると追加料金を請求されるため十分に注意し、適切なチケットを選択するように注意してください。
暗黙の了解
4. 隔離された出発ゲート
一般論として、格安航空会社のターミナルは空港の端に簡易的に用意されていることが多く、ナショナルフラッグキャリアを利用する場合と比較して空港内を歩く距離が増えます。
特に、ライアンエアーやイージージェットといった「超格安航空会社」に分類される航空会社の場合には、格安航空会社ターミナルの中でも一番端の端が割り当てられることがほとんどです。
ですので、特に大きな空港の場合には、空港内での移動量がかなり多くなりがちですので覚悟が必要です。
また、長い距離移動しても、今度は出発ゲート付近には簡易的なコンビニとトイレが1つあるだけ、のようなことが大半。
免税店での買い物など予定している場合には先に済ませてから出発ゲートへ向かうようにしてください。
逆に、欧州LCCを利用する際には小さな地方空港を使用した方がデメリットを最小限にすることができます。
5. どこでも大行列
ライアンエアーはとにかく並びます。
まず空港スタッフの数が少ないため、VISAチェックや荷物預けいれの際に大行列。
さらに、早く機内に乗り込めるようにと搭乗ゲート前にかなり早くから並び始め、いざ搭乗が開始されてもタラップ前でまた行列。
特に、ライアンエアーの場合は屋外に停留している飛行機まで歩いていき、そこからタラップを自分の足で乗り込むため、お年寄りなんかがいると屋外のタラップ前で行列。屋外で並ぶため天気が悪い時や冬場はなかなかの苦行です。
さらに、機内にやっとたどり着いても今度は荷物スペース探しのためみな行ったり来たり。なかなか前に進まないなんていうのは日常茶飯事。
心を大きく開いてゆとりを持たないと結構ストレスがたまってきます。
6. 荷物スペース争奪戦
ライアンエアーは薄利多売のビジネスモデルということもあり、搭乗率は他社航空会社と比較しても高く、常に満席の状態で便を飛ばしています。
そのため、追加料金が必要とは言えオーバーヘッドコンパートメントの充填率は高く、特にホリデーシーズンなどはスペースの争奪戦になることも。
搭乗が遅れると場合によってはスペースが座席周辺に無いなんてこともあり、座席とは遠く離れた場所に荷物を収納されたり、もはやどこにも場所がなくCAとともに途方に暮れてる、なんてこともしばしば。
7. 機内清掃の概念なし
ライアンエアー等格安航空会社はとにかくその運行率・回転率の高さで収益を出しています。ですので、乗客を降ろして、数分後には次の客の搭乗開始なんていうのは当たり前。
もちろん降機後の機内清掃なんてものは行われません。ですので、しばしばポテトチップが床に散らばっていたり、食べかすがシートの上に乗っかってたりなんてことがあります。
この写真はデンマークからイギリス区間で使用した際に遭遇した、まるで焼きたてのクロワッサンを犬が食べた後のような惨状。
座席が綺麗かどうかは前の客のモラルに完全に依存します。。
清潔感を気にされる方には向かないかもしれません。
8. 時間にゆとりを
空港到着後のビザチェックのための行列から始まり、遠いターミナルへの移動、早めに並び始める鉄則など、ライアンエアー利用時はかなり時間を消費します。
時間をお金で買うとはまさにことのことで、航空券が安いからこそ色々時間の無駄も多くなってしまうのは仕方ありません。
また、特に午後や夕方から夜にかかてのフライトを利用する場合には朝からの遅延の積み重ねによって出発遅れや到着遅れがかなり頻繁に発生します。
なるべく時間に余裕を持った行動をするようにしましょう。
9. CAの愛嬌を期待しない
ライアンエアーのCAの仕事は、ドアの開閉、安全確認、機内食・商品の販売に限られていると割り切ることをお勧めします。
みんながみんな愛嬌のいい対応をしてくれるとは限りません。またシャツがズボンから出てるだらしない系CAとかも結構普通にいます。
彼らにはあまりホスピタリティの概念はなく、あくまで最低限の仕事をしてるといった感じ。ですのでサービスの質には期待しないことが鉄則です。
もし愛嬌のいい笑顔が欲しければ、機内販売でなんか買ってあげてください。お金を受け取る一瞬だけ笑顔になります。
10. 窮屈なのはしばし我慢
ライアンエアーに限らず多くの格安航空会社のシートは固定されており、リクライニングをすることはできません。
またシートピッチもフラッグキャリアと比較するとかなり狭く、少し大柄な方は簡単に前の座席に膝が着いてしまうほど。
ライアンエアーを使う際には長くても2時間半程度の短距離フライトが基本だと思いますのでしばしの間我慢しましょう。
最後に
いかがでしたか?
