スウェーデンを始め北欧諸国で進むキャッシュレスの流れ。
こちらでスウェーデンやデンマークのキャッシュレス社会を紹介したところ、様々なメディアで記事を取り上げていただき大反響をいただきました。
このキャッシュレス社会に関連して、少し日本では考えられないような事件が発生しました。今回はそんな笑い話のような強盗事件を紹介します。
1. 強盗に入った銀行は一文無し
まずはこの記事のスクリーンショットをごらんください。
記事のタイトルは「男がキャッシュレスの銀行に強盗を試みた」というもの。
なんとも間抜けな話なのですが、実際にスウェーデンのストックホルムで発生した事件です。
ストックホルム警察の発表では、2013年のある月曜日の朝、目撃者の証言や通報、監視カメラの映像からストックホルム市内中心部で銀行強盗が発生したとのこと。
その犯人像は目撃者によると
A single culprit, male, entered the bank with a gun-like object and threatened the staff
「銃のようなものを持った男一人が銀行に押し入り、銀行員を脅していた。」
と、いわいる海外の事件でよくある典型例です。もちろん銀行員はショックを受けていたとのことですが、身体的な被害はなく、そして金銭的な被害もなかったようです。そして、徒歩でそのまま逃走したと書いて有ります。
ではなぜ銀行強盗に入ってまで、何も奪わずに逃げたのでしょうか?
A bank robber in the making on Monday morning tried to force bank personnel in central Stockholm to hand him money, before having to leave empty-handed because the office did not deal with cash.
The local.se
つまり、銀行強盗に入った銀行は、現金を扱っていなかったのです。日本では銀行が現金を扱っていないなんていうことは考えられないのですが、スウェーデンをはじめ北欧諸国では急速にキャッシュレス化が進み電子決済がメインになってきています。
そのため、銀行強盗は手ぶらで逃走せざるを得なかったわけです。
激減するスウェーデンの銀行強盗
スウェーデンでは1975年に統計を開始して以来年々銀行強盗の件数が減り、毎年その件数の最低記録を更新しています。その理由はスウェーデン6大銀行のうち5銀行が現金での運用をしなくなったということ。
つまり銀行から現金が消えたのです。そして路上で強盗もそれに合わせて減少してきています。
この理由は、路上を歩いている人でさえ現金を持っていないため。現在スウェーデンの97%の消費はクレジットカードやデビットカードを含む電子決済と言われており、国民の97%がデビットカードを保有しています。
そして7歳以上の子供も皆デビットカードを保有することができるようになっています。よって現金を使うという習慣はほぼないので、財布を奪ったところで使える現金がないのです。
最後に
キャッシュレス化が進む北欧ではこのような強盗事件の件数は減少傾向にあります。しかしながら、スウェーデンは比較的治安がいいとされていますが、それでも日本等と比べると犯罪率は高いです。
About 1 percent of the population of Sweden are victims of robbery every year, as shown by various crime victim surveys.
1%のスウェーデン国民が毎年強盗被害に遭っているという報告も依然として出てきていますので、観光で訪れる際には身の回りには気をつけなければいけませんね。
キャッシュレス化が進んでいるスウェーデンらしい犯罪の記事を見つけたのでご紹介させていただきました。
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