以前マツコの知らない世界で歯ブラシの特集が行われ、その際に歯科予防先進国スウェーデンで生まれたTePeという歯ブラシが紹介されました。
TePeというのは、歯ブラシ等のオーラルケア製品だけでなく医療機器なんかも取り扱っているスウェーデンの大企業の名前です。
このTePeの歯ブラシは実際日本でのシェアはあまりありませんが、スウェーデンではシェア8割に達し北欧では知らない人はいないメーカーの1つです。
今回はそんなスウェーデン発のTEPE製品を、北欧在住(元スウェーデン)歯科医師の私が薬局(Apoteket)で仕入れてきたのでスウェーデン歯科事情もあわせて紹介します。
1. 日本人のオーラルケアの実情
まずはこのグラフを御覧ください。日本人はスウェーデン人と比較して、予防歯科への意識が低いようで、結果として年齢が高くなった際の残存歯数に大きく差が出ています。
また日本人の虫歯平均本数はスウェーデンの1.7〜3.5倍という調査もあります。
スウェーデンだけではないですが、ヨーロッパの方って電車の中とかでリンゴとかかじってるじゃないですか。あの光景はやはり歯が健康だから故なのでしょう。
2. オーラルケアへの意識
1年間に使用する歯ブラシの平均本数です。
- 日本 3.5本
- 韓国 8本
- ドイツ 20本
- スウェーデン 12本
日本人の場合は約3〜4ヶ月に1回の歯ブラシ交換頻度ということです。ところで歯ブラシの毛先にどのくらいの菌が付着しているかご存知ですか?
イギリスのマンチェスター大学の研究では、1ヶ月使用後の歯ブラシの先端にはなんと100000000匹の菌が付着していると報告しています。この数、なんと○便クラス。。。古い歯ブラシを使うよりtotoの便器を舐める方がずっと綺麗かもしれません。
日本で口臭治療の専門家である本田先生の記事によると、
彼ら(欧米人)は、アジア人やヒスパニックは口が臭いと露骨に言っていました。とりわけアジア人でも日本人は臭いらしいです。日本人同士のときは気がつきませんが。今、色々と口臭を治療し研究する立場になって初めて、彼らの言うことが理解できます。
ほんだ歯科(東大阪)
ここまで言われては、なんとかしないといけません。とりあえずまず歯ブラシを新しくして意識変革をする必要がありそうです。私は自分の担当していた患者さんや、家族、もちろん自分自身にもTEPEの歯ブラシを薦めてています。
もちろんスウェーデンびいきなところはあるのですが、それを差し引いてもTepe製品はお薦めです。
3. TePe製品はなぜいいのか
1965年発祥で、現在世界60カ国で販売されているTePeの製品、そこからも信頼の高さがわかります。スウェーデン国内では歯ブラシや歯間ブラシにおいてはシェア約8割と圧倒的な強さを誇っています(2012年の調査)。
その理由は色々あるのですが、最も大きなものとしては、TePeの歯ブラシは元来スウェーデンのマルメ大学という大学で開発されており、その後人間工学も取り入れながら多くの大学の研究によって進化してきたためです。
すなわち、机上の空論で「毛先がこのくらいの方がいいだろう」「デザインはこうしよう」というのではなく、全てが研究ベースの客観的な評価によって開発されているということ。よってシンプルなデザインですが考えつくされており、現状のベストというものを販売しています。これが長い間世界中で愛される理由でしょう。
スウェーデンの歯科医院で薦められる歯ブラシもほとんどがこのTepe製品ということで、プロにも愛されているのも納得です。
4. TePe製品一覧
それでは実際にスウェーデンで手に入るTepe製品を紹介します。
(残念ながら日本では医療機器法(旧薬事法)の関係で手に入らないものもあります。)
歯ブラシ
Tepeの代名詞とも言える歯ブラシ、マツコの知らない世界でも紹介されたものです。
毛先の形や細さ、柔らかさまで色々なタイプが売られています。共通しているのは北欧らしいとも言える「簡素なパッケージ」。
サイズ展開は主に3種類、セレクトミニ(子供向け)・セレクトコンパクト(女性向け)・セレクト(男性向け)。
また硬さはノーマル・ソフト・ジェントルケア(エクストラソフト)とありますが、特段の理由がなければソフトがお薦めです。
磨き心地は初めてとの時はちょっとびっくりするくらい「軽い感じ」で快適でした。少し柔らかい感じがしたので、自分の職業のメリットを生かして赤染してから磨いてみたのですが、しっかりと細かいところまで毛先が届いて磨けていたので、以降愛用しています。磨き心地は巷で言われている通り、本当にいいです。
タフトブラシ
タフトブラシにも種類はあるのですが、一般向けに売られているのがこのCompact Tuftというものになります。この特徴はその細い先端と形。
スウェーデンを始め欧米各国ではタフトブラシの先端はドーム状が基本で、日本で売られているような先端が尖っているものは「悪い例」として紹介されています。
スウェーデンの方々はこのタフトブラシがとても好きなようで、歯ブラシ以上に気合を入れて使います。
理由は、毛先が細いので、「リスク部位にピンポイントで当てて汚れを取れるから」。特に歯と歯茎の境目あたりのケアに重宝されています。
タフトブラシを使った詳しい歯磨きの話は、この本で詳しく紹介されているので興味がある方は是非。いかに普段の歯磨きだけでは限界があるかを教えてくれる本です。
この本の筆者とスウェーデンのつながりがあるのかは不明で、ちょっとオーバーな表現もチラホラ見受けられますが、いずれにせよ、スウェーデン人の歯の健康とタフトブラシは密接な繋がりがあるのは事実です。
フロス
フロスは糸ようじのことです。歯周病にならないようにするためのケアや、歯と歯の間の虫歯予防に絶対的な効果があります。というのも、隣り合う歯同士はくっついているので歯ブラシは通常届かないからです。
一応日本でもTepeのフロスの取り扱いはあるようですが、フロスについてはその他の市販品とそんなに大きくは変わりません。
歯間ブラシ
スウェーデンシェア81%のTepe歯間ブラシ。こちらもカラフルなデザインでおしゃれです。持ち手の長さや角度、毛先の硬さなど様々なバリエーションがあります。
日本は歯間ブラシ使用率は