【2016年の悲劇】スウェーデン留学のための学生ビザの審査待ち期間

留学を考えている人が、入学許可証を受け取った後に急いで行わないといけないことの1つに学生ビザ Student visaの申請があると思います。

スウェーデンの場合はこのビザのことを「Resident permit」と呼んでおり、日本語で言えば居住許可に当たります。よって留学生は、「就学のための居住許可」を申請する必要があります。

私が申請する際、どのくらいの期間がかかるのか色々な人から聞いた話しやブログにある情報を参考にしてましたが、「全くあてになりません」でした。

今となっては2年前の話なので状況は変わっているかもしれませんが、あまりにもひどい対応だったため備忘録として残しておきます。

はっきり言って国ぐるみの留学詐欺でした。

1. スウェーデンは難民危機真っ只中

2015年以前では学生ビザ申請後約1〜2ヶ月前後、早い人では2週間で申請が下りたなんていう話を聞きますが、今スウェーデンは難民の取り扱いで手一杯でかなり審査期間が長くなっています。

スウェーデンの移民局はついにホームページで、優先順位をつけて申請手続きを進めることをやめ、申請順通り処理することを宣言しました。よって学生ビザであってもその申請にはとても時間がかかります。

さらにそれでも手が回らないとわかるやいなや、特別法案をものすごいスピードで可決・施行し移民を制限するなど、状況はかなり流動的になっています。

スウェーデンの国そのものが全て後手に回る状況ですので、楽観的にならず最新の情報を把握しておくことが重要です。

2. 原則はオンライン申請

スウェーデンの学生ビザ申請

日本のスウェーデン大使館はビザ申請には原則として関与しません。一応郵送でも受け付けるそうですが、通常以上に時間がかかるということで、交換留学生を除き、通常はオンラインで申請をすることになります。

尚、オンライン申請に関しての質問はスウェーデン移民局にメールで問い合わせを行うことになります。

交換留学の居住許可発行は原則大使館で行われますので、審査期間は従来通り1ヶ月前後のままだそうです。この記事はあくまでも正規課程に就学する目的でスウェーデンに渡る方向けですのでご注意ください。

3. 新規申請は最低3ヶ月

公式情報

追記: この情報は2016年4月の時点で居住許可申請した人向けの情報です。

渡航日を決める前に居住申請がおりるまでの平均期間を見てみましょう。スウェーデン移民庁のホームページのにその記載があります。

スウェーデンビザ

スウェーデン移民庁HP 2016.4月現在

新規申請を行った場合、申請者の60%は平均3ヶ月で手続きを終えているとのことです。しかし、書類不備や追加書類を求められた場合には3ヶ月以上かかるということで、現在は非常に長い期間を要します。

また滞在許可の延長申請の場合も、審査期間が2ヶ月以上が目安となっていますので注意しましょう。

追記:2016年8月現在情報がアップデートされていますので下記に記載します。が、これもかなり流動的でその審査機関は時期や担当官によってかなり差がでるのであくまでも目安としてください。

  1. 大学に正規入学する場合スウェーデンビザ
  2. 大学院(博士課程)に入学する場合スウェーデンの学生ビザ
  3. 大学・その他教育機関に派遣留学、Contract Education等スクリーンショット 2016-08-27 15.01.08

申請者の実際の声

実際に申請者の悲鳴が各方面から上がっています。受け入れが決まっているにもかかわらず居住許可の発行がされないために、コース開始後も出発できないというケースが相次いでいます。

希望に満ちた留学生の気持ちまでをもへし折りかねない事態です。

実際にポストグラデュエートでビザの更新ができないというケースの報告もあります。

さらに日本のスウェーデン大使館も全くと言っていいほど役に立たないのはスウェーデンに来ている日本人の中では常識の話。

出国の予定を立てて準備万端でも、居住許可の申請が遅すぎて断念なんていうケースも複数出ています。ここで紹介したのはごく一部で、非公開ツイートも含めるとかなりの数の切実な悩みがツイッター上で見られます。

