バルト海沿岸にあり、北欧と東欧のちょうど間に位置するエストニア。
そんなエストニアの首都タリンの旧市街は、街ごと世界遺産になっており石畳みが敷かれた中世の街並みが綺麗に残されていることで知られています。
フィンランドからも定期船が出ており日帰りや1泊旅行先としても大人気。
今回はそんなタリンを自分の足で時間をかけて実録取材してきたので、日本からはるばる訪れる旅行者の方に自信を持ってお勧めできる観光名所を25箇所紹介します。
1. ヴィル門
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エストニア旧市街への入り口として、現存する最大のゲートがヴィル門。
14世紀にタリンを外部からの攻撃に備えて作られた防御システムの一部で、ゲート脇にある2つのラウンドタワーが特徴的です。
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このヴィル門から続く道路は、後述するタリン旧市街中心部のラエコヤ広場へとつながる主要道路であり、レストランや民芸品店などが軒を連ねる大変賑やかな通りになっています。
名称(英語): Viru gate
名称(エストニア語): Viru Väravad
住所: Viru, 10140 Tallinn
2. セーターの壁
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ヴィル門から続く要塞壁の裏側を利用して、エストニア民芸品であるセーターやマフラーなどのニット製品の路面店が軒を連ねる通称セーターの壁。
ニット製品が量産品から手縫いの工芸品まで様々な形で販売されています。
値段交渉もできるので、興味がある商品があれば店員に声をかけてみてください。
名称(英語): Wall of sweaters
住所: Viru, 10140 Tallinn
3. ラエコヤ広場
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タリン旧市街の中心にありシンボル的な広場、ラエコヤ広場。旧市庁舎が建っていることから市庁舎広場とも呼ばれます。
周辺にはエストニア料理のレストランやカフェ、お土産屋が立ち並ぶタリンで最も観光客で賑わうエリア。フェスティバル、クリスマスマーケットなど街を挙げてのイベントもこの広場で行われます。
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伝統衣装を着た方がナッツを売っていたりと、古き良きエストニアの雰囲気を感じることができる観光名所です。
名称(英語): Town Hall Square
名称(エストニア語): Raekoja plats
住所: Raekoja plats 1, 10114 Tallinn
4. 伝統スープ屋 Draakon
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旧市庁舎の中には観光客に最も人気なエストニアの伝統的なスープ屋「III Draakon」があり、今では一つの人気観光スポットになっています。
まさに伝統衣装を着て中世のタリン商人になりきって高いテンションでスープやパンを販売。
おすすめはソーセージと牛スープ。大ぶりなピクルスは大樽から「あるもの」を使って自由に取るようになっていたりと料理だけではなく雰囲気や体験も楽しむことができます。
店名: III Draakon
住所: Raekoja plats 1, 10146 Tallinn
5. 聖ペテロ・パウロ大聖堂
1841年にネオゴシック・バシリカ様式で建築され、その後複数回の増改築を経て現在の姿になったローマ・カトリック教会の大聖堂と修道院。
観光客で大変賑わうタリン旧市街の中心部にひっそりと佇む可愛らしい外観の建物です。
名称(英語): St. Peter and Paul cathedral
名称(エストニア語): Püha Peetruse ja Pauluse katedraal
住所: Vene 18, 10123 Tallinn
6. 聖カタリーナ通り
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聖ペテロ・パウロ大聖堂の裏手にあり、周囲の雰囲気とは異なる雰囲気をかもし出している細い通りが聖カタリーナ通り。
一見知らないと見過ごしてしまうほどの通路ですが、中世には聖カタリーナ・ギルドの拠点として職人たちが工房や店を構えたエリアとして知られています。
現在も通路内にはこじんまりと伝統工芸品を取り扱ったお店が出店しているため、定番お土産とは少し違う雑貨や小物を探しながら歩いてみてはいかがでしょうか。
名称(英語): St. Catherine passage
名称(エストニア語): Katariina käik
住所: Vene 12, 15199 Tallinn
7. 台所を覗け
タリン旧市街にある要塞壁に沿ってあるKiek in de kök (キック・イン・デ・キョク)。Kiek in de kökはもともとハンザ同盟が栄えた時代に低地ドイツ語でつけられたあだ名で直訳すると「台所を覗け」という意味になります。
タリン旧市街防衛のために作られた監視塔の内部が現在は博物館となっており、要塞にちなんで中世から現代における防具や武器などが展示されています。
