IELTS勉強中のみなさん、はかどっていますか?
最近頂く質問に多いのが、IELTSのリスニング・Speakingの7.0をとった直後の場合、どの程度日常で英語が使えますか?というもの。
IELTS7.0というと、そのスコアの難易度から英語ぺらぺらでスゴそう!なんていうイメージを持っている方がいますが、実際はどうでしょうか。
今回はその答えを具体例を元にお教えいたします。
1. 一人旅行
一人旅に出よう、なんてなっても全く問題ありません。
- チェックインしたいです。
- おすすめのレストランは?
- 電車の切符が・・・
- 値段おかしいぞこれ!
いずれも問題なくコミュニケーションが取れると思います。IELTS7.0を取れるレベルであれば、海外旅行をするにあたって、何か困るようなことはほとんどないと思います。
2. 飛行機アナウンス
英語圏の航空会社
英語圏の航空会社を利用した際には、機内アナウンスも含めて大体はクリアに聞こえるレベルになっているはずです。外資系航空会社に多い、アナウンスの際にちょっとしたジョークを交えてきたりなんていうのも理解出来て、他の乗客とクスっと笑うことも出来るはず。
ただ時たまLCCなどで出くわすアクセントの強いまま話すCAの会話の理解は困難を極めます。スコティッシュなまり、アイリッシュなまり、リバプールなまりあたりが来ると、もはや英語として認識できないこともしばしば。
非英語圏の航空会社
ヨーロッパを旅行していると、非英語圏の航空会社を利用することも多くなります。その場合、CAは母国語訛りのある英語を使用してきますが、スペイン系、デンマーク系、ダッチ系のCAのアクセントが個人的には苦手です。
特に年配のCAの場合は、それ相応に強いアクセントがあることが大概のため機内アナウンスも、いつ最初の言語から英語に変わったのかに気づかない、なんてことも。
2. ちょっとした会話
よくSmall Talkと言いますが、ちょっとした世間話程度であれば大体は問題なくいけます。
- 天気が悪いね
- どこからきたの?
- 何日滞在するの?
- 日本に来るならオススメは・・・
いわゆる旅先で出会った人と、少し話す程度であればなんとか問題なくいけると思います。一方で、表現の幅というものの狭さを痛感することもあります。
例えば景色を見て、こちらが
「really nice!」
と言っている横で
「breathtaking」なんて言われた暁には英語力の無さを痛感することになるはず。
3. 大人数の授業
大学の授業などで、大きなホールで講義がある場合、プレゼンテーションの原則に則りレクチャラーもそれなりにゆっくり話しますので、ある程度基礎知識のある分野でしたら理解はさほど問題なくできるはずです。
ただ、専門用語等については、それなりに別途理解しておく必要があります。
この時英語力の無さを痛感するシチュエーションとしては、ノートテイキング。
日本では綺麗なノートを取れる方でも、ノートの取り方についてのトレーニングを受けてないと、英語の授業ではキーワード集のような薄っぺらいノートを作ってしまう可能性があります。
もちろん誤字脱字、文法エラーは多発していますし、そのノートだけで復習するのはほぼ不可能というレベルですので、録音等しておくことをおすすめします。
4. 少人数のワークショップ
リアルタイムでどんどんと話が進んでいくディスカッションではかなり劣勢に立たされる可能性があります。これは、英語力だけの問題ではなく、日本人の遠慮の気持ちが影響しているような気もします。
いずれにせよ、何かを言おうとして少し考える間に話が進むので、なかなかディスカッションに積極的に参加できずに終わってしまう、それによって低い評価になってしまう可能性もあるので要注意です。
一方、ラテン系の学生は内容のないことをいつまでも話している傾向もある一方、よく頭の中で考えられた核心的な意見をサラっと日本人は言う、とよく言われたりします。ですので、持っている意見はディスカッションの中のどこかで必ず発言するように心がけて見てください。
両方のバランスが取れるようになって来るには少し時間が必要です。
5. 英語で映画
これは、IELTS7.0を取り立てのレベルでは太刀打ちできません。
映画の中では非常に早く話しますし、またリンキングやスラングなど、IELTSの勉強とは関係のないことも多く、慣れが必要です。
語彙力自体はある程度追いついていることが多いので、その発音をしっかり聞けるようになるには、何度も英語フィルムを見続ける他ありません。
6. 非英語圏人との会話
これは意外になんとかなります。もちろんアクセントの問題や、話すスピードの問題もありますが、大抵の場合比較的円滑にコミュニケーションができるはずです。
特に一緒にバーに飲みにいったりすれば、それなりに会話も盛り上がります。個人的な意見ですが、英語が不慣れな日本人とは、イタリア人のアクセントや話すスピードと相性がいいように思います。
英語をほぼネイティヴ並みに使いこなす非英語圏の人との会話はもちろんレベルが上がりますが、それでも難しい表現やスラングを使う回数が少ないため、ついていけないと言うことはないはずです。
7. ネイティヴとの会話
英語のネイティヴスピーカーとの場合(英語の先生のような人を除く)、1対1の場合はこちらの英語力を悟って、比較的ゆっくりはっきり話してくれるのでコミュニケーションに問題はないと思います。また、理解できなくても繰り返してもらえばいいので、さほど難しいとは言えません。
一方、ネイティヴが3人以上集まり、いわゆる「ネイティヴ同士の会話」になってくると太刀打ちができなくなってきます。
全く聞き取れない、聞き取れても理解が追いつかない、あるいは言いたいことが言えない、という具合になってくることが多いように思います。
また下手に入り込んで会話を止めたくない、なんていう日本人の謙虚さがさらにコミュニケーション能力を妨害したりします。
8. バーでの酔っ払いとの会話
不可能です。
聞き取ることさえも不可能です。特にネイティブはもともと言い回しや表現方法が多様なだけでなく、出身地や社会階級によっても独特な訛りがあるのが普通。
アイルランドのような訛りのある国では、相手が酔っていると英語とさえ認識出来ないかもしれません。
最後に
IELTS7.0のレベルっていうのは残念ながらこの程度です。
所詮、非常にクリアに録音されたテープレコーダーを聞いても満点が取れないレベルですので、そこにアクセントやらスラングやら、音の消失やリンキングなどが入ってこれば、頭が追いつかないのは当然と言えば当然の結果です。
IELTSは英検やTOEICと比べれば、より実践に近い試験ではありますが、それでもまだまだ試験の領域からは脱しません。
ですので、IELTS試験で目標をクリアした後は、リアルな英語力をつけるトレーニングをしていくことをお勧めいたします。
音の連結や消失などは、試験の勉強をしている限り触れる機会がなかなか無いので、日本で勉強される際には実践により近い教材を使って、海外にいるのであればなるべくネイティブと話す時間を作って、自分の耳を「鍛えて」いってください。
IELTSの対策とリアルな英語力を同時に鍛える方法の1つに、「シャドーイングを1.5倍速で常に行う」と言うものがあります。
あくまでベースはIELTSの対策にありますが、この方法に慣れておくと実際の試験では非常に再生がスローに感じると思いますし、速さに慣れるというのは、日常英会話に移った後に役に立ちます。
リーディングの勉強をしっかりした方であれば、ある程度日常で使う語彙力はあるので、純粋に「耳」さえ英語に対して順応してこればその後の上達は早いはず。
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