ちなみに蛇足ですが、アイルランドやイギリスの学生ビザは空港に到着後、入国審査官に口頭で伝えるとともに必要書類を見せると、ものの5分程度で3ヶ月の仮学生ビザ発給、その後地元の移民局もしくは警察署で本申請すると即日で1年の学生ビザが出ます。

かたや学生ビザの審査に数ヶ月要する国と即日で発行する国、この違いはなんなんでしょうか。その理由はブログ後半の備忘録を読んでいただければわかります。

4. 必要書類の事前チェックを

提出書類は留学の種類によってもそれぞれなのですが、入学許可を受け取ったらなるべく早く居住申請を行えるように事前に必要書類を確認し、すべてPDFで保存しておきましょう。

  • パスポートのコピー
  • 銀行の残高証明(英文)8010 SEK/月 × 居住予定期間
  • 保険の加入証書(英文)
  • 入学許可書
  • 奨学金(ある場合)英文証明書

尚、奨学金については私費留学の場合には必要ありません。

スウェーデンに1年以上居住する場合には保険はスウェーデンの国民保険でカバーされますが、私が申請した際には3年分の居住申請をしたにもかかわらず、申請時に保険の加入証書を添付しないと先の画面に進めませんでした。

入学予定のスウェーデンの大学に問い合わせたところ、最初の1年は自分で保険に入っていたほうが手続きがスムーズだとの返事をもらったので、留学保険に1年分だけ加入しました。

5. 残高証明に注意

書類不備とみなされる最大の原因が残高証明です。スウェーデンでは留学生に対しては8010SEK×滞在予定分の残高の証明を(明文化はしていませんが)求めているようです。少し多めに入金してある状況で銀行に発行を申請しましょう。発行さえしてもらえればその後預金を下ろしてしまっても問題ありません。

尚、1年=10ヶ月とカウントしますので、例えば3年の予定の場合には8010×3=24030 SEKが必要になります。

この時注意なのは、あくまでも名義は自分でなければなりません。親御さんやスポンサーになってくれる方の名義では却下されますので、あくまでも自分の口座に預金があるという文書を提出してください。

6. 2016年の悲劇

2016年は前述した通りスウェーデンは難民危機真っ盛り。そんな中スウェーデンに留学しようとしていた、あるいは留学していた人は大変な影響を受けました。

ここに当時のあまりにずさんな実態を残しておくべく、実際の大学や移民局とのやりとりを公開します(画像クリックで拡大)。

意気揚々に1月に学生ビザ申請

大学から受け入れ通知をもらい、意気揚々としながら学生ビザ(レジデントパーミット)を申請。

書類不備は一切なく、2週間から1ヶ月程度で申請はおりるだろうという言葉を信じて待ちます。

音沙汰なしの3月

1ヶ月でビザが下りるという言葉を信じていたものの2ヶ月を過ぎても音沙汰なし。若干不安になりながらも移民局に問い合わせをしてみたところ

「We have a very large number of application for studies and work」という返事が。この時はこれを信じていましたが、実は大嘘であることがのちに判明します。

イライラが募る半年間

結局その後8月になるまで何の音沙汰もなし。移民局に問い合わせるも「現在審査中」の一点張り。

大学側も移民局側には頻繁に連絡して状況説明を求めてくださっていましたが、結局何ども「soon」という言葉だけに騙されるだけの結果になりました。

原因は難民対応の失敗

難民受け入れに「表向き」積極的だったスウェーデンも、実際にはそれによる治安の悪化と公共福祉の悪化による世論の変化、国政選挙による与党大敗、流入規制のための新法律制定など難民受け入れをストップする政策を進めていました。

私はそもそも難民ではないですし、出身国も中東ではなくLow Riskに分類されている日本。しかしながら、そのような背景は無関係に、カテゴリーによらずビザ審査が全てストップしているとの情を知らされました。

