リトアニア第2位の都市であり、第2次世界大戦の際には元日本国駐リトアニア領事、杉原千畝がユダヤ人難民に対し「命のビザ」を発行した場所で知られるカウナス。
この日本人にゆかりのある地を2月の冬真っ只中の際に訪れてみました。
杉原千畝にまつわる見所やカウナス観光名所20選は別の記事で紹介していますので、今回はカウナスの街並みの雰囲気などを中心にカウナス街歩きの様子を紹介します。
1. カウナス到着!
今回は、リトアニアの首都ヴィリニュスから列車で移動していきました。
首都ヴィリニュスからカウナスまでは約1時間10分、旧ソ連からの独立後に加入したEUからの大量資金投入もあり、都市間を結ぶ公共交通機関はかなり発達しています。
カウナス駅はとてもキレイ。ヨーロッパの駅のイメージってどこもゴミが散乱してグラフィティが書かれててちょっと物騒、、、と思う方も多いと思うんですが、リトアニアは違います。
旧ソ連体制の流れなのかシンプルで頑丈な作りでちょっと冷たい印象のある駅構内ですが、ゴミ1つ落ちていません。構内にいる乗客もひっじょーーに静か。ちょっと怖くなるくらい静まりかえっていました。
ちなみに杉原千畝記事で詳しく紹介してますが、ここも杉原千畝の命のビザ物語には欠かせない場所で、駅の外壁には杉原の功績を讃える記念碑が取り付けられています。
2. カウナス市民の足
カウナスに限らず、バルト3国共通の市民の足といえばトロリーバス。一見バスですが、電線から電力供給を受けて走るバスです。
かなり年季の入っているオールドバスから最新式のキレイなものまで色々。緑がメインのようですが、黄色や赤いトロリーバスも走っていました。
市街地中心部にはトロリーバス用に数え切れないほどの電線が交差しており、さらにバスによってはかなり電線を引っ張りながら無理な位置を走っているものも、、、
「このバスいつか絡まるんじゃないか?」
と不安を覚えながら見ていると、案の定。
突然「バリッ」とスパーク音と共に、周囲の電信柱ごと倒れるんじゃないかと思うくらい電線が激しく揺れ・・・
その激しい振動とともにトロリーバスは急停止。
2本あるはずのパンダグラフ(?)のうち1つは地面に落ち、もう一つは電線と絡まり、、、運転手が慌ててバスの外に飛び出していました。
そりゃそーだよなぁー、、、と思いながらも乗客も皆冷静なので、こんなのは日常茶飯事なんでしょう。
3. メインストリート
カウナス駅から歩く事10分、歩行者天国になっているメインストリートに到着です。目抜き通りの一端には聖ミコラス大天使教会が威風堂々と建っています。
カウナスは観光地としてはまだまだ知名度がないこともあり観光客はさほど多くありませんが、デンマークやスウェーデンから超格安航空券(片道10ユーロ)という航空券が出ていることもあり、北欧の観光客が比較的多く見られました。
また杉原千畝を追って極東から来たであろう日本人らしき人もちらほら。
メイン通りとはいえ人通りはそこまで多いとはいえませんが、昼夜問わず治安の心配もなく、落ち着いた雰囲気。レストランやスーパー、雑貨屋等が立ち並びます。
大学が多くため、若い人の姿も目立ちました。
東欧エリア共通な気がしますが、制作意図を読みきれないへんてこな彫像があちらこちらに、、、
もちろん歴史上の人物や著名人などまともな(?)銅像も多くあり、公園や曲がり角という曲がり角すべてにあるんじゃないかって位くらい建てられています。
実はバルト3国も芸術分野はかなり盛んなのですが、それを強く感じたのがこのグラフィティ。
どこまでが絵でどこからが本物の建物かわかりますか?最初は本当に人が立っているのかとちょっとビックリ。
街歩きをしていると旧共産圏の雰囲気を感じられる荒廃しかけたコンクリートの塊のような建物の横に最新のモダン建築が建っていたりと、本当に両極端な新旧を多くみることができました。
