アイルランドの首都ダブリンで最も有名な場所ともいえるテンプルバーエリア。
アイリッシュパブの聖地ともいわれる「The Temple Bar」というお店を中心に数多くのアイリッシュパブが立ち並び、日夜を問わずお酒と音楽を楽しむ人が集まります。
ダブリンを訪れる人の全ての人が立ち寄るという人気エリア、今回はダブリンでの短期留学経験のあり定期的に訪れることがある筆者がテンプルバーの情報や楽しむためのコツと注意点を紹介します。
1. テンプルバーの概要
ダブリンの観光客に最も人気で巷で言われるテンプルバーは「The Temple Bar」というアイリッシュパブ。
そしてこのパブを囲むように周囲に数多くのアイリッシュパブが建ち並んでおり、このエリアを全般的に「テンプルバーエリア」と呼ばれます。
The Temple Barはダブリンで1840年から続くアイリッシュパブの聖地と言われており、ダブリンを訪れる観光客に大人気。
事実、このパブにいるほとんどの人は皆観光客と言われており、The Temple Barのギネスビールがアイルランドで最も高く設定されている典型的な「ツーリストトラップ」という側面もあります。
ですが、その雰囲気は随一でここでしか味わえないというのも事実。なので観光客はトラップであることを知っていながらもあえてここに集まるという現象が起こっています。
2. 昼も夜も賑わう音楽とお酒の聖地
テンプルバーエリアは音楽とお酒の聖地。多くのアイリッシュパブでは日中から夜までアイリッシュミュージックを中心としたライブミュージックを行なっており、1日を通して楽しい雰囲気が漂うエリアです。
特に金曜日や土曜日の夕方以降はテンプルバーエリアは大混雑となり、パブに入りきらない客が路上に溢れるなんともいえない独特の雰囲気を作り出しています。
お店の中からは音楽が漏れ、場所によってはお客さんを含めて大合唱になっているところや、ディスコのようになっている場所もあったり。
若い人も多いですが年配の人も見られ、国籍や年齢に関係なく老若男女皆が楽しく集えるエリアです。
3. 見逃せない冬のライトアップ
このテンプルバーエリアが1年で最も眩しく輝くのがクリスマス前の時期から1月にかけての冬の時期。
もともとアイリッシュパブはユニークな装飾しているお店が多いですが、特に冬はド派手なライティングが施されます。
クリスマスイルミネーションでなくても各お店それぞれイルミネーションをつけたり、店内のデコレーションをしたりと愉快なアイリッシュパブの雰囲気をより強く感じることができるはずです。
4. アイリッシュフードを楽しめるグルメエリア
テンプルバーエリアにはパブだけではなく、アイルランドのローカルフードを楽しむことができるダイニングバー・レストランも数多くあります。
特にダブリンでおすすめなのはアイルランドでつくられ世界的に有名なギネスビールを使ったビーフシチューや、ギネスビールを衣に使ってサクサク感を出しているフィッシュアンドチップス。
アイルランドで水揚げされたサーモンやアイリッシュラムも人気です。
料理のレベルが高く、人気観光地の中にありながらも料金も良心的なお店が多いので食事をするのにもおすすめです。
5. テンプルバーで楽しめるお酒
アイルランドはパブ文化が根強くあるお酒好きの多い国。
テンプルバーエリアでは大規模なパブが多く、アルコール類の品揃えも豊富なお店が数多くあります。特にアイルランドならではのローカルビールやウイスキーの品揃えは目を見張るほど。
一方カクテルなどは作るのに時間がかかり混雑度の高いテンプルバーエリアではあまりスマートではありません。
日本では飲むことができないアイルランドならではのお酒に是非トライしてみてください。
5-1. ビール
アイリッシュパブで最も人気の飲み物といえばやはりビール。テンプルバーエリアでは世界各地のビールを楽しむことができますが、最も有名なのはダブリンに醸造所があるギネスビールです。
非常に滑らかなスタウトビールで、ダブリンで飲むギネスビールは全て醸造所から直送のドラフトビールなのでその味も世界のどこで飲むより美味しいと言われているんだとか。
他にもアイルランドで有名なビール、キルケニー Kilkennyやスミスウィック Smithwickなどアイルランド産ビールだけでも多数種類があります。
5-2. サイダー(シードル)
アイルランドの夏の飲み物として大人気なのがブルマーズ Bulmersというアイリッシュサイダー。甘さ控えめでシャープなリンゴのサイダー(シードル)で、こちらもギネスビールに次いでよく飲まれています。
ビールが苦手という方や、少し甘さのあるものをという方におすすめです。
5-3. アイリッシュウイスキー
アイルランドは名前の通りアイリッシュウイスキーも有名。ダブリンには数多くのディスティラリーがあり、各社それぞれが世界的に人気なウイスキーの銘柄を生産しています。
アイリッシュウイスキーとして最も知られているのが「Jameson ジェイムソン」。ダブリンで1780年に設立され現在はアイルランド西部のコークに拠点を移して高品質なウイスキーを生産しています。
その他様々なウイスキー銘柄が各パブに用意されているのでお勧めを聞いてみるのもおすすめです。
ウイスキーを注文する際は飲みたい銘柄を伝え、必要に応じて「with ice(氷割り)」「with soda(炭酸割り)」「with water(水割り)」「Straight(ストレート)」と付け加えます。
5-4. アイリッシュコーヒー
パブで食事を楽しんだ後など最後の締めにおすすめなのがアイリッシュコーヒー。コーヒーにジェイムソンなどのアイリッシュウイスキーを入れたもので、特に寒い冬におすすめ。