塔最上部まで登るには結構体力を使いますが、最上階はカフェになっているため360度石に囲まれた厳かな雰囲気の中で小休憩はいかがでしょうか。
名称(英語): Peek in the kitchen (Museum and Bastion Tunnels)
名称(ドイツ語): Kiek in de Kök
住所: Komandandi tee 2, 10130 Tallinn
8. 乙女の塔博物館
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乙女の塔は1370~1373年に建てられたタリン防衛システムの一角。現在内部は中近代の文化にまつわる博物館となっています。
ここのおすすめは城壁の見張り台に沿って営業されているカフェやレストランの利用。
その場合は博物館へ入場する必要はなく、カフェへと直接つながっている城壁内の恐ろしく急な階段を使ってアクセスすることができます。
天気のいい日には城壁の上から眺める絶景を楽しみながらコーヒーを楽しんでください。
名称(英語): Maiden Tower Museum
名称(エストニア語): Neitsitorni muuseumkohvik
住所: Lühike jalg 11, 10130 Tallinn
9. 自由広場/聖ヨハネ教会
タリン旧市街への入り口部分の1つである自由広場。黄色い外壁が特徴の聖ヨハネ教会と、20世紀初頭に起きたエストニア独立戦争を記念して建てられたモニュメントが目印です。
タリンでも最大級の広場で周囲にはショッピングセンターがあったりと週末はとても賑わうエリア。
また、広場の一角にある日本国大使館の前には桜の木が植えられており、春になると桜を一目見ようと地元の人も足を運んできます。
名称(英語): Freedom Square/St. John’s church
名称(エストニア語): Vabaduse väljak/Jaani kirik
住所: Vabaduse väljak 9, 10142 Tallinn
10. アレクサンドル・ネフスキー大聖堂
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トーンペアの丘にあり、エストニアの中で最も議論が分かれるロシア正教の大聖堂。
帝政ロシアによる支配を象徴するものとして、一部国民からは非常に強い抵抗感が持たれている一方、長い間タリン旧市街の象徴として、そしてロシア系信者の信仰の中心として大切にされています。
1990年にロシア・ルネサンス様式で建てられた大聖堂で、現在まで破壊されることなく維持されてきています。
内部の写真撮影は禁止となっていますが、観光客も自由に見学することができます。
名称(英語): Alexander Nevsky Cathedral
名称(エストニア語): Aleksander Nevski katedraal
住所: Lossi plats 10, 10130 Tallinn
11. トーンペア城
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海抜50mの断崖に沿って18世紀後半に建てられたピンクの建物がトーンペア城。もともとの起源は1229年にドイツ騎士団が建設した要塞となっています。
現在は国会議事堂として使用されており、内部を見学する場合には毎週金曜日の11時から行われるガイドツアーに参加する必要があります。
名称(英語): Toompea Castle
名称(エストニア語): Toompea loss
住所: Lossi plats 1a, 15165 Tallinn
12. 首相官邸
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エストニアの政府機関であり、トーンペア城のすぐちかくにある首相官邸。
日本では野党紛糾によって残念ながらほとんど報道されなかったようですが、安倍総理大臣が日本国首脳として初めてエストニアを訪問した際に、このバルコニーからエストニア総理とともに下に集まった群衆に手を振っていた姿を覚えている人がいるかもしれません。
もちろん内部は見学できませんが、外観は周囲から身を乗り出せば覗き込むことができます。
名称(英語): Stenbock House
名称(エストニア語): Stenbocki maja
住所: Rahukohtu 3, 10130 Tallinn,
13. 聖母マリア大聖堂
トーンペアの丘にありそびえ立つ尖塔が目印のローマ・カトリック教会。
1219年に建てられた木造教会を起源としており、長きに渡る修理、増改築を得て現在の姿になっています。
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観光客による教会内部の見学は有料、さらに数ユーロ別に払うと尖塔の上まで登ることができ、タリンの美しい景色を堪能することができます。
名称(英語): Cathedral of St, Mary the virgin
名称(エストニア語): Toomkirik
住所: Toom-Kooli 6, 10130 Tallinn
14. 聖ニコライ教会博物館
タリン旧市街にある最大級の教会。13世紀に建てられました。
第2次世界大戦中に旧ソ連軍の空爆で鐘塔を含む外内装の大部分が破壊されたものの、終戦後にエストニア国民の手で再建されました。