4. カウナスの旧市街へ
メインストリートを抜けると、旧市街エリアに近づいてきます。旧市街のメインストリートは石畳が敷かれており、歴史を感じさせるカラフルな石造りの建物が連なる可愛らしいエリア。
旧ソ連統治時代に建てられたものとは明らかに違う古き良きヨーロッパを感じさせる雰囲気があります。
公衆電話も趣があっておしゃれ。もちろん使うことができます。
この旧市街エリアでは、長い間厳しい時代を耐え抜いて来たリトアニアの国の事情を感じ取ることができます。
一歩路地に入るとまだまだインフラの整備が追いついていない場所や、廃墟になってしまっている場所、舗装修復が追いついていない場所など、財政面ではまだ厳しい状況にあることを感じさせる光景が。
ちなみに、一見すると少し物騒な印象を持つエリアではありますが、治安は極めて良好なので日中街歩きをする分には全く問題ないのでご安心を。
夜間は街灯が1つもない場所もあるので路地歩きには注意が必要です。
5. 旧市庁舎広場
旧市街のメインといえば旧市庁舎広場。ここには有名な教会や博物館など観光名所も多くあつまっています。
広場を歩いていると、保育園の子供達も仲良くお散歩中。こういう大きな広場で遊んだりしながらのびのびと過ごせるっていうのはいいですね。
そしてそれをおとなしく眺める猫はリトアニア美人らしくサファイア色の眼。
6. カウナス城
旧市庁舎広場のすぐそばにはカウナス城が。無料で見て回れるようになっており、また周辺は公園にもなっているので天気のいい日にはハイキングも楽しそう。
ちなみにカウナス城のすぐそばにはネマン川という大きな川が流れており、目をやると、、、
凍った川の上をベビーカーで歩く勇敢なお父さん。ってそこ溶け始めてるけど大丈夫???
7. カウナスの教会群
リトアニアは敬虔なキリスト教国。どこの街にも多くの教会があります。
その全てを見学できるわけではありませんが、観光客も入れるところも多くあり、リトアニア観光をする際にはその見事な教会巡りもオススメです。
カウナスの観光名所の1つとしても有名なカウナス大聖堂。
旧市庁舎広場の一角に建っています。首都ヴィリニュスにも立派な教会や大聖堂がありますが、ここカウナス大聖堂はその中でもかなりインパクトの大きい立派な教会でした。
カウナス旧市街のはずれに建つのは聖ニコラス教会。こちらは素朴ながら地元の人が多く訪れており信仰深さを感じました。
8. 最後に
街歩き観光の足取りをたどりながら、カウナスの街並みや名所を紹介しました。
東欧の特徴ですが、EU加盟後急速に近代化が進んだ一面と、旧ソ連による併合やナチスドイツの迫害などによる負の側面と、非常に複雑な歴史を歩んできた国ということを街を少し歩くだけでも感じることができました。
欧州の中ではまだまだ観光客が少ないエリアで英語が通じにくいなど苦労する場面はありますが、欧州でも随一の治安の良い国であり、安心して観光することができます。
カウナスを観光の際には杉原千畝の足跡を辿る旅だけではなく、時間をとってゆっくり街歩きをしてみてください。
- Expedia:ホテル:メトロポリス
- Hotels.com:ホテル・メトロポリス
カウナスで宿泊するなら絶対におすすめしたいのがホテル・メトロポリス。あの杉原千畝が出国直前まで滞在し命のビザを書き続けたという歴史を動かしたホテルです。
客室は非常に清潔に保たれていますが所々歴史を感じる内装があったりと、日本人としてとても感慨深くなるホテル。宿泊料金も非常にお手頃なので是非滞在してみてください。
実際の宿泊記も紹介しているのでこちらもご覧下さい。
海外旅行をする人が必ず持つべきクレジットカードの決定版は?
国際ブランド、付帯保険、旅行中の特典、カードを選ぶポイントは様々。
海外40ヵ国以上を訪れた旅のプロがヨーロッパ向けクレカの選び方とおすすめを伝授している人気記事をチェック!