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旅行者注意!スコットランドの摩訶不思議な通貨・紙幣事情

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スコットランドに旅行をされる際に、通貨のことを心配される方も多いとおもいます。

スコットランドは英国を構成する1地域ですが、独自で造幣もしており、しかもその造幣機関がなかなか独特なせいで、世界的にみてもややこしいことが起こっています。

今回はそんなスコットランドのお金についての紹介をします。旅行者の皆さんは気をつけてくださいね!

1. 流通通貨

スコットランドの公式通貨はイングランドと同様、ポンド(GBP)です。ですので、イギリスに旅行の際にはイングランドの通貨がもちろんスコットランドで使用できます。

おそらく日本でポンドへ両替をする際には、どこの銀行もBank of England発行(日本でいう日銀に相当)のポンド紙幣が渡されるはずです。

ですが、スコットランドはイングランドで発行されている紙幣以外に、スコットランドでも独自に造幣しており、それがかなり我々からすると信じられないような複雑なことになっていたりします。

2. スコットランドの造幣は誰が?

スコットランドの紙幣のややこしさを生んでいる理由が、スコットランドの造幣の仕組みです。

そもそも、1国1通貨の原則を考えれば、政府公認の1つの銀行(中央銀行)が流通通貨を全て造幣するのが世界の常識。日本であれば日本銀行しか造幣は認められていません。

英国も、Bank of Englandが唯一の中央銀行で造幣の責任を持つ銀行という姿勢を持っています。

エディンバラの通過

ですが、Bank of 「England」がオフィシャルとされて納得のいかないのがスコットランド。歴史的にもイングランドと対立を繰り返してきた地域で、最近では独立のための国民投票が話題になったりしました。

ここに連合王国の難しさがあります。いくら1つの国という扱いであっても、スコットランドのアイデンティティからすると、中央政府をイングランドに握られ、ロンドンのウェストミンチェスターで自分たちのことが決められることには黙ってはいられません(ちなみにウェールズはイングランドのポンドを公式で使用しているそうです)。

さらに、イングランドに併合される前から、スコットランドは独自に銀行を持ち造幣をしてきているわけです。

というわけでイングランドに何を言われようとスコットランドの銀行も造幣をやめるわけがないんですが、なんと造幣をしている銀行が3つもあるのです。

しかもこの3つ、現在はいずれも中央銀行ではなく市中銀行(日本でいうUFJ、みずほ、三井住友)というからまた驚きです。

Bank of Scotland

日本語ではスコットランド銀行といいます。

ヨーロッパで初めて兌換(だかん)紙幣の発行に成功した銀行で、スコットランドがイングランドに併合されたのちも引き続き紙幣発行権が認められている歴史のある銀行です。

Clydesdale Bank

こちらはクライズデール銀行。首都グラスゴーに拠点を置く市中銀行です。

The Royal Bank of Scotland

王立スコットランド銀行、英国の商業銀行としては最大の規模を誇ります。

他の2行と比較すると使用する紙の質などが遅れているような、、、

3. 流通紙幣

スコットランド紙幣

そんなわけでスコットランドで主に流通している紙幣は、各額面ともスコットランド国内で発行の3種類+イングランドで発行されている紙幣の合わせて4種類もあります。

同じ通貨、同じ額面なのに、色も紙の種類も違う紙幣が混在し、ややこしいったらもう。自販機がほとんど存在しない理由もなんとなくわかります。

ちなみに、その他北アイルランドで使用されているBank of Ireland発行のポンド紙幣もたまーーーーに混ざってることがあるとか。ここまでくるともはやわけがわかりません。

ちなみに、法定通貨はBank of England発行の紙幣のみ、それ以外の紙幣については英国連邦内限定で使用を認められた通貨という扱いです。

そのため英国外では両替をすることができず、紙くずと同然となってしまいます。

4. 硬貨

イギリスの硬貨はどれも基本デザインは同じなため、その色や形をみれば一目で金額がわかるようになっています。

実は製造時期や製造地域によって、絵柄などのデザインに差がありますが、規格は原則は同じですので特に困ることはないはずです。

5. スコットランド紙幣はイングランドで有効?

イングランドでもスコットランド紙幣は有効とされており、中央政府も流通紙幣として認めています。

そのため、イングランドでスコットランドの紙幣を使用することには全く問題ないというのが公式見解。

しかしながらそこに落とし穴があります。

同じ額面なのに異なる3種類のデザインがある上に、イングランドの人(特にロンドン等北部)にとっては全く見慣れていない紙幣。

また、種類が多いことから偽造が作られやすいといった事情もあるようで、店頭で使用する場合には偽札かどうかの確認をかなり高頻度でされます。

そのため、ほとんどの個人経営のお店やレストランでは確認対応ができないため受け取ってくれません。そもそも英国で使える紙幣として認識をしておらず、こんなの見たことないと言い出す人もたくさん。

また、マクドナルドなど大手チェーン店であっても、アルバイトスタッフではほとんど対応ができないため、上司を呼んだり、偽札でないかのチェックに時間がかかったりと使用上とても不便なのが実情。

ちなみに私が以前ロンドンの美容院で使おうとした際に、店主に「スコットランドが独立したら使えなくなるから」という、意味のわからない理由で拒否されました。

というわけで、もしスコットランド紙幣をもっていてイングランド方面を観光する予定がある方は、なるべく事前にBank of England発行のものに交換してもらうか、イングランドにある市中銀行に出向き両替をしてもらいましょう。

ちなみに硬貨に関しては流通しているものは全て同一規格ですので心配する必要はありません。

6. スコットランド紙幣紙幣は日本で有効?

結論から言うと、法定通貨ではないためスコットランド紙幣は日本では両替が出来ません。

ですので、スコットランドの紙幣を余らせてしまった場合には、イギリス国内で日本円に換えるか、イングランド紙幣へと交換をしておいてください。

イギリス国内では有効な通貨ですが、イギリス国外へ出るとただの紙くずと同じ扱いです。

7. 最後に

いかがでしたか?

ややこしいスコットランドの通貨事情を紹介しました。このような1つの独立国にもかかわらず歴史的な流れから地域によってそれぞれ通貨発行銀行がある国は他に類を見ません。

どうやって英国国内での流通量をコントロールしているのか気になるところです。

デザインの違いだけでなく、歴史的にも面白い背景のある紙幣ですので、お土産にそれぞれ1種類ずつ持ち帰るなんていうのもいいかもしれませんね!

2件のコメント

まさにこれから、エジンバラに出発します。電車待っています。£も少なくなってスコットランドのお金事情参考になりました。

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ノルウェー、スウェーデン、イギリスに留学・長期滞在。都合がつく限りヨーロッパ各地を渡り歩き、決して観光ガイドだけではわからない現地の情報を収集。そんな情報を元に、ヨーロッパの生の観光情報と留学に必要なIELTS対策を紹介中。