クロアチア、その美しい海岸線や歴史的な町並みで知られるバルカン半島の隠れた宝石と言われ、日本人を含む多くの観光客に人気の観光国になりました。
今回は一歩踏み込んで、誰もが知る観光地ではなく、地中海に浮かぶ小島、ヴィス島にある小さな漁村コミジャに焦点を当てていきます。
コミジャは自然の美しさ、伝統的な文化、そして地元の温かい雰囲気が調和している場所。コミジャへの旅を楽しむためのヒントや魅力を紹介します。
1. コミジャの概要
ヴィス島のコミジャは、ヴィス島西部に位置する人口わずか1500人弱の小さな漁村。
近年ではビーチリゾートや青の洞窟への出発点として人気が高まっているものの、地中海の漁村の趣を今も変わらず残しているのどかな村で、ハム山のふもとにある港と湾の周りには17~18世紀に建てられた古めかしい家々がひしめき合っています。
近年オーバーツーリズムが深刻な地中海リゾート、ドブロブニクやスプリットと比較するとアクセスが制限されていることから、人気の高まりはあるとは言え依然静かな漁師村の雰囲気を保っている隠れたリゾートになっています。
2. コミジャへの行き方
クロアチア旅行中にコミジャを訪れる場合は、クロアチア本土のスプリットが起点となります。
2-1. 個人で訪れる場合
コミジャへ個人で訪れる場合には、スプリットのフェリー乗り場からヴィス島(Vis)行きフェリーもしくは高速船を利用し、そこから陸路の移動となります。レンタカーで旅行している場合はカーフェリーを使用してください。
所要時間は高速船を使用する場合1時間30分程度、カーフェリーを利用する場合には2時間15分程度です。公式HPから予約が可能なので、繁忙期に利用する場合には事前の予約がおすすめです(早割価格あり)。
ヴィスはヴィス島東側に位置しており、西端に位置するコミジャへは、フェリー乗降場周辺から発着する路線バスもしくはタクシーを利用して約15〜20分の所要時間となります。
2-2. ツアーを利用する方法
スプリットを拠点に日帰りでコミジャへ訪れる場合におすすめなのが現地ツアーを使用する方法。
ほぼ全てのツアーがコミジャでの数時間の滞在と、コミジャを発着するブルーケーブ(青の洞窟)観光をセットにしたパッケージとなっており、1日という限られた時間の中で最も効率よく、かつ安価にコミジャと一大観光名所であるブルーケーブを堪能することができます。
様々なツアー会社がパッケージを催行しており、ツアー会社の所有するプライベートボート、ヨットやスピードボートを利用するため効率的。アイランドホッピングや船上BBQなど色々なアクティビティと組み合わせたどバラエティに富むツアーが催行されているので、是非お好みのものを探してみてください。
3. コミジャの楽しみ方
コミジャは中世の雰囲気を今に残す静かな漁師村。その主な楽しみ方は落ち着いた雰囲気の中で楽しむ街歩きやウォーターアクティビティ。
コミジャでの代表的な楽しみ方をいくつか紹介します。
3-1. 中世を感じる漁村街歩き
車両の通行ができない石畳の通路に、石造りの建物が建ち並ぶ街並みは、中世の地中海にタイプスリップしたかのような気分にさせるもの。
特に春から秋にかけては花々が咲き誇りどこを切り取っても絵葉書になるような美しい街並みとなります。
その限られたアクセス方法と、コミジャを訪れる大多数が短期滞在の観光客という特性から港周辺の賑やかなエリアを抜けるとすぐに静かな住宅街となり、落ち着いた気分で街歩きを楽しむことができます。
3-2. 透き通る海でウォーターアクティビティ
コミジャには大規模に開発されたリゾート等はありません。一方小規模な管理/非管理ビーチはコミジャの港周辺に複数あり、観光客も海水浴を楽しむことができます。
レンタルすればカヤックやシュノーケリングを気軽に楽しむことも可能。現地でも様々なウォーターアクティビティツアーを予約できるので透き通る地中海を堪能してみてはいかがでしょうか。
コミジャのビーチは砂浜ではなく小石が敷き詰められているところが多いので、足裏がしっかり覆われるビーチシューズの利用がおすすめです。
3-3. 地中海シーフード・伝統料理を堪能
コミジャは漁師の村。シーフードが美味しいのはいうまでもありませんが、全般的にコミジャのレストランはスプリットやドブロブニクなどリゾート観光都市と比較してかなりリーズナブルで質が高いことで評判です。
