日本を発ち初めてのヨーロッパ旅行を計画。全く違う文化、新しい景色、もしかしたら運命的な出会いが、なんていう期待を隠すことができずに浮かれてしまうのは無理もありません。
ヨーロッパには東西南北どこの国にもそれぞれ異なった魅力があり、安全に旅行ができれば楽しい思い出がたくさんできること間違いなし。
そんなヨーロッパ旅行を成功させるために、欧州に滞在し欧州30カ国以上を周った筆者が思う初心者向け注意点を10項目紹介していきます。
1. 治安
まず何より念頭に入れておく必要があるのが治安。
ヨーロッパは日本とは違い、路地1本、道角1つ違うだけで雰囲気がガラっとかわることが多々あります。
一般的に言われるのは中央駅など大きな駅周辺(特にフランス、イタリア、ベルギー、スペイン)や観光客が密集する観光地。スリやひったくり、場合によっては強盗なども発生しています。
また、近年では大都市近郊に「移民街」と呼ばれるようなアラブ系、インド・パキスタン系などの住人が密集しているエリアもあり、そういう場所も観光客が近づくには危ないエリアとされています。
パスポートや現金などの管理には十分に注意し、特に治安の心配がある場所に行く場合にはなるべく観光客であることを悟られないような対応が必要です。
また日本人は腹巻やネックストラップを使って服の下に貴重品を隠しているというのは、こちらのスリ集団にはよく周知されていること、とされているためそのようなものを使用しても油断はできません。
2. ジプシー(ロマ)
ルーマニアを起源とし、自分たちの生活習慣を固持しながら特定の住居や仕事を持たない移動民族といわれるジプシー(ロマ)。
浅黒い肌に女性はスカーフなどを巻いており、ヨーロッパの主要都市に行けば必ずといっていいほど見かけることになります。
彼らがみんな犯罪に手を染めているとはいいませんが、現実問題として日本人観光客が多く訪れるような大都市にいるジプシーの中には相当数犯罪行為を行う人がいます。
とくに子供や10代〜20代の女性のグループには要注意。パリではバス停などに身を潜め団体観光客がくると後ろにぴったりとついていたり、観光客にアンケートなどを装って話かけその隙に貴重品を奪っていくのが常套手段です。
また、駅の券売機などで親切を装ったり、強引に機械を操作しお礼にお金をよこせを言い張ってくるものも多くいます(特にイタリア・フランス)。
相手が子供であっても油断せず、常にそのようなグループが近くにいないかアンテナを張っておくことが必要です。
3. クレジットカードとキャッシュレスへの対応
北欧や西欧などは急速にキャッシュレス化が進められており、現金の使用ができないというショップや公共交通機関が増えてきています。
特に北欧諸国ではが現金を一切持っていなくても全く問題なく生活が可能で、100円単位の少額決済でもカードを利用するのが一般的になっています。
両替手数料や安全面を考えても多額の現金を持ち歩くのではなく、クレジットカードを使用することをお勧めします。
ただしクレジットカードでもICチップが組み込まれたものしか使用できない場合や、サインでの決済を受け付けていないという場所もあるので注意してください。
4. 物価
かつて物価が高いと言われてきた日本ですが、現在のヨーロッパ先進国の物価は日本よりもはるかに高くなっています。
特に北欧・西欧の場合外食費は簡単に食べるだけでも2−3000円、ビール1杯だけで1000円を超えるということも珍しくありません。
物価が比較的安い南欧の方でさえも観光で行く場合には高く感じますし、まだ貧しい国の多い東欧諸国も急速な観光需要の増加によりリゾート地を中心に物価が急上昇しています。
ヨーロッパを旅行する際には現地滞在費に余裕を持った予算設定をしていくことをおすすめします。
5. チップ
ヨーロッパはアメリカと違い、原則としてチップ文化はありませんが国によってチップがいるサービスといらないサービスがあり渡航前にチェックしておく必要があります。
一般的にホテル宿泊時にベッドメイキングのサービス費として枕銭を残したりする必要はありません。
また、レストランなどでは最初からサービス料がチャージされている場合があるので、そういう場合チップを追加する必要はありませんが、別途チップを求められた場合には端数を切り上げてカードで払うというのがスマートです(アメリカのようにテーブルに現金を残すということはしません)。
クレジットカードで決済する場合には、料金が入力された端末を渡され暗証番号を入力するだけの場合と、提示された料金を元に自分で料金を端末に打ち込んで暗証番号を入れる場合の2パターンがあります。
後者の場合、チップを払いたいと思う際には自分でサービス料を上乗せて支払い希望額を端末に入力しますが、ランチの場合やカジュアルなお店では上乗せで払う必要はないでしょう。
