アイスランドといえばその手つかずの大自然が大人気であるとともに、冬はなんといってもオーロラの観測ポイントとして有名。
世界中からオーロラハンティングに観光客が訪れます。首都レイキャビクからは多くのオーロラツアーが毎日催行されており、気軽にオーロラを楽しむことができるのが特徴。
今回、オーロラ観測ツアーの1つに参加したのですが、ホスピタリティの高さにびっくり。今後オーロラツアーを検討している方へ是非おすすめしたいクオリティでしたので、ツアーの様子をレビューします。
1. 出発前オーロラ予報
私がオーロラツアーに参加したのは、12月中旬。一般的には天気が悪いことが多く、オーロラ観測には適さないとされる時期です。
ですので、少しでも観測チャンスをあげるためにレイキャビク発着のオーロラハンティングツアーに参加してみました。意気込みとしてはトップ画のような息を飲むオーロラを求め、、、
今回申し込んだオーロラツアーは「ロングタイプ」と呼ばれるもので、ツアー開始してから元の場所に戻って来るまでの所要時間は7−8時間程度の設定。
他のオーロラツアー(3〜4時間)と比較するとかなり長い時間があるため、よりいい気象条件を求めて広範囲を移動し、また長い時間粘ることができるという体育会系のツアーです。
今回はアイスランド滞在はわずか2泊3日と滞在日数が少なく、しかも天気もあまりよくなかったこともあって、オーロラロングツアーにかけてみたのですが、結果としてはこれが大正解でした。
現地天気予報
ロングオーロラツアーに望みをかけた理由の1つは天気。当日の天気予報はというとこんな感じ。
残念。まったくついてません。
雨、雨、さらに雨が続きます。もちろんオーロラは晴れてないとみれませんので、雨ではホープレス。これでは市内レイキャビクでの観測は不可能ですが、一方オーロラを見ずに帰国するわけにもいきませんので、ここはツアーの出番です。
雲情報
アイスランドのオーロラ観測において、まずチェックしたいのがこちらのサイト。リアルタイム情報も含め、どの程度雲がアイスランドを覆うのか、雲の高さや厚さはどの程度なのかを知ることができます。
今回ツアーに参加する予定だった時間帯の雲情報がこちら。簡単にいうと白く抜けているところ=晴れということになります。
レイキャビク(西南)は見ての通り、真緑。つまり分厚い雲が覆っているということで、天気予報からも分かる通りの結果に。そして、運の悪いことにアイスランドのほぼほぼ全域を雲が覆うという観測条件でした。
ですが、北西部にかすかな希望がありそう。ツアー会社に確認を取ったところ、「オーロラツアーは予定通り催行」とのことでしたので、期待を託します。
太陽エネルギー予報
さらに、太陽エネルギー等からオーロラの観測の可能性を予報するオーロラ予報によると、この日はKp index 2とのこと。
詳しいことは割愛しますが、Kp indexの数字が大きいほど(9に近いほど)太陽活動が活発で明るいオーロラが見えるということになります。
Kp index 2というのは低いといえば低いのですが、観測ができないほどではない、とのこと。
2. 出発準備
アイスランドでオーロラハンティングをする一番のメリットは、なんといってもその気温。アイスランドと聞くと極寒の環境を皆さん想像されますが、実はメキシコ暖流のおかげでさほど冷え込みません。
気温もどんなに冷えても−5度程度。北米のような−20度でのオーロラ観測というようなことはまずありえないので、比較的軽装備で観測することができます。
というわけで、予報が気温高めということもあり、実際に着用したのはこの程度。上はH&Mのセーター1枚にダウンジャケット、下はスパッツとジーンズだけ、あとは小物という超軽装備でしたが特に問題ありませんでした(12月中旬)。
スウェーデン北部や北極に近いスヴァーバル諸島でのオーロラ観測をした経験がありますが、その時は−30度弱。それと比べるとアイスランドはオーロラ観測に最適かもしれません。
3. ホテルピックアップ
最終的なツアー発着場のバスターミナルが市街地より少し離れているのですが、宿泊しているホテルからターミナルまでは送迎バスで送ってくれるので心配はありません。
ピックアップ時間に合わせて身支度を整えます。
送迎ミニバス到着
送迎用のミニバスのピックアップ時間が18時半とのことでしたので、時間通りホテル前に待っていると時間通り迎えが来ました。
