世界で猛威をふるい、未だ治る気配のないコロナウイルスによる感染症。ヨーロッパでも多くの感染者を出し、今も局地的にエピデミックが続いているような状況です。
一方、ヨーロッパ域内だけでも経済を正常化しようという動きはEUが主導する「Reopen」プロジェクトで進められており、現在では条件を満たせば旅行目的を含む自由な移動を再開させるなど前向きな動きも多くみられます。
そんな経済正常化を目指す欧州の根底を支えるのがEU Digital COVID Certificate(EDCC)、通称ワクチンパスポート。
今回はそんなワクチンパスポートのヨーロッパでの活用例を紹介します。
1. EUデジタルCOVIDサーティフィケート(EDCC)とは
ヨーロッパ域内での移動を正常化し、感染を抑えながら国境を再び開放することを目的に開発されたのがEUデジタルCOVIDサーティフィケート(通称ワクチンパスポート)。
これは原則EU/EEA圏の住人向けに各国が相互利用可能な形で発行しているもので、接種したワクチン情報に加えCOVID罹患歴、直近の検査結果等が登録されたQRコードが埋め込まれています。
ワクチンを打っていても感染するという厄介なウイルスではあるものの、重症化するリスクを減らすことができるため、ワクチンを打っているということがウィズコロナ時代の社会正常化に不可欠という考えに基づいています。
このEUデジタルCOVIDサーティフィケートを日本在住の旅行者が手に入れることは現状できませんが、今後日本政府の発行するワクチンパスポートとの相互利用が始まると、ヨーロッパ在住の人と同じく様々なコロナ規制の例外適応を受けることができるようになると考えられます。
2. EU/EEA越境時の利用
現在ヨーロッパの大部分の国では、一部地域からを除いて国境は開いています。そのため、有効なビザや滞在許可を持っている人はもちろん、観光客も条件を満たせば入国することができるようになっています。
一方、原則として入国前の陰性証明の取得や入国後の隔離などは義務付けられており、以前のように短期旅行などはしづらくなってしまいました。
この厳しい検疫措置を例外的に免除するために必要なのがEUデジタルCOVIDサーティフィケート。規定のワクチン接種などを条件に、事前検査や隔離などの検疫義務を課されることなく越境することができます。
現在、EUではワクチンの有効期限を9ヶ月と定めたため、今後は定期的な接種が国境を超えた移動の自由化に不可欠になるのかもしれません。
日本が発行するワクチンパスポートとEUのワクチンパスポートの相互利用などは今後検討されているため、今後は日本のワクチンパスポートをもっても検疫義務の免除を受けられるようになる可能性があります。
3. 国内における感染予防措置での導入
ヨーロッパ一部の国では屋内の公共施設やレストランなどに入店する際にワクチンパスポートの提示が必要な国があります。
これにより施設内にいる人の感染リスクを下げ、エピデミック発生を抑制することに貢献することが期待されています。
2021年12月現在、ベルギーでは室内のレストランやホテルに加え、クリスマスマーケットなど屋外イベントに参加する際もワクチンパスポートもしくは48時間以内に取得した陰性証明が必要となっています。
毎日検査を受け続けるというのは現実的ではないため、実質的にはワクチンを接種しないと日常生活も大きく制限されてしまう結果となっています。
4. 最後に
ウィズコロナに舵を切ったヨーロッパ諸国を今後旅行する際には当面必須であろうワクチンパスポート。
国境での入国審査時にパスポートに加えワクチンパスポートを確認するというのが当たり前になった今、今後日本から旅行等で短期滞在する際には欠かすことのできないものになるといえます。
喜ばしいことに日本でも2021年12月にワクチンパスポートアプリが発表され、QRコードからワクチン情報を読み込むことができることになったため、海外でも利用可能となる日はそう遠くないように思われます。
コロナ感染症がなかなか治る気配が無い今、定期的なワクチン接種とワクチンパスポートの更新、これが海外旅行をする上では欠かせなくなりそうです。
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