オーロラ観測で有名な場所は世界中にあり、北米、北欧を中心に多くの日本人の旅行者がオーロラハンティングに訪れています。
一方、オーロラハンティングというと、寒い、遠い、辛いというイメージもあり、観測には一筋縄ではいかないイメージがあります。
実はそんな中、アイスランドがオーロラ観測に最適な場所ということを知り、実際私自身足を運んでオーロラ観測してみました。一言、イメージが一新しました。
今回はアイスランドでのオーロラハンティングがなぜ適しているか、実体験を元にご紹介いたします。
1. ハードルの低い気温
アイスランド=氷の国ということで、すっごく寒いイメージありませんか?
実は、歴史的には、他国からの侵略を免れるためにわざと「寒そうな名前」を付けて、異国人が近づかないようにした、なんていう説があります。
スカンジナビア諸国のオーロラツアーで有名なキルナ、ラップランド、トロムソ等(北極圏)が-15度を下回ったり、カナダで-25度なんていう話を聞きますが、アイスランドはそこまで気温が下がることはありません。
私が12月中旬にオーロラ観測をした際には気温まさかの+8度でした。
アイスランドの首都レイキャビクの年間気温です。
最も寒い1月の最低気温でさえマイナス5度に届かないということ、ご存知でしたか?アイスランドはメキシコ暖流の影響を受けるため、気温は意外に高いのです。
オーロラ観測時は風の影響等も考慮する必要がありますが、実際のところ凍える寒さになることは滅多にありません。ですので、他の国と比べ、気楽にオーロラ観測をすることができます。
2. 手軽な装備
アイスランドのオーロラ観測のメリット2つめは、前述の気温にも関係ありますが、手軽にオーロラハンティングに行けるということ。
12月の中旬にアイスランドでオーロラハンティングに行った際の服装です。夜間に外で立っている時間が長いということで、日中市内観光をした際に加え、スパッツ1枚、ネックウォーマーと靴用のホッカイロを装着しました。
一見すると軽装すぎるように思えますが、結論からいうと、十分すぎるほど十分でした。気持ちとしては、軽井沢のアウトレットに買い物に行くのと同じくらいの感覚です。
オーロラツアーに参加する場合には、オーロラが出現するまでバスの中で待機することが出来ますし、もちろん吹雪や悪天候ではオーロラの観測は不可能ですので、そのような環境で外にいるということを想定する必要もありません(日中に行われる氷河ツアー等のほうが風が強いので寒かったりします。)。
ですので、アイスランドを訪れる際に、カナダ等で必要なレベルの重装備の防寒グッズを用意する必要がなく、荷物の量を減らすことができます。
ただでさえ荷物が増えやすい冬季の旅行ですので、身軽にオーロラハンティング旅行にいけるというのは大きなメリットになります。
3. 市街地と観測地点の近さ
アイスランドは地図上で見ても分かる通り非常に小さな国。国土は北海道とほとんど同じ大きさですが、国土全体がオーロラベルトの真下に位置するため、街の灯りさえ避ければ、どこからでもオーロラを観測することが出来ます。
ですので アイスランドの国内であればどこからでもオーロラ観測が可能。首都レイキャビクから車で20〜30分も走ればオーロラ観測に最適な真っ暗闇という場所も多くあります。
また、小さい国とはいえ場所によって天候が大きく変わるため、万が一レイキャビク周囲が悪天候であっても車で少し移動するだけで満点の星空なんてことも多々。
そのことからレイキャビク発のオーロラツアーは他国のオーロラツアーよりも観測率が高いと言われています。
また、太陽エネルギーが強い日には首都レイキャビクの市内からもくっきりとオーロラを観測することも可能。
オーロラのためだけに長時間の移動を必要としないため、日中市街地を散策したり他のアクティビティに参加したりしやすく、旅行をより充実したものにしやすくなります。
4. ピークの時間が早い
アイスランドのオーロラの出現時間は比較的早く、時期によって夜の7時〜12時頃がピークになります。
ですので、深夜にわたってまで観測をするということはあまりメジャーではなく、オーロラツアーに参加しても夜7時頃出発でホテル戻りが12時前頃になるような、比較的短いタイムテーブルが組まれていることがほとんど。
翌日に疲れを残したり、寝不足になる心配が少なく、またお子さんがいても安心してオーロラ観測をすることができます。
5. 雲の流れが早い
アイスランドは周囲を海に囲まれる島国です。そのため、上空には強い風が吹いていることが多く、雲の流れが早いことでも有名です。
いざ観測を開始して曇っていても、数十分後に星空が広がるなんていうことは珍しくありません。
たとえ曇り空でも希望を持ち続けて見てください。
6. 天気の地域差が大きい
アイスランドは非常に地形が複雑です。狭い国土ですが、平野もあれば山岳地帯もあり、車で数十分移動するだけで天気が180度変わることはよくあります。