クロアチアでシーフード料理をいただく際はフダン草(blitva)の付け合わせを忘れずに。
3-4. ハム山へハイキング
コミジャはフム山の麓にあり、時間にゆとりがある方はフム山を少しハイキングしてみるのもおすすめ。
山の頂上まで行かずとも、中心部から30分程度ハイキングするだけでオレンジ屋根が映えるコミジャの街を一望することができます。
3-5. ブルーケーブ観光
コミジャを訪れたからには一度は目にしておきたいブルーケーブ。ブルーケーブといえばイタリア・カプリ島のものが有名ですが、クロアチアのビシェヴォ(Biševo)島にあるものもそれに劣らず、あるいはそれ以上に美しいと評判です。
コミジャ島から小さなボートを使ったアクティビティツアーが多数出ているので是非参加してみてください。
ブルーケーブについて詳しくはこちらの記事を参照してください。
4. コミジャでの見どころ
コミジャは非常に小さな村ではありますが、是非訪れたい観光の主な見どころがいくつかありますので紹介します。
4-1. コミジャ要塞
コミジャの港目の前に位置し、コミュナ(Komuna)要塞やコミジャ城とも呼ばれるコミジャのランドマーク。元々は要塞として築かれましたが現在内部はヴィス島の漁業や文化を紹介する博物館となっています。
博物館の入場券に含まれている塔上部へのアクセスによって、コミジャの港を一望することができます。
4-2. ガサリツァビーチ
過去に海賊がコミジャを襲撃した際に幾度となく使われたという由来から、クロアチア語で海賊(Gusarica)という名前が付けられた管理型ビーチ。コミジャ中心地から徒歩圏内にある最も大きなビーチで、観光客が利用しやすいものとなっています。
トップシーズンにはビーチパラソルやチェア、カヤックのレンタルサービス、インストラクター付きダイビングツアーも行われています。
スプリットやドブロブニクのビーチと比べると混雑度が低いのでリラクゼーションにも最適です。水着とビーチタオルの準備を忘れずに。
名称: Gusarica Beach
住所: Ribarska ul. 95, 21485, Komiža
4-3. ガサリツァの聖母教会
グーサリツァビーチに向かうように16世紀に築かれた中世の教会。ゴシック様式とバロック様式が混在したドーム天井が特徴的な教会で、1670年にポーランド人芸術家 Stephanus Kolarevich(ポーランド)によって造られた貴重なオルガンが今も使われていることでも知られています。
16世紀の設立以降幾度となく海賊の襲撃を受けたという記録の残る村を代表する教会の一つです。
名称: Church of St. Mary
住所: Ribarska ul. 95, 21485, Komiža
4-4. 聖ニコラス教会・コミジャ修道院
13世紀、海賊からの襲撃を逃れたビシェヴォ島出身のベネディクト会修道士たちが、コミジャ湾を見下ろす丘の上に要塞修道院を建てたことを起源とする聖ニコラス教会。
5廊式の教会となっており、建築当初の修道院やダルマチア地方で最も古いとされる13世紀に建てられたものを含む2つの要塞化された塔が残っています
コミジャの防衛にも欠かせなかった文化的・歴史的に重要な教会で、コミジャ中心部から徒歩15分程度で訪れることができるので必見です。
名称: Church of St. Nikolas
住所: D117, 21485, Komiža
5. まとめ
今も中世の雰囲気を残し、静かで落ち着いた空気が流れるコミジャ。まだ日本ではあまり知られてはいませんが、その魅力からリピーターが多い秘境として人気が徐々に高まってきています。
スプリットからブルーケープと共に日帰りで足早に観光するのもよし、時間にゆとりがある方は1−2泊して観光地の喧騒から少し離れて地中海の古村を味わうというのもおすすめ。
是非クロアチアの地中海沿岸旅行を計画されている方はコミジャへも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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