「これ以上オランダらしい風景が他にあるだろうか」と、オランダ人をも言わしめるのが、世界遺産にも登録されている風車の町キンデルダイク。
運河沿いに合計で19基もの風車が並ぶ風景は、まさに絵本の中のよう。
アムステルダムからは列車とバスを乗り継いで約2時間と少し離れてはいますが、時間があれば足を延ばす価値は十分にあり。
今回はそんなキンデルダイク散策の様子を紹介します。
1. キンデルダイクへの行き方

アムステルダムからキンデルダイクへ行く場合には、列車とバスを乗り継いでユトレヒト経由で2時間程度かかります。
詳しいアクセス方法はこちらの記事で紹介しているので合わせて参考にしてください。
2. 19基並ぶ圧巻の風車村

オランダ国内最大の風車の町キンデルダイクは、ロッテルダムの南東に位置します。
運河沿いに19基の風車が並びぶ古き良きオランダの時代を今に残すこの街は、1997年にはユネスコの世界遺産にも登録されました。
オランダといば風車をイメージする人も多いかと思いますが、穏やかな水辺に悠然と立ち並ぶ風車の光景は「これぞオランダ」と呼ぶべきもの。どこから撮っても、フォトジェニックです。
しかしご覧のとおり、敷地が広い。一番奥の風車をまで見て回ろうとすると、ゆうに1時間以上かかりそう。
敷地内でレンタサイクルを借りることができるので、「ここまで来たからにはすべての風車を見て回るんだ!」という方には自転車で回ることをお勧めします。また、ボートツアーもあるので、水辺を巡るのも良いかもしれません。
まるで絵本かポストカードのようなのどかな風景ですが、当然、このあたりに住んでいる方々もいらっしゃるんですよね。
穏やかな運河にエンジン音が響き渡り、地元の青年たちがボートレース(遊んでただけ?)を繰り広げる一場面も見ることができました。やはり自由です、オランダ。
3. 迫力満点の風車

風車は遠くから眺めるだけでなく、間近に寄ったり内に入って見学することができます。
遠くから見ると平和でゆったり見える風車ですが、寄って見ると意外な迫力です。
ぐおん、ぐおんと大きな音を立てて風を切り裂くように動く風車は、風力の偉大さ(というか威力)を感じさせてくれます。
よく見ると、風車の中央には「1738」という年が書かれています。そう、このキンデルダイクの19基の風車は、はるか昔18世紀ごろに治水体系の一部として建設されたのです。
国土の約 1/4が海面よりも低いと言われるオランダで、当時から排水システムが重要な課題だったことは想像に難くありません。
数百年も前に建てられた19基もの風車たちが、当時から土地が水に沈まないよう、日々の排水システムを担っていたと思うと感慨深いものがあります。
4. 生活感のある風車内

お恥ずかしながら私は、風車が当時、風車という役割だけではなく住居空間でもあったということを知りませんでした。
風車の中に入ると、キッチンやリビングルーム、ベッドルームなど当時の生活の様子を垣間見ることができます。食器棚には食器類が並べられ、釣り道具やスキー用のブーツが所狭しと壁に掛けられていました。
また水車は、排水機能だけではなく生活を支えるさまざまな役割を果たしていたようです。 家の中にあるむき出しの歯車は風力によって動いており、小麦を挽くための粉挽きとして使われたり、脱穀や菜種油搾り、木挽き、プレス機など幅広い用途に利用されていたのだとか。
家族のライフラインを、風車が提供していたのですね……新たな発見が次々に見つかります。

窓辺には、こんなレトロで小さなミシンが置かれていたりして、内装が普通に可愛い!
それにしても、大柄なオランダ人がどうやってこんなコンパクトな住居に住んでいたの?!というのが気になりましたが、どうやらかつては、オランダ人ももう少し小柄だったようですね。
5. 最後に
キンデルダイクには、かつては1,000基もの風車があったと言われています。
現存しているのは19基。これらはすでに観光用として使用されていますが、この地を訪れることで美しい景観を楽しむだけにとどまらず「低地の国オランダ」の葛藤の歴史を感じることができます。
また、キンデルダイクからバスで1時間半ほど場所にはミッフィーの故郷ユトレヒトがあります。キンデルダイク観光合わせて、旅行プランの中に入れてみるのもお勧めです。
本ブログにもユトレヒト観光についての記事もありますのでこちらも合わせてご一読ください。
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