それなりにウイスキーのテイストを感じられる濃さでありながら、コーヒーとクリームでマイルドになっているので普段ウイスキーが苦手な人であってもトライしてみてください。
体が芯から温まるドリンクです。
ちなみに、甘いコーヒーリキュールを使ったものは「アイリッシュクリーム」「ベイリーズコーヒー」などと呼ばれ別物ですので注意してください。
6. テンプルバーエリアの楽しみ方
ダブリンに留学経験のある筆者が、テンプルバーエリアを楽しむ上でのコツとちょっとした注意点を5項目紹介します。
6-1. 狙い目の時間
テンプルバーエリアの混雑具合は一般の人の想像を超えるもの。特に人気のThe Temple Barに入るには時間帯をしっかりと考える必要があります。
アイリッシュパブは金曜の昼間以降から土曜夜にかけてが一番混雑する時間。
またテンプルバーエリアを訪れる多くの人が観光客ということもあり、平日であっても5時以降は毎日かなりの混雑が見られ、ゆっくり楽しみたいのであればこの時間を避けることが重要です。
特にライブミュージックを楽しむことができるステージが見える座席などは皆かなり早い時間から居座っていることが多く、夕方以降は足の踏み場もないほどの混雑になります。
狙い目は日曜日の昼以降や平日の4時より前。この時間であれば座席やテーブルを確保したり、ライブミュージックを比較的近い位置で楽しむことができる可能性が高くなります。
ただし、夜の足の踏み場もないほどの混雑もある意味でテンプルバーエリアの見どころなので、そういう雰囲気を楽しみたいと言う方は週末であっても夕方4時頃から店内に入っていれば多少のスペースを確保できるはずです。
6-2. 人の交流が生まれる場所
お酒が入ると気分が良くなるのは世界共通。そこにライブミュージックが入ればなおさらのことです。
テンプルバーに集まる人の多くは世界から集まった観光客で皆好奇心が旺盛で社交的。隣に座っている(立っている)人と簡単な会話が始まったりすることもいたって普通のこと。
英語でのやりとりとはなりますが、どこから来たの、どこ行った?などスモールトークもせっかくの機会なので楽しんでください。
6-3. 歌を覚えよう
ダブリンに来る人の多くは皆アイリッシュパブやアイリッシュミュージックが大好き。特にダブリン生まれの伝説的なバンド「Dubliners」のファンは多く、ライブミュージックでもかなり演奏されています。
人気曲となると自然と客席から歌い出す人が現れ、気づけばパブの中で大合唱となることも。ダブリンを象徴する歌を1−2曲知っていると、テンプルバーエリアでの経験がより一層楽しいものになるかと思います。
最もアイコニックでダブリンの非公式曲とも言われているのが「モリーマロン Molly Malone」というダブリンで魚や貝を売っていた少女の歌。メロディも簡単で覚えやすいので是非こちらの記事で学んでみてください。
6-4. お酒1杯はマナー
当たり前のことですがアイリッシュパブを訪れる場合に何か1杯頼むのはマナー。しばし何も注文せずライブミュージックだけを聞いている観光客(主にアジアから)を見かけますがマナー違反です。
いくら混雑していてもパブの中での時間を過ごすのであれば何かしら1杯は注文してください。
通常のビールグラス1杯分の時は「a pint of 〜(例: Guinness), please ア パイント オブ ギネス, プリーズ」と、ハーフグラスを希望する場合には「a glass of 〜, please ア グラス オブ〜」とカウンターの店員に伝えてください。
アイリッシュパブでのマナーについてはこちらの記事もご覧ください。
6-5. 酔っ払いには気をつけて
どうしても避けて通れないのがお酒に起因するトラブル。
特に週末は泥酔している人や悪酔している人も残念ながら見られるため、特に女性の方は十分に注意が必要です。
路地に入ると寝ている人や放尿をしている人などもいたり、中には大声を上げながら千鳥足で歩いているような人もいます。日が暮れた後にダブリンの街(特にパブが多く集まる場所や中心部)を歩く際には周囲の状況に注意を払ってください。
最後に
ダブリンを満喫する上で絶対的な鍵となるテンプルバーを紹介しました。
いつどの時期に訪れても音楽とお酒を楽しむ人の笑い声が鳴り響く愉快なエリア。
アイリッシュパブの聖地とも呼ばれるThe Temple Barで聴くアイリッシュミュージックの生演奏は一生の思い出になること間違いありません。
他の観光客の人と一緒に是非体を揺らしながらその雰囲気を楽しんでみてください。
公式HP: thetemplebarpub.com
住所・マップ: 47-48, Temple Bar, Dublin 2, D02 N725, Ireland
営業時間
月 ~ 水: 10:30 a.m. ~ 1:30 a.m.
木 ~ 土: 10:00 a.m. ~ 2:30 a.m.
日: 11:00 a.m. ~ 1:00 a.m.
日本からダブリンへの行き方
日本からアイルランドへの直通便はないため乗継便を利用することになります。おすすめはブリティッシュ航空やJALの直行便でイギリスに入国後、そこからアイルランドの格安航空会社ライアンエアーを使うルート。
ライアンエアーは他社との連携がないためロンドン〜ダブリンの航空券を別途取る必要がありますが、運賃は安い時ではなんと1000円程度。本数も多く観光で利用がしやすいルートとなっています。
ロンドン〜ダブリンの航空券検索はこちら:スカイスキャナー
最近になってティンホイッスルを始めました。やはりテンポが良いと慣れやすいですね。
現地にいけるのはいつか解りませんがここの動画でテンプルは行きたいと再認識しました。
テンプルバーはほとんど観光客しかいない”トラップ”ってわかっててもやっぱり楽しくて行っちゃうんですよね。
是非いつか本場を楽しんでください!