6. 値引き
たまに旅行者で見かけるのが値引き交渉。
東南アジアなどではよく見かける光景ですが、基本的にヨーロッパでは値引き交渉はNG。また市場など特殊な場所を除き値引きを受け付けてくれることもないと考えてください。
値引きをせまると嫌がられる可能性が非常に高いので節度を持った行動を。
7. 公共交通機関
観光客にとって一つの高いハードルが現地の公共交通機関を使うこと。
ですがタクシーを使う場合と比較して非常に安く利用でき、また徒歩では行けない様々な場所に足を伸ばせるので是非活用したいところです。
公共交通機関は地方自治体や第3セクターが運営していることが多く、国ごとに違うのはもちろん、街が違うとルールも変わってきます。
運賃の支払い方法や乗車券の有効期限など様々ですので、利用前にはインターネットや観光案内所などでよく調べてみてください。
日本のような事前改札がない場合や、バス・トラムのように前後のドアいずれからも乗降できるものも多くありますが、適切な利用方法を行わないと無賃乗車とみなされる可能性もあるので十分注意してください。
8. 週末の観光
日本では週末は家族や友人で出かけたりしますが、ヨーロッパでは週末は家族とゆっくり休む日。
特に日曜日はその傾向が顕著で、日曜になるとスーパーが空いてないだけではなく、観光地のお土産屋でさえクローズ、人出がまったくないなんていうことが多々あります。
日曜日の営業については国によってかなり大きな差がありますが、日曜日に観光予定の場合には目的のお店が営業しているかなど事前チェックしていくことをお勧めします。
また、クリスマス当日やイースター休暇などは公共交通機関さえ運行していないという場合もあります。十分に注意してください。
9. お酒の購入・飲酒
日本と比較してヨーロッパでは一般的にアルコール規制が強く、また飲酒についても様々な制限があります。
北欧諸国では、ビール以上のアルコール類(ワイン、ウイスキーなど)は国営の管理酒場でのみ購入が可能で営業時間が厳しく制限されていたり、スーパーで普段は購入可能なビールであっても夜間販売は禁止されています。
また、バーやパブといったお酒を飲む場であっても泥酔は厳禁。大声を出したり睡眠したりするとお店から追放されたり販売を断られるということもあります。
日本と違い多くの国では公共の場や屋外での飲酒も厳しく取り締まられているので、天気がいい日に公園で一杯、なんていうのを考えている場合には地元の人に可能かどうか確認をすることをおすすめします。
10. 現地語での対応
多くの日本人にとって海外旅行最大のハードルともいっていいのが英語力。
たとえ日本人団体ツアーでの渡欧であっても、やはり最低限人間としてのコミュニケーションは取りたいところ。
最低限度の現地語は是非覚えていってください。
英語でいうところのHelloやGood morningなどの挨拶やThank youといった定番のお礼の単語はしっかりといつでも口に出せるようにし、そしてはっきりと相手に伝えてあげてください。
それだけでも随分と相手の気持ちが変わるものです。
最後に
今回はヨーロッパ旅行初心者向けに10の注意点を紹介しました。
ヨーロッパといっても非常に広く国ごとにそれぞれ全く異なる文化が根付いているため、すべてまとめるというのも難しいのですが、それでも一般的に当てはまる項目に絞って挙げています。
是非安全で楽しいヨーロッパ旅行をするためにも、注意点を頭に入れた上で渡欧してみてください。
みなさんにたくさんの思い出が得られますように。
ご回答ありがとうございます。サラエボには行ったことがありますが、正直言ってボスニアヘルツェゴヴィナには、興味がありませんでした。 とはいえ、このモスタルの写真を見て考え直しました。まずは、Shunさんのサイトの関連記事を読破して、来年の旅計画に組み入れたいと思います。できれば観光ブームの前に行きたいと思います。また質問させていただきますのでよろしくお願いします。
実はボスニアヘルツェゴヴィナなど東欧記事が全然追いついてなくてかけてないんですが徐々に増やしていくので読破していただいたあともたまに覗きに来てください!笑
巻頭の写真とても綺麗です。撮影ロケーションを教えてください。(東欧? 排水管が建物から川に設置されているみたいです)比較的旅慣れている私ですが、ここに挙げられている10カ条は、非常に大切なことと思います。旅を楽しむ基本は安全の確保だと実感しています。
コメントありがとうございます。
写真はボスニアヘルツェゴヴィナのモスタルという町で撮影したものです。
やはり旅の上では何より安全が第一ですし、安全なしでは楽しい旅行はできないものです。