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意味深!フィンランドの子供がダンボールベッドで眠る理由

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フィンランドでは妊娠の届けをすると、フィニッシュベイビーボックスと呼ばれる新生児用の子育て道具一式が地方政府より寄贈されます。

この世界的にも珍しい制度について、イギリス最大手メディアであるBBCが「なぜフィンランドの子供はダンボールの中で眠るのか」というタイトルで、フィニッシュベイビーボックスとフィンランドの乳児死亡率や育児制度との関連を紹介していました。

フィンランドにおける子育てへの考え方がわかるいい記事でしたので、今回は日本語でわかりやすく解説していきます。

1. フィニッシュベイビーボックスとは

出産祝い完全版

フィニッシュベイビーボックスとは、フィンランド政府が妊婦さんに送るギフトボックスのこと。

約40-50種類の育児用品や衣類が含まれており、生後9ヶ月までの育児に必要なものが網羅されています。

その中身は多岐にわたり、衣料品だけでなく体温計や爪切り、授乳補助用品まで。

ベイビーボックス

実際レビューの目的も兼ねて私も友人ら数名と、親友の出産祝いに送りましたがとても喜んでくれました。

そんなフィニッシュベイビーボックスですが中身は時代に合わせて毎年若干変化するものの、唯一変わらないのが外箱である段ボール。

ただのケースと思われる段ボール箱が実はフィニッシュベイビーボックスを構成する重要なコンポーネントになっています。

2. BBCニュースも注目

BBCの記事ページ(2013年)をまずはご覧ください。

ダンボールで赤ちゃんが眠っています

フィンランドの出産祝い

段ボールで乳児が寝ている、この光景一見するとかなり違和感があり驚く光景ですが、実は非常に重要な意味が込められていました。

3. フィンランド政府の出産祝い贈呈の歴史は80年

フィンランドは育児サポートが充実しており、政府が80年近くにわたって、妊婦さんにフィニッシュベイビーボックスをプレゼントするということを続けていいます。

For 75 years, Finland’s expectant mothers have been given a box by the state. It’s like a starter kit of clothes, sheets and toys that can even be used as a bed. 

1938年にフィニッシュベイビーボックスの伝統が始まったとのことで、いかにフィンランドが育児に優しい国かがわかります。そのボックスには衣類やシーツ、おもちゃ、育児用品が入っていますが、それらを入れている箱はいつも必ず頑丈な段ボール箱であるということ。

これは、この箱を、ベッドとして使うため。フィニッシュベイビーボックスに入っているマットレスを箱の底に敷くだけでベッドが完成。4面に囲まれた最高に安全なベッドになります。

4. なぜフィンランドの子供はダンボールで寝るのか

生まれる時は全員平等

It’s designed to give all children in Finland, no matter what background they’re from, an equal start in life.

フィンランド政府のベイビーボックスは妊婦であれば誰でも受け取ることができます。すなわち、人種や職業、移民がどうか等一切関係ありません。フィンランド国内にいる全ての妊婦が対象となります。

よって、生まれた子供は皆この段ボールベッドで最初寝ることになります。難民の子供であっても大統領の子供であっても条件は同じです。つまり、生まれた時点では全ての子供は平等であるということです。

フィニッシュベイビーボックス配布の理由

Some say it helped Finland achieve one of the world’s lowest infant mortality rates. 

このフィニッシュベイビーボックスが実はフィンランドの乳児死亡率の低下に貢献しているんではないかという意見があります。

1938に始まったフィニッシュベイビーボックス制度、当初は低所得者限定だったそうです。しかし1949年にそれは変わりました。その理由が感動モノです。

Not only was it offered to all mothers-to-be but new legislation meant in order to get the grant, or maternity box, they had to visit a doctor or municipal pre-natal clinic before their fourth month of pregnancy.

このフィニッシュベイビーボックスを受け取るためには、政府に妊娠の登録をする必要があります。そしてそれはすなわち、妊娠中に産婦人科にかかったり地域の助産院にかかることで行われるので、出産前検診の促進そのものを意味していることになります。

So the box provided mothers with what they needed to look after their baby, but it also helped steer pregnant women into the arms of the doctors and nurses of Finland’s nascent welfare state.

このフィニッシュベイビーボックスは単に子育てに必要なものを提供するだけでなく、妊婦さんを地域のドクターやナースの目の届く範囲に置いて、地域全体で妊婦さんをサポートしようという考え方に基づいているのです。

本当に素晴らしい考えです。

世界最低水準の乳児死亡率に貢献

In the 1930s Finland was a poor country and infant mortality was high – 65 out of 1,000 babies died. But the figures improved rapidly in the decades that followed.

その成果もあり、フィンランドの乳児死亡率は世界で最低の割合となっています。このフィニッシュベイビーボックスが導入された1930年代、フィンランドは非常に貧しい国で乳児死亡率はなんと65/1000という高水準でした。しかしわずか数十年でこの数値は劇的に完全されることになります。

フィンランドの乳児死亡率

5. 最後に

フィンランドを世界で最高の育児天国にしたフィニッシュベイビーボックスにはとても深い理由がありました。

その中身は時代に合わせて毎年少しづつ変わっているようですが、第2次世界大戦中の物資不足の時でさえ、フィンランド政府は国中から衣料品をかき集めて妊婦さんに贈っていたようです。

最近の内容の変更としては、2006年に授乳ビンが取り除かれたとのことですが、その理由が母乳栄養を推奨・促進するためとのこと。本当に子供のことを考えている国なんだと改めて隣国スウェーデンより感じる次第です。

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ノルウェー、スウェーデン、イギリスに留学・長期滞在。都合がつく限りヨーロッパ各地を渡り歩き、決して観光ガイドだけではわからない現地の情報を収集。そんな情報を元に、ヨーロッパの生の観光情報と留学に必要なIELTS対策を紹介中。