私がラトビアを訪れた時、国中いたるところでラトビアの国旗が掲揚されており、なんて愛国心の強い国なんだと勝手に感じていたのですが、実はその日がちょうどラトビアの独立記念日だったということがありました。
リガの中心部ではパレードや式典が行われており、そこからラトビアの独立国としての威信と覚悟、共産主義を許さないという覚悟、そして真の愛国心とはなんなのかを無知ながら感じ取ったので紹介していきます。
1. 国中がラトビア国旗掲揚
空港に降り立った瞬間から国旗に圧倒され、その時点でラトビア人の国に対する愛を感じました。この時は後に何が起こるか全く知りませんでした。
空港ロビーにはたくさんの国旗と共にラトビアの紋章付きのブーケが無数に飾られています。
街に出ると公共交通機関のトラムやバスを含む、ありとあらゆる公共物に国旗が揚げられていました。
とにかくラトビア国旗が揚がっていない建物や乗り物はないんではないかと思えるくらい、街中がラトビア国旗だらけ。
もちろん個人の車や住居にも国旗が掲揚されている光景が当たり前。
2. ラトビア独立のシンボル 自由記念碑
リガ中心地にある自由大通り Brīvības bulvārisには自由記念碑が建設されています。
1920年に終結したラトビア独立戦争の戦没者を慰霊するために1935年に作られ、現在までラトビアの自由、独立、主権のシンボルとして大切にされています。
1940年からのソビエト侵攻の後ラトビアはソ連に併合されその際に解体が検討されました。しかし、ラトビア国民が団結して守り抜き、現在まで独立の象徴としてその姿を残しています。現在24時間体制でラトビア国軍の儀仗兵が警備を行っています。
モニュメント中央部にはラトビア後で「祖国と自由に」という彫刻がされています。
高さは42メートルで、モニュメントの頂上には自由の女神が、花崗岩で作られた土台部分には見事なラトビアの歴史や信念を表した彫刻が360度掘られています。
3. ラトビア独立記念日から考える愛国心
記念セレモニー前の献花
まだ朝の早い時間から、自由記念碑の周りには多くの人が訪れ、各々献花やろうそくを供えに来ていました。小さい子供から、学校の社会科授業の一環として、もちろんスーツ姿のビジネスマンから車椅子の老人まで、多くの方が参列しています。
これを見るだけでも独立記念日がいかにこの国で大事なことかということがわかりますが、実際にはセレモニーが近ずくにつれ人通りも増え、参列者の列が非常に長く伸びてきました。
愛国心とは何か〜国家が1つになるということの意味〜
ここで、私は気付きました。この国はただ単に独立を祝っているんではないということを。
多くの国民がそれぞれお国旗を揚げながら集まってくると同時に、メッセージ性の強いプラカードを持った人々も多く見られるようになりました。
“We say No to Nazism and Communism”
この国は最近まで悲しい歴史をたどりました。
ナチスドイツによるホロコーストを経験し、さらに人口の2/3もの人々が虐殺・シベリア送りとなった共産主義国家ソビエトによる侵攻と占領を経験し、それでも負けずに独立を勝ち取った。
そこから芽生えたであろうラトビア人の「偏ったイデオロジーと常に我々は戦ってきたんだ」という誇りと、独立を今後一生守り抜くという強い覚悟が感じられました。
ラトビアを始めバルト3国や旧ソ連による支配を受けた国々では共産主義とナチズムは同一視される極めて危険な思想。
日本を含むアジア諸国では共産党があたかも平然と存在していますが、ラトビアでは1991年に共産党の存在そのものが違法とされ解体されました。
4. 最後に
現在世界では中東を中心に世の中が不安定になっています。そして、日本を見ても周辺国との外交関係は一筋縄ではいかなくなってきました。
このラトビア独立記念行事を見たことで、日本という国が今後もずっと主権国家でありつづけるために今一度自分の国を見つめ直す必要があるのではないかという風に感じました。
日の丸を揚げる、あるいは国歌を歌うことさえも右寄りだ、周辺国へ配慮がないなどといった自分の国のアイデンティティをも否定する報道がメディアで平然とされていますが、自分の国を愛するのがある意味当然であるという海外に住んでいると今の日本はやはり異常事態にしか思えません。
自分の国に誇りを持って団結して国を守るというその覚悟、私たち日本人にはしっかりと備わっているのでしょうか。
なぜラトビアでこのような反共産が叫ばれるのか。その答えをリトアニアで訪れたKGBジェノサイド博物館で見つけることができました。
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