リトアニア第2位の都市カウナス、観光客がそこまで多いとは言えない街ではありますが日本人にとってはとても特別な街でもあります。
ドキュメンタリーや映画「命のビザ」でその功績を語り継がれている元駐リトアニア日本領事、杉原千畝が駐在していた街こそがカウナスで、命のビザの舞台となった領事館も現在杉原千畝記念館として残されています。
実はこのカウナスには街中いたるところに杉原千畝を思い出させる所縁の地や記念碑が建てられており、街を歩いているとリトアニア人にとって杉原千畝がいかに特別な人かがよくわかります。
そんな杉原千畝がリトアニアを離れる直前まで宿泊して領事業務をしていたホテルが現在も営業をしており、観光でも普通に宿泊することができます。
今回はそんな観光客にもおすすめな杉原千畝ゆかりのホテル、ホテルメトロポリスを紹介します。
1. 命のビザを書いたホテル
カウナスを訪れようと計画している人は杉原千畝の所縁の地を訪ねる、という目的があるに違いありません。
杉原千畝はまさに第2時世界大戦中、駐リトアニア領事としてカウナス領事館で公私を過ごしていました。
その当時、ナチスドイスからの迫害やジェノサイドの危機に瀕しながら、なんとか第3国へ避難するためにユダヤ人たちが日本領事館前に「通過ビザ」を求めて群がるようになりました。
この「通過ビザ」さえあればシベリア鉄道に乗車することができ、そこから日本を経てさらに米国や中南米への避難が可能になったのです。つまりこの「通過ビザ」を受け取るかどうかでユダヤ人の運命が変わるというもの。
当時の外務省はドイツと同盟関係ということもあり、表向きは反対(実際には暗黙の了解)という姿勢をとってはいたものの、杉原千畝が自ら戦火を逃れ避難する直前まで手書きでビザを書き続けたという功績が、現在も様々な形で讃えられています。
そんな杉原千畝がソ連政府から閉鎖を命じられた領事館から退避し、列車にてリトアニアを避難する直前まで滞在していたホテルこそが、今回紹介するホテル・メトロポリス。
このホテルに移ったのちも領事業務を継続し、ひたすら通過ビザを書き続けていたとされる歴史が動いたホテル。カウナスの中心部に現在も当時のまま営業を続けています。
2. ホテル・メトロポリス概要
ホテルメトロポリスはカウナス市街地歩行者天国の中央にあり、中央駅やバスターミナルからのアクセスにも良好。観光に最適な立地になっています。
周囲にはスーパーマーケットやカフェ、レストランが充実しており、また目の前は歩行者天国ということもあり夜間は車の音等も聞こえない静かなホテル。
ホテルの壁には杉原千畝の功績を讃える記念碑が埋め込まれています。
ちなみにこのような杉原千畝の足跡を辿った記念碑はカウナス市内に複数設置されており、杉原千畝という人物がいかにカウナスの人々にとっても特別なのかを感じることができます。
3. ホテルフロント
木製の回転ドアを通ってホテル内に入るととても歴史を感じさせる内装のフロントが目に入ります。改修などは必要に応じて行ったりしているそうですが、基本的には当時のままとのこと。
フロントスタッフはいたって普通。決して杉原千畝を売りにして営業しているホテルではないため、こちらが日本人とわかっても淡々と業務を行うあたりはリトアニア人らしさを感じました。
質問などには親切に答えてくれますし英語もある程度通じる感じでしたので、特に困ることはありません。
4. 共用部分
やはり歴史のあるホテルを感じさせてくれるのが木製の大きめのドアが一列に並ぶ光景と広い廊下。古さは感じますが、とても綺麗に管理されています。
一点注意としては、ホテル内にエレベーターがありません。ですので大きなスーツケースなどを持っている場合には少し大変かもしれません。
5. 客室
今回宿泊したのはシングル用ダブルルーム。木打ちの床になっています。全客室にTVとWi-Fiが完備されており、最低限の設備は整っています。客室は清潔で問題はもちろんありません。
リトアニアのホテルはシャンプーの備え付けがないところが多いのですが、ホテルメトロポリスでは設置されていました。
古いホテルなので少し心配していたのですが、シャワーの湯圧は全く問題なく水回りはしっかりとしている印象です。
バスタブがあるホテルは滅多にありませんが、とても広々としたシャワールーム空間となっており快適です。
6. 宿泊料金
かなり歴史もあり杉原千畝という泊付き、ホテル自体もカウナスの中でもレベルの高い方に分類されるので宿泊料金は高めと思いきや、やはりそこはリトアニアの物価に準じて格安です。
一泊29ユーロ(3500円程度)から。私が泊まったダブルルームは30ユーロでした。
このようなクオリティのホテルにも30ユーロという価格で泊まれるのはリトアニア旅行の利点でもあります。北欧でこの値段で泊まろうとすると北安いホステルにしか泊まれません。
ちなみに朝食はなんと3ユーロ。
私はチェックアウト時間の都合上つけませんでしたが、ホテルで朝食をとる余裕がある方は絶対におすすめです。
7. 最後に
杉原千畝が宿泊し、命のビザを書き続けたホテルという感慨深いホテルにもかかわらず、とてもお得な料金で泊まることができるホテル・メトロポリス。
是非カウナスに滞在する際には日本人として選びたいホテルです。
ホテルメトロポリスに宿泊しながら、杉原千畝の所縁の地をめぐる旅をしてみてはいかがでしょうか。
名称: ホテル・メトロポリス
住所: S. Daukanto g. 21, Kaunas 44249
料金: 30ユーロ〜/泊
空室照会・料金・設備詳細
- Expedia:ホテル:メトロポリス
- Hotels.com:ホテル・メトロポリス
Shunさんのサイトを何時も参考にさせていだだいています。
バルト3国の旅から帰ってきました。カウナスは2泊でしたが思ったより見所があるのには驚きました。ご推奨のメトロポリスホテルに宿泊しました。2019年9月現在、カウナスは道路や建物の補修工事が至るところで行われており、メトロポリスも、外装の改装工事中でした。杉原千畝記念碑は、丁寧に養生されており、残念ながら実物を見ることができませんでした。
顧客対応も良く、古風な落ち着きを感じさせるホテルですね。2階は新館と思われる翼が左側と後方に伸びており、かなりの数の客室があります。私は旧館3階の部屋でした。本当に歴史的背景だけでなく、立地条件、そしてコスパの良さには驚きました。ご紹介していただきありがとうございました。
杉原記念館は現在2階部分の展示を開始すべく回収中とのこと、そしてその費用の大半が杉原記念館を訪れた人による寄付からなるもののようです。
遠い異国の地でありながら日本との架け橋をずっと続けてくれていることに感謝です。