このメール(8月初頭)によれば大学側は移民局長から、新たなスタッフを入れ学生ビザ審査完了のための優先対応を行う旨連絡を受けたと言っていましたが、実はこれも移民局による大嘘ということがのちにわかります。

移民局の約束とコース開始の案内

その後8月大学から一斉メール。内容は、移民局が8月中旬までにビザ申請を行う旨確認した、それにともなって8月23日に大学でイントロダクションを行うというもの。

おそらく多くの学生がこの時点でアコモデーションの準備や航空券の準備もしていたものと思われますが、実はこれも

突然の延期通告

そうこうしている間に、8月下旬になりまた一斉メールが。今度は大学側からプログラム延期の一方的な通知が来ます。

原因は移民局が結局期限を守らなかったため、ビザが下りていない学生がいるとのこと。ちなみに私の場合はこの時点で申請してから7ヶ月以上。

先ほどのメールの指示通り航空券を買っていた人はゴミ箱に捨てるほかありません。

全学生がビザなし

大学側の説明によれば「まだビザが下りていない人がいるため」期限を延期するとのこと。ですが、私には自信がありました。私のビザが下りていないということは誰一人ビザがおりていないんではないかと。

そこで、普段連絡をくれる大学担当者とは別のスタッフに説明を求めると、案の定の回答。

入学予定の他の学生も皆ビザが下りていないという状況。

ちなみに同じ講座に1年前から所属している人に聞くと、なんと2015年8月に申請した「学生ビザ1年更新」の申請が申請後1年経っても審査結果が出ていないということも判明。1年の更新を審査するのに1年以上時間がかかる移民局の対応。

暴かれた移民局の嘘

今まで散々「soon」や「移民局が大学と約束を交わした」という報告に騙され続けましたが、最後の最後になって、移民局の嘘が明らかになります。

それは、学生ビザを審査する担当官が丸々1年間不在だったということ。全スタッフが難民対応に駆り出され、またその業務が過酷だったためにスタッフの退職が相次いだこともあり完全に機能停止になっていたというのです。

これには流石に開いた口が塞がりませんでしたが、つまりは1年近く私たちの申請用紙は誇りをかぶって放置されていたというのです。

結局この後大学院コースは当初の2016年7月スタートから大きく遅れ2017年の2月スタートに。しかも全員が揃うまでは「スカイプ」で授業をするという雑っぷり。

私の最終判断

スウェーデンでは学生は毎年ビザを更新(現在は1年おきに変更)する必要があり、実際すでに大学院プログラムを始めていた上の学年の人にきくと半数以上は「1年のビザ更新のためにもう1年半待ってる」なんていう状況。

スウェーデン国内にいる分には問題ありませんが、同じシェンゲン加盟国内の扱いとしては「オーバーステイ」となりヨーロッパ各国への入出国ができません。

そのため、私が在籍していた大学から電車で30分のコペンハーゲン(デンマーク)にすら買い物に行けないという状況。また、日本とスウェーデンでは直行便がなくトランジットが必要なこともあって母国へ帰国することすらハイリスクだったのです。

流石にスウェーデンのずさんさに1年巻き込まれウンザリしていたこともあって、実はビザのゴタゴタをしている間に第2のプランとして英国の大学院にも出願し、こちらもアクセプト。

移民を一律に制限するような後手後手の法律制定など、スウェーデンでのずさんな移民・難民管理の弊害が思いっきり社会に表面化してきた時期ということもあり、生活の制限や不便さを総合的に考えての判断でした。

また、私が知っている限り2人の日本人スウェーデン大学院生がビザ更新拒否、1人がデンマークから強制送還(こちらはニュースになっていました)ということで、スウェーデンで長い大学院生活をするリスクもありました。

というわけで実際にはスウェーデンで生活したのは10ヶ月程度、現在は英国に本拠地を移し生活しています。

7. 最後に

今まで放置されてきたスウェーデンの移民・難民事情は想像以上に深刻で、居住許可の発給審査にはとても長い時間がかかっています。

現在スウェーデンでは昨年から続く難民の扱いにより、行政が非常に混乱しています。日々ルールが変更になったり、居住許可を制限する新しい法律が突然可決されたりと、はっきり言って非常に正当な留学生にとってはStressfulな状況です。