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しかし貴重なフレスコ画など一部は被害を免れることができたこともあり、現在教会内部では博物館としてその復興の様子や貴重な教会資産を見学することができます。
名称(英語): St. Nicholas’ Church and museum
名称(エストニア語): Niguliste kirik ja muuseum
住所: Niguliste 3, 10146 Tallinn
15. 長い足
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タリン旧市街の下町と上町であるトームペアをつなぐ石畳の坂、「長い足」と呼ばれている一本道があります。
地元の画家さんたちが渾身の作品を壁を使って展示販売しており、比較的リーズナブルな値段で販売しているためお土産にもおすすめです。
名称(英語): Long Boots
名称(エストニア語): Pikk Jalg
住所: Pikk Jalg, 10130 Tallinn
16. 聖オラフ教会
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タリン旧市街にある教会の中で最も尖塔が特徴的な聖オラフ教会。13世紀にまで起源は遡り、現在の教会は14世紀に再建されたものとなっています。
1944年から1991年までは旧ソ連の秘密警察KGBにより接収されており、当時はラジオ塔と監視塔として使用されていたんだとか。
高さ124mの尖塔には夏季限定で登ることができ、そこからはタリンの城下を見渡すことができます。
名称(英語): St Olaf’s church
名称(エストニア語): Oleviste kogudus
住所: Lai 50, 10133 Tallinn
17. 太っちょマーガレットの塔
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タリン旧市街への最北端に位置するゲートの一角で、ずんぐりと太い砲塔が特徴的です。
16世紀にタリン旧市街を海側からの侵攻に備えて作られた防衛システムの一端として知られ、その後現在にいたるまでその姿を保っています。
内部はエストニア海洋博物館として使われており、中世の帆船や第二次世界大戦中に使用された潜水艦などが公開されています。
名称(英語): Fat Margaret’s Tower
名称(エストニア語): Paks Margareeta
住所: Pikk 70, 10133 Tallinn
18. 旧市街西側城壁群
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太っちょマーガレットを起点に、タリン旧市街の西側を取り囲むようにして作られた要塞壁群も見応えがあります。
要塞壁の間には監視塔も設置されており、北側から順にGrusbeke-tagune tower、 Eppingi tower、Plate tower、Köismäe tower、Loewenschede Tower、Kuldjala tower、Sauna tower、Nunna towerと名前がつけられています。
観光客もほとんど歩かないエリアで大変静かな通りですが、タリン旧市街の「観光地化」していないリアルな姿を見ることができます。
名称: Loewenschede Towerと城壁群
住所: Kooli 7, 10133 Tallinn
19. タリン市立博物館
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タリンの民俗、伝統文化や歴史を知りたければまず最初に行くべき場所が市立博物館。
旧市街地の成り立ちはもちろん、中世の人々の暮らしや産業など、文化歴史的背景についてもっとも幅広く展示している博物館です。
観光シーズンには伝統衣装を着たスタッフの方によるガイドツアーも行われています。
名称(英語): Tallinn City Museum
名称(エストニア語): Tallinna Linnamuuseum
住所: Vene 17, 10123 Tallinn
20. 旧KGB収容所
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一見華やかに見えるタリン旧市街も、旧ソ連の統治時代には秘密警察KGBによる恐怖政治が行われていました。
そんな旧KGBが実質メインオフィス兼監獄として使用していた秘密収容所が、旧市街の静かなエリアに残されています。
一見収容所があるとは思えない普通の建物の地下にあり、そこには現在博物館として当時行われていた目を覆いたくなるような拷問や虐殺の様子が展示されています。
エストニア人の心に今も刻み込まれた旧ソ連時代の負の遺産を学ぶのもお忘れなく。
名称(英語): KGB Prison Cells
名称(エストニア語): KGB vangikongid
住所: Pagari 1, 10133 Tallinn
21. 占領博物館
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ヨーロッパとロシアに挟まれるように位置するエストニアの歴史は激動そのもの。