ですので、ツアー開始前にレイキャビクが大雨でも、車で10分もいけば雪に変わり、さらに10分いけば快晴になるなんてことは日常茶飯事。
ツアーでは観測に最適な場所をピンポイント予報で調べて移動するため、オーロラツアーの催行率が他の国と比べて高いとも言われています。
7. オーロラツアーが豊富
アイスランドには大小様々な旅行会社がありますが、その全てがオーロラツアーを取り扱っています。
通常のバスでのツアーに加え、時間の長いロングコースや、オーロラクルーズ、スノーモービルで探索しながらオーロラを探すツアー等、色々なバリエーションがありますので希望に沿った形でオーロラハンティングをすることが出来ます。
実際に一つオーロラハントツアーに参加してみましたが、ホスピタリティの高さが目立つとてもいいツアーでした。
アイスランドで申し込み可能なオーロラツアー一覧はこちらのサイトから確認できます。
8. 日中のアクティビティが充実
アイスランドの首都レイキャビクには多くの博物館や教会等の観光スポットがある他、ゴールデンサークルをはじめとしてアイスランド各地へと向かう日帰りツアーがたくさん出ています。
多くの日帰りツアーは夕方6時前にホテルに戻ってきますので、体力さえ問題なければその後にオーロラツアーに参加というのも可能。
また、オーロラツアーも一部ロングツアーを除き深夜12時前後にホテルに戻ってきますので、翌日への影響を最小限にすることが出来ます。
オーロラ観測にも行きながら、時間を無駄にすることなく密度濃い観光をしたい方にはアイスランドが最適です。
9. 予習ができる
アイスランドの観光拠点になる首都レイキャビク。そこに世界的にも珍しいオーロラ博物館があります。
そこでは、オーロラにまつわる世界中の伝承や歴史から、実際の観測テクニックや天気の読み方など、オーロラ観測をするにあたって有用な情報が密度濃く紹介されています。
オーロラ観測前に博物館で予習していけば、実際の観測がスムーズに行くだけでなく、他の観測者たちとの会話も盛り上がること間違いなし。
10. 観測用データが豊富
アイスランドでオーロラが観測しやすい理由の1つにアイスランド気象台のデータがあります。
このサイトでは、アイスランド上空の雲の状況を詳細に示しており、雲の位置や厚さ、高度などのリアルタイムデータと今後の予報を見ることができます。
観測予定時間の雲のデータを見ながら、雲がないエリアに車を走らせることが出来るため、オーロラ観測の確率が一段と上がってきます。
誰でもウェブサイトにアクセスすれば見ることができ、もちろんオーロラツアーのガイドや運転手もこのデータを参考に観測場所を決定しています。
オーロラ観測に役立つアプリやサイトについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
最後に
大変な思いをすることなく、気軽にオーロラが楽しめるアイスランドは世界的にみてもかなり珍しい国。
北米方面にオーロラ観測にいった友人からしばしば聞く「−20度の中3時間待ったけどオーロラ見られなかったー」なんて言うことは起こりえません。
またレイキャビク発のオーロラツアーに参加すれば、どんなに条件が悪くても、データを駆使しながら雲の切れ目を探してオーロラを見られるようにと奮闘してくれますので、滞在日数が限られた短期旅行者の方にはオーロラツアーの参加もおすすめです。
アイスランドは首都レイキャビクを離れるとすぐにオーロラ観測に適した暗闇を見つけることができますし、また少し移動するだけで天気ががらっと変わることが多いので、オーロラ観測の可能性は非常に高いこと間違いなし。
アイスランドはオーロラを観測するのに適した条件が見事に揃っているので、是非美しいオーロラを見たい方はアイスランドに訪れてみてください!
アイスランドは首都レイキャビクなど一部の都市を除いて手付かずの大自然が広がっており、行くところ行くところで息をのむ絶景がたくさん。
オーロラ観測はもちろん、アイスケーブなどの氷河探索、豪快な滝や間欠泉が楽しめるゴールデンサークルなどアクティビティに欠くことはありません。
アイスランドでは街を離れると公共交通機関がほとんどないため、基本的に大自然を満喫できる郊外の観光はツアーに参加するかレンタカーを利用することになります。
そんな時にオススメなのがアイスランド政府公認の観光案内所 Guide to Iceland(日本語対応)。
信頼できる現地ツアー会社により行われる少人数制のオーダーメイドツアーからコスパ重視の団体ツアーバスまで通年様々なアクティビティが紹介されています。
なかなか訪れることのできないアイスランド、せっかく訪れたからには隅々まで堪能してみてください!
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