移民局にメールで質問をしても、具体的な許可が出る目安はもちろん無く、テンプレのようにただ「待て」「soon」の一点張り、全く信用できません。

当時スウェーデン大使館に直接状況説明を求めたり、外務省を通して照会もしましたが、ゼロ回答以下の塩対応。そんな中同時に大使館主催で「スウェーデンは留学に最適」と勧誘イベントを本国の状況そっちのけでやっているのを見てあまりに無責任ではないのかと憤慨したものです。

他の国では考えられないような事が平然と起こりうるのが現状ですので、十分に情報収集には注意されることをお勧めいたします。

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5 件のコメント

  • Stockholm大学の修士に留学予定の者です。このブログや他の情報も参考にさせていただき、数ヶ月待つことを覚悟してResidence Permitの新規オンライン申請をしたところ、なんと5日で承認が下りました。在日大使館を通して自宅に送られるらしいオリジナルレターは待ちの状態ですが。早すぎて逆にビビっています。ご参考までに・・共有させていただきます。

  • 知人がスウェーデンで仕事をしています。2年の予定でしたが1年延長になりvisaの申請をして5か月になりますがまだ延長が認められず出張も一時帰国も出来なくなっています。一時帰国のために予約したチケットもホテルもキャンセルせざるを得なくなり泣く泣くキャンセル料を払ったそうです。今、日本に来てしまうとスウェーデンに戻れなくなってしまうため許可待ちのようですが移民局は全くらちが明かないようです。社会保障の充実した住みやすい北欧のイメージが崩れ去っています。ちなみに知人の勤務先は有名企業ですが
    企業の人事部とスウェーデンの移民局との話ものれんに腕押し状態だそうです。それでも仕事には行っているそうです。一体スウェーデンという国はどうなっているのでしょうか?

    • 移民政策に失敗した末路ということなんだと思います。昨年の冬から状況が大きく変わりました。
      同じような境遇の人も何名か知ってますし、学生が修士論文提出前にして国外退去に追い込まれて帰国になったという人もいます。
      日本にあるスウェーデン大使館の対応もあまりにもお粗末なのはあまりに有名な話です。

  • 私もスウェーデンに8月から留学しており、留学前にYamaさんの記事を参考に手続きをしました。非常にわかりやすく参考になりました。ありがとうございます。

    1つ、スウェーデンのビザについて質問があります。私は8月1日から6月30日までのビザを申請しまして、まだ移民庁に行っておらず、レジデンスカードを受け取る必要があります。移民庁へは3ヶ月以内に行かなければならないという認識があるのですが、8月1日から3ヶ月以内なのか、入国日(8月15日)から3ヶ月以内なのかがわかりません。前者の場合、次の月曜日までに行かなければいけないのですが、予約がすでに埋まっており行けない状況です。予約なしの飛び込みで行ってもかなり待ち、向こう側に時間があれば可能と友人から聞きました。そのあたりもどうなのか定かではありません。ホームページでは3ヶ月以上の「滞在」にビザが必要ということなので、入国日から3ヶ月以内であって欲しいと思っています。もし、なにかご存知のようであれば教えて頂きたいです。よろしくお願いしますm(_ _)m

    • 入国日から3ヶ月の認識で大丈夫だと思います。ちなみに飛び込みは本当におすすめしません。1日待たされて成果なしなんてことはザラに起こります。
      あと、彼らは我々が度肝抜かれるほど「テキトウ」です。日本のお役人よりもソウトウひどいです。ですので、日数なんか数えちゃいませんしそんなに気にすることはないです。
      繰り返しますが、移民局はホントウに適当ですのでご心配なさらずとりあえず予約取れる時に行けば大丈夫です。

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