この時間になると街中に各旅行会社のシャトルバスがたくさん走っていたので、オーロラハンティングツアーのピックアップラッシュだったのだと思います。
しっかりとオンタイムで到着したこともあり、とても信頼できる会社だとこの時点で感じました。
突然雹
アイスランドの天気は本当に気まぐれ。送迎バスに乗るや突然超ヘビー級のミゾレが降ってきました。
運がいいとはまさにこのこと。
これからオーロラをみに行く予定なのですが、幸先不安です。
バスターミナルへ
というわけで、バスターミナル到着。いったんミニバスを降り、最終的な参加手続きやツアー料金を払っていない場合には清算などを行います。
しばらくするとオーロラ観測用の大型バスがバスターミナルに到着。こちらへ乗り込むよう指示がありました。
4. 観測ポイントへ移動
ツアーバスは大型でしたが、参加者は17名ということでかなり広々快適でした。持ち帰り可の毛布や水の配布もあり、ちょっとした国際線の航空機のよう。
今回参加したツアーは、一般的な観測ツアーよりも時間の長いツアーということで、オーロラ観測前に時間調整の意味合いもこめて道中のレストランにて軽食サービスがありました。
スープとパンという簡単なものではありましたが、外が非常に寒いこともあり体が温まります。
ここで、ガイドより、1時間ほど待機する旨の説明がありました。理由は、こちらの図。
この時点でのオーロラのピークがスカンジナビアの上空にあり、地球の自転を考えてあと2時間後にオーロラのピークが来る、との読みからでした。
私もオーロラ観測に役立ちそうなアプリやサイトのチェックはしていましたが、やはりツアードライバーやガイドもこのようなデータを駆使してオーロラ観測に最適な時間や場所を考えているようでした。
5. 観測ポイント到着
レストランでの休憩を終え車を飛ばすこと約2時間半。
道中は土砂降り、豪雪、雹、からの雨と、絶望的な天気でしたが、観測ポイント直前のトイレ休憩場所に到着した数分後、空が晴れ星が出ました。
グーグルマップをチェックしてみるとここ(上: 青丸)にいました。
先ほどのオーロラ予報サイトでの雲情報でいうとこの通り(赤丸)。さすがオーロラハンティングツアーだけあって、見事に雲の抜け目を狙って観測場所を選んでいるようです。
トイレ休憩後、人工の明かりがない場所まで少し移動し、こんなところバスとめて大丈夫か?というような未舗装の田んぼ道にバスを無理やり止め、オーロラの出現を待ちました。
6. 観測
結論から言うと、オーロラ予報の示していた通り太陽活動レベルが低く期待するほどのオーロラ爆発とはなりませんでした。
とは言っても空が晴れただけでも幸運。とても美しい星空が広がっておりそれだけでもかなり感動。
またこの日は月明かりがなかったことも幸いし、肉眼でもなんとかオーロラの観測をすることは可能でした。
実際のところ肉眼では写真のようにはっきりと色が見えるというほどではなく、うっすらと白い帯が見える程度という感じではあったのですが、幸運にもカメラを持ち込んでいたためはっきりとオーロラの存在を認識することができました。
その後、同一地点で40分ほど観測タイム。
驚いたことに、ほとんどの参加者がスマホカメラやコンパクトデジカメしか持っておらず、長時間露光のできる一眼(ミラーレス)カメラを持っている人は参加者17人のうちたったの2人のみ。
道中バスガイドの方から紹介があったのですが、スマホでも長時間露光が可能なアプリがあるので、カメラの用意ができない方はそういうアプリをダウンロードしておくことをお勧めします。
オーロラ観測に役立つスマートフォンアプリについてはこちらの記事で紹介しています。
そんなわけで、オーロラ活動が弱かったことから、カメラを持っていない殆どの参加者は空ではなく私のカメラのモニターをみて喜ぶという不思議な光景が広がりました。
肉眼では薄い雲という感じで、色までわかるほどの規模ではありません。太陽活動がもっと活発だと肉眼でも緑や赤など色をしっかりと把握でき、オーロラが空一面にダンスするのがはっきりと見えます。
その点は太陽活動は自然現象とはいえ、あらかじめアプリなどで活動レベルの高い日を選んでおくことで観測の可能性を高めることができるはずです。