世界で最も有名で格安航空会社の代名詞、ライアンエアー。格安航空券はスカイスキャナーから一括検索可能です。
ナショナルフラッグキャリアと比較するとかなり驚くことが多いのですが、それも激安航空券の賜物と開き直って使用してみてください。
ちなみに、ライアンエアーは定時運行率は比較的高く、安全に関してもまったく問題ないので、ただ単に移動手段として考えれば何ら心配ごとはありません。
実際の搭乗記についてはこちらの記事で紹介しています。
尚、上級会員制度がないLCCであってもプライオリティパスを使うことで空港ラウンジを利用することができるので、LCCを良く使う人は登録していくことをおすすめします。
長くなりがちな待ち時間を有効に使うことができるはずです。
サービスと時間をお金を払ってナショナルフラッグキャリアの航空券を買うか、サービスも時間もいらないから格安航空会社を選ぶか、あなたはどっち派ですか?
こんにちは。
スペインの国内線(例えばマラガ→バレンシア)でライアンエアーを利用する場合、EUのワクチンパスもしくはコロナ陰性証明は必要なのでしょうか?
不要です!
>尚、「Priority Boarding」をつけていないにもかかわらず、2つ目の手荷物を持っている場合には例外なくチェックイン荷物として収容する、もしくは搭乗を拒否すると公式発表がありました。
とありますが、プライオリティパスを持っていない場合は2つ目の大きい荷物は乗る前にタグをつけて預けると書いてあるようですが、どうなんでしょうか?
こんにちは。
イタリアからパリに行く際にVISACHECKをしたのですが、チケットもスタンプも貰わなかったのですが地域によるんでしょうか?
結構空港のローカルルールみたいなところが多いように思います。
イタリアからパリは本来シェンゲン圏内ビザ不要区間なので、そういう意味でも運用が適当になっているという可能性は高そうですね。
説明がうまくできてなくてすみません。
2つ荷物がある場合は、搭乗ゲートにてスクリーニングされ、大きい荷物の方にタグをつけられます。
その後搭乗時に、タグをつけられたカバンをタラップ横の荷物置き場のようなところに置くよう指示され、チェックイン荷物として機内下に収容されます。
ただし、その荷物がターンテーブルから出てくるか、降機時に同じくタラップ横に出されたタグ付き荷物を自分で回収するかは空港によって異なります。
プライオリティをつけていないにもかかわらず手荷物として2つ機内に持ち込もうとすると追加料金を請求されるか、搭乗を断られる可能性があります。
KIWI.comでライアンエアーを予約しました。その後、色々と調べたらKIWIはトラブルが多く詐欺会社だとの口コミが。また、ライアンエアーがKIWIの客搭乗を拒否するという記事も読みました。この件について何がご存知ではありませんか?
旅行会社から発券された予約確認書にライアンエアーの予約番号が書いてあるかと思います。
ライアンエアーが特定の旅行会社を拒否したりということはあり得ませんので、まずは予約確認番号を参照し、心配であればライアンエアの公式ページから予約を探してみてください。
4月にkiwi.comを利用してライアンエアーに搭乗しました。kiwiで予約した場合、予約者自身でライアンエアーのサイトにログインしてオンラインチェックインすることはできません(登録メールアドレスが異なるため)。搭乗の24時間前にオンラインチェックインが開始されるとkiwiがオンラインチェックインを代行し、メールで搭乗券が送られてくる(私の場合チェックイン開始時刻後5分以内に送られてきました)ので搭乗日前日まで待っていれば大丈夫かと思います。VISAチェックが必要なフライトの場合、「オンラインチェックイン不可のため空港でチェックインしてください」という題名のメールにバーコードなしの搭乗券が添付されているのでそれをチェックインカウンターで提示し、VISAチェックと搭乗券の印刷(無料)をすれば問題ないです。
ただし、オンラインチェックイン開始時刻前までにkiwi.com上でパスポート番号などの搭乗者情報を登録することを忘れないでください。それをしないとkiwi.comがオンラインチェックインできなくなります。