北欧バルト海沿岸に位置する3つの国、エストニア、ラトビア、リトアニア。
歴史的・文化的に近いこれらの国はバルト3国と言われ、観光で訪れる際も周遊する形でそれぞれの国に短期滞在をしながら移動するのが一般的なスタイルとなっています。
今回はこのバルト3国を周遊するにあたり「どこの街に滞在していいのかわからない」そんな人に向け、絶対に欠かすことのできない都市を主要な観光名所を挙げながら、実際に筆者が目で見た視点から紹介していきます。
1. エストニア
バルト3国の最も北側に位置しているエストニア。フィンランドの首都ヘルシンキから高速船が出ていることもあり、バルト3国周遊はもちろん日帰り旅行者なども多くいる国です。
1991年ソ連崩壊に伴い独立を回復し、現在ではEU加盟国。世界でも有数のIT大国としての地位を確立しました。
エストニアにある世界遺産は2つ、タリンとタルトゥに一つづつあります(以下で紹介)。
タリン
エストニアの首都であり、経済や行政の中心であるタリン。そのタリンにはヨーロッパでも有数の保存状態のいい旧市街が残されており、ユネスコ世界文化遺産に指定されています。
とても可愛らしいカラフルな家屋やオレンジ屋根の建物が広がる景色は「おとぎの国」とも言われ、特に日本人女性に大人気。
事実治安も非常に安定しており、女子一人旅をしている人を多くみかける街でもあります。
また旧市街には数多くの雑貨店やハンドクラフト店が多くあり、ぶらぶらと歩くだけでも楽しい街です。
タルトゥ
エストニア南東部に位置するタルトゥは、エストニアの文化、学問の中心と呼ばれる都市。エストニア2つ目の世界遺産もこの街にあります。
1632年に創設されたタルトゥ大学はエストニアの最高学府であり、世界文化遺産にも登録された シュトルーヴェの測地弧の構築者であるフリードリッヒ・フォン・シュトルーベを輩出するなど世界的に認められた名門大学です。
そんなタルトゥにはエストニア最大の国立博物館をはじめとする数多くの博物館や美術館があり、エストニアの文化や歴史を深くから学ぶことができる都市となっています。
2. ラトビア
バルト3国の中心に位置するラトビア。3国の中ではソ連からの独立運動が最も早く始まった国であり、現在は他バルト海沿岸国同様EU加盟国となっています。
歴史的にもドイツ騎士団からから始まり、ポーランド・リトアニア共和国、スウェーデン帝国、ロシア帝国やソ連、ナチスドイツなど様々国々に占領や統治を受けた国であり、首都リガではそれらの影響を少しずつ垣間見ることができます。
バルト3国の中では唯一国営のフラッグキャリア Air Balticを有することから、空路でバルト3国を訪れる人の玄関口になることが多いラトビア。
またスウェーデンの首都ストックホルムからもフェリーが出るなど多様なアクセス方法があります。
リガ
バルト3国の都市の中では最大の都市リガ。旧市街はハンザ同盟時代に栄えた古都であり、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。
バルト海の真珠ともしばしば言われる美しい街並みは世界中の人々を惹きつけ、特にアール・ヌーヴォー様式の建物群はヨーロッパでも最大級とされています。
また、世界遺産構成要素の一つでもあるリガ中央市場はヨーロッパでも最大級の市場として知られ、市民の生活の垣間が観れると観光客にも人気となっています。
3. リトアニア
バルト3国の中で最も南方に位置し、最大の面積と人口をもつリトアニア。他国同様現在はEU加盟国です。
他のバルト海沿岸国同様複雑な歴史を歩んできましたが、特に第二次世界大戦以降大きな犠牲を受けた国の一つ。特にナチスドイツによるホロコーストでは、国内のユダヤ人虐殺率95%以上とも言われています。
その影響もありバルト3国の中ではまだ経済的にも厳しい面もありますが、一方で近年では高い経済成長により貧困からの脱却へと向かっている国として知られています。
ヴィリニュス
中東欧の中で最も大きな旧市街が残るリトアニアの首都ヴィリニュス。その旧市街はユネスコ世界文化遺産にも指定されています。13世紀リトアニア大公国時代以降発展した街並みは、可愛らしいタリンやリガの街並みとは異なり、壮厳。
また、歴史的にドイツ騎士団やハンザ同盟の影響を受けていないこともあり、建築はもちろん見られる宗教などにも違いが数多く見られます。
そんなヴィリニュスにはとにかく観光の見所がたくさん。歴史を知る上で欠かせないKGBジェノサイド博物館はもちろん、数十という教会はどれも見応え抜群。短期から長期まで飽きることなく楽しめる街となっています。
カウナス
カウナスはリトアニア第2の都市であり、日本人にとっては特別な場所。
第2次世界大戦中にナチスドイツによる迫害から逃れるためにこの地にあつまったユダヤ人に対して人道的観点から「命のビザ」を発行し日本へと避難させた外交官杉原千畝が駐在していた街として知られています。
カウナスにはそんな杉原千畝にまつわる場所や日本ーリトアニア友好のシンボルなどがたくさん。
リトアニアを訪れる全ての日本人に足を運んでほしい街です。
シャウレイ
リトアニア第4位の都市シャウレイ。
シャウレイの中心部にはさほど観光名所と呼べるほどのものはありませんが、郊外にはユネスコ世界無形文化遺産に指定されている「十字架の丘」があります。
旧ソ連への圧政に対する抵抗として築いては何度となく撤去、破壊されるということが繰り返された十字架の丘。リトアニア人の抵抗のシンボルであり、独立や自由の象徴として考えられています。
シャウレイの街から路線バスにていくことができるので、シャウレイをその拠点にする観光客が多くいます。
最後に
いかがでしたか?バルト3国の魅力をたっぷりと6都市にわたって紹介しました。
いずれの街も比較的本数が多く観光客でも使いやすい長距離バスでつながれているため、経由しながらの周遊がとてもしやすいのが嬉しいポイント。
特にバルト3国それぞれの首都には世界文化遺産登録されている旧市街があり、国によってみせる表情が違うため是非3カ国全てをまわってほしいと思います。
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