スロバキア全土には数多くの古城があることで知られ、保存状態のいいものから荒廃してしまっているものまで様々。
そんな中、古城をホテルとして修復・改修し次の世代へと残そうとする試みがあり、今見事に観光客や地元スロバキアの人に愛されている古城ホテルがスロバキア北部にあります。
内部はまるで中世の世界観、そんなユニークなホテル、シャトーグランドキャッスル Chateau GrandCastleを紹介します。
1. シャトーグランドキャッスル概要
シャトーグランデキャッスルはスロバキア北部ハラードク地域にある古城を改修した4つ星ホテル。
もともと荒廃していた古城と併設されていたマナーハウスをオーナーが買い取り、その後保存可能な場所を極力残しつつ、壮大なプロジェクトを経てホテルに改修されました。
シャトーグランデキャッスルの歴史
シャトーグランドキャッスルは2つのパートから構成されており、ゴシック様式の城部分とそこに隣接するルネッサンス様式のマナーハウスから成ります。
お城部分の歴史は14世紀にまで遡ります。中欧から南部や東部ヨーロッパを結ぶ主要な貿易ルートを統治するための城として建てられたのがはじめとされています。
マナーハウス部分は17世紀初旬に建てられたのが起源、1階部分は使用人の住居や商売のために、2階部分より上はこの城を統治していたオーナーやそのゲストなどにより使用されていました。
城の統治主は何度となく変わり、特に城部分は1803年による大火で激しく損傷、マナーハウスのみがその後役割を変えながらなんとか維持されてきていたようです。
2001年に現在のオーナーが城とマナーハウス部分を買取り、ホテルとしての修復と改装を決断、その後様々な投資を受け2004年にかけてマナーハウス内部が整えられました。
城部分は現在も一部で修復が続いていますが、現在は見事なまでの再生を遂げた姿を見せてくれています。
ブラチスラバからのアクセス方法
スロバキア首都ブラチスラバからアクセスする場合は車が不可欠。約300km、道路状況にもよりますが時間にして約3時間程度離れています。
ブラチスラバから国道(高速道路)E75号線を使うと、道路幅も広く綺麗に整備されていて運転しやすいのでおすすめです。
鉄道を使ってのアクセスも可能ですが所要時間が5時間近くと非常にかかり、また最寄り駅からも若干離れているので現実的とは言えません。
ホテルはタトラ山脈に近い場所にあり、道中には観光名所も多くあるためスロバキアでのドライブ旅行の合間にステイするのがおすすめです。
2. ホテル客室レビュー
ホテル内部にはスタンダードのダブルルームからアパートメントタイプ、スイートルームなど大小様々な客室が用意されています。
今回宿泊したのは定員2名のプレミアムダブルルーム。ホテルのスタッフの方曰く、数少ないオリジナルの天井画が残っている貴重な部屋とのこと。
客室内は中世の雰囲気を残しつつもしっかりとリノベーションされており、宿泊するに際しての不便は何も無し。客室にはエアコンも完備されていました。
また部屋にはコンプレメンタリーの水のボトルとコーヒーや紅茶も用意されており、4つ星ホテルとして遜色無し。
バスタブが設置されたバスルームにはアメニティ一式(ソープ、シャンプー、ボディーローション)も用意されています。
大手ホテルのような豪華さはもちろんなく、設備もやや手作り感のあるゲストハウスという雰囲気がありますが、1泊の短期滞在客が主であることを考えると十分に思えます。
もちろんこのホテルに泊まる人の多くは、古城に泊まるということを目的にしているので客室の雰囲気はその希望に叶うものになっています。
3. マナーハウス内部ツアー
このホテルに宿泊するメリットの一つは、宿泊客は自由に敷地内を散策することができるということ。
ホテルとはいっても古城であるため、内部はまるで博物館のようになっています。宿泊者ではない一般向けにガイドツアーも行われているようですが、こちらはスロバキア語のみということ。
ストーンギャラリー
175平方メートルという広い敷地面積を持つホテル最大のホールで、結婚式やビジネスミーティング、ソーシャルイベントなどで使用されるというストーンギャラリー。
元々残されていた城壁の一部をそのまま使ってリノベーションされたようです。