今回幸運だったのは、オーロラのレベルにガイドも満足していなかったようで、「今回はオーロラの観測が出来なかったことにして、次回オーロラツアーに参加する際は全員参加費無料にする」と振り替えができるようにしてくれました。
深夜に8時間という超長丁場ツアーだったのにもかかわらず、参加者にアイスランドの美しいオーロラを見て帰ってほしいという思いのもと、無料の振り替えを用意してくれる非常に良心的なツアーでした。
個人的には初観測としては非常に満足で、幸いにしてまともなカメラをもっていったこともあり楽しむことができました。
次の機会にさらなるオーロラ爆発を期待したいと思います。
7. 最後に
ひたすら雲の切れ目を探してバスを運転してくれ、さらにオーロラを一応観測することはできたにもかかわらず、次回分を無料にしてくれたりと非常にホスピタリティの高いツアーでした。
ガイドも非常に親切丁寧で、明らかに苦手そうな英語で必死に頑張ってガイドをしてくれましたし、トイレ休憩がてらツアーには本来含まれていない天然の間欠泉に立ち寄ってくれたりと十分に満足することができました。
是非、アイスランドに冬訪れる際にはオーロラツアーを楽しんでみてください。
私もアイスランド再訪する予定ですので、その際はオーロラ爆発見れるように期待しています!→その後見れました!(トップ画)
アイスランドは首都レイキャビクなど一部の都市を除いて手付かずの大自然が広がっており、行くところ行くところで息をのむ絶景がたくさん。
オーロラ観測はもちろん、アイスケーブなどの氷河探索、豪快な滝や間欠泉が楽しめるゴールデンサークルなどアクティビティに欠くことはありません。
アイスランドでは街を離れると公共交通機関がほとんどないため、基本的に大自然を満喫できる郊外の観光はツアーに参加するかレンタカーを利用することになります。
そんな時にオススメなのがアイスランド政府公認の観光案内所 Guide to Iceland(日本語対応)。
信頼できる現地ツアー会社により行われる少人数制のオーダーメイドツアーからコスパ重視の団体ツアーバスまで通年様々なアクティビティが紹介されています。
なかなか訪れることのできないアイスランド、せっかく訪れたからには隅々まで堪能してみてください!
ブログ大変参考になりました。
4月にアイスランド旅行を考えているのですがシーズン下旬のため不安で、ご紹介頂いているツアーに参加したいと思っています。
参加したツアーの会社名などお分かりになれば教えて頂けると大変ありがたいです。
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。
4月はアイスランド観光という意味ではベストシーズンです。が、おっしゃる通りオーロラとなると日照時間の問題でかなり厳しいのが事実です。
私が参加したのはGreylineという会社のものですが、4月下旬となるとツアー会社で選ぶというよりはオーロラツアーをやっている会社を探す必要があるかと思います。
https://guidetoiceland.is/のHPから日にちを選択して参加可能なオーロラツアーを一括検索できるので調べてみてください。
はじめましてー この6時間の ツアーは
どの ツアーでしょうか??
リンクをみると4時間コースしかなかったのですが
6時間コースのもので
とにかく 地図をみながら 天気の穴場を
めぐってくれるツアーに参加したいです。
リンクがあれば教えてくださいませんか??
宜しくお願いいたします
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り今の所掲載がありません。まだオフシーズンでオーロラシーズンまで時間があるので全てのツアーが出揃ってないんだと思われます。
もう少しシーズンに近くなってから(夏明け頃)再度チェックしてみてください。
大型バスのものだと行き先が固定される(小さな道路に入りづらい)などあるため悪天候の場合のチャンスが少なくなります。また参加人数が多いほど人通りも増えるので撮影などを考えている場合には不適です。
現状だとこのような足回りの早いマイクロバス少人数制(10人以下)のようなものが一番おすすめかと思います。
https://guidetoiceland.is/ja/book-holiday-trips/northern-lights-comfort?a=67719