実際、エストニアが独立を回復したのは1991年と最近のことで、それまではナチスドイツや旧ソ連によって長い間戦火に巻き込まれ続けてきました。
そんなエストニアが占領されていた時代の記憶を未来に残すために設立されたのが占領博物館。
エストニア人による抵抗や、ナチスドイツ、旧ソ連による迫害、虐殺の歴史、戦時中に使用された武器や通信機器、拷問器具などが展示されています。
名称(英語): Occupational Museum
名称(エストニア語): Eesti okupatsioonide muuseum
住所: Toompea 8, 10142 Tallinn
*2018年夏リニューアルオープン
22. バルト駅前市場
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旧市街のすぐ近くにあるタリン中央駅の裏側にあり、観光客にはあまり知られていない大きな屋内市場。
新鮮な野菜やフルーツを売るお店はもちろん、エストニアの民芸品や衣料品などが旧市街と比べるとかなり安い市民価格で売られており、まとめ買いなどにもおすすめです。
また、レストランやカフェ、惣菜屋なども非常に多く入っており、ここだけで半日楽しめるほどのスポットになっています。
名称(エストニア語): Balti Jaama Turg
住所: Kopli 1, 10411 Tallinn
23.ピースコピ展望台
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トーンペアに3つあるビュースポットのうちの最初の1つ、ピースコピ展望台。
新市街側にある展望台なため、日中はやや景色が寂しいですが、夜間は強い明りを発するビルや港の夜景を楽しむことができます。
名称(英語): Piiskopi view point
名称(エストニア語): Piiskopi vaateplatvorm
住所: Toom-Kooli 21, 10130 Tallinn
24. パットクリ展望台
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タリン旧市街の絶景スポットとして3つの展望台の中で最も人気なパットクリ展望台。
タリンの絶景といえばここからの景色を想像する人も多い定番スポットです。
日中はオレンジ色の屋根が敷き詰められる下町の景色を、夜は柔らかみのある色の街路灯でライトアップされたシックな夜景を楽しむことができます。
名称(英語): Patkuli view point
名称(エストニア語): Patkuli vaateplatvorm
住所: Rahukohtu, 10130 Tallinn
25. コフトウッツァ展望台
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こちらもパットクリ展望台と合わせて旧市街を見下ろせるスポットとして大人気。
聖オラフ教会やその周囲に立ち並ぶ赤屋根の建物が一面絨毯のように眼下に広がります。
名称(英語): Kohtuotsa view point
名称(エストニア語): Kohtuotsa vaateplatvor
住所: Kohtu 12, 10130 Tallinn
最後に
いかがでしたか?
エストニア首都タリンの旧市街を中心に是非観光客の皆さんにオススメしたいスポットを自分の足で回って探し、今回は25ヶ所紹介しました。
エストニア旧市街は徒歩で一周しても30分程度で回れる広さではありますが、その狭い中に非常に多くの見どころが凝集しており、短期間で密度濃い旅行をするのにおすすめ。
今回紹介した中には旧市街の外のものも含まれていますが、いずれも徒歩圏内ですので、是非興味があれば訪れてみてください。
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タリンをベースにしたエストニア観光にオススメなホテルなのがリジャ オールドタウンホテル。タリン旧市街のメインゲートの1つである「太っちょマーガレット」の近くにあるため観光に大変便利です。
またタリン中央駅やメインバスターミナル、トラム駅などにも近く空港からのアクセスも良好。
旧市街は石畳が敷かれているためスーツケースなど大きな荷物を持って移動をするのが大変ですが、こちらのホテルを利用すれば労力を最小限にすることができます。
部屋はシングルから家族づれに対応する部屋までバラエティに富み、また朝食サービスもあるためお得。
価格帯も旧市街の中心部にある他ホテルと比較するとお手頃なためコストパフォーマンスの高いホテルとしておすすめです。
詳細・空室詳細
エクスペディア: リジャオールドタウンホテル(旧メリオンホテル)
Hotel.com: リジャオールドタウンホテル(旧メリオンホテル)
筆者による実際の宿泊レビューはこちら
初めまして 来月 エストニア他に自由旅行で行く者です
ホテル予約した後に 貴方様のこちらをみつけ せっかくのお勧めの宿を利用できなくてとても残念です!
facebookも拝見しておりますのでいろいろ参考にさせていただきます ありがとうございます
コメントありがとうございます。比較的雨も少ない時期なので色々観光回ってみてください。タリンはもちろんそこから鉄道を使えば近郊にも出かけられるのでいろんな魅力を発見してくださいね!
10月は結構寒くなって来ているので暖かい格好の準備をお忘れなく!