ストーンギャラリーに併設して小さな控室部分もありました。クラシックな内装で統一されています。
ボールルーム
ストーンギャラリーの前にはラウンド上の天井が特徴的な定員30名のボールルームが用意されており、こちらはイベント時のコーヒーブレイクやカクテルリフレッシュメントに使われるとのこと。
スパ・インドアプール
マナーハウス1階部分には古城ホテルからは想像もできない立派なインドアプールとスパエリアも完備。
午後3時からということでチェックイン後した使うことはできませんが、温水プールとジャグジー、サウナが宿泊者向けに開放されています。
4. 古城内部ツアー
古城内部も大部分の修復が完了し、自由に散策することが可能となっていました。
ワインセラー
地下部分には石のアーチで囲われたワインセラー。
実際にワインが現在貯蔵されている様子はありませんでしたが、小さなバーカウンターやスクリーンが置かれ、イベントスペースとして使われているようです。
チャペル
シャトーグランドキャッスルはウェディングホテルとしても人気のようで、古城部分には式を挙げるチャペルがおかれていました。
600年以上の歴史があり当時の姿をそのまま残す場所で結婚式を挙げられる、ということで縁起がいい場所として人気があるそうです。
展望台
古城最上部には螺旋状階段を使って登ることが可能。上からは360度エリア周辺を望むことができます。
周囲は緑に囲まれ、遠方にはうっすらとタトラ山脈を望むことができます。
5. レストランレビュー
ホテルに併設して17世紀の城主の名前を関したReštaurácia Magdaleny Zaiというレストランがあり、朝食ブッフェ会場となっているだけではなく、ランチ・ディナーは一般客向けに営業されています。
ホテル周辺にはレストラン等はあまりないので、宿泊時はこちらのレストランでディナーをいただくことになるかと思います。レストランとしても評価が高く、Googleのレビューでも料理の質とサービス共に高い点数がついています。
ディナー
このレストランの名物はスロバキアの伝統・定番料理。
今回はシュニッツェルとローストポークを注文。ホテル内のレストランとはいえ、このエリアを代表するレストランということもあり、どちらもリーズナブルながら非常に美味しいものでした。
デザートメニューも豊富。スロバキアの伝統的なポテトのダンプリングにポピー(ケシ)のタネをまぶしてブルーベリーと共に甘く煮たŠúľanceがこのレストランの名物デザート。
またレストランの名前を取った城の形をかたどったケーキもありました。
朝食ブッフェ
朝食ブッフェは朝8時からとホテルの朝食としては遅め。そんなこともあり、朝食の提供が開始されると同時に大部分の宿泊客がレストランに移動するためやや混雑している印象でした。
朝食のサービスも4つ星ホテルに見合うものになっています。
朝食メニューは大きなホテルのブッフェと遜色なく、スクランブルエッグやベーコン、ソーセージが複数種類といった定番のホットミールと、ハムやサラダといったコールドミール、またペストリーが複数用意されていました。
6. まとめ
なかなか他の国では体験することの難しい古城でのステイ。スロバキアには数多くの古城がありますが、ホテルとして改修されたものは少なく、シャトーグランドキャッスルは代表的な古城ホテルの一つです。
まるで中世にタイムスリップしたかのようなクラシックな内装が施されている一方、スパエリアがあるなど4つ星ホテルとしての設備も整っている観光客に人気のホテル。
是非スロバキア周遊旅行をされる際には一泊体験してみてください。
ホテル名:Chateau GrandCastle
住所:Ulica Magdaleny Zai 1, 033 01 Liptovský Hrádok
ホテルランク:4つ星
予算:1泊89ユーロ〜(プレミアムルーム)
公式HP:https://grandcastle.sk
海外旅行をする人が必ず持つべきクレジットカードの決定版は?
国際ブランド、付帯保険、旅行中の特典、カードを選ぶポイントは様々。
海外40ヵ国以上を訪れた旅のプロがヨーロッパ向けクレカの選び方とおすすめを伝授している人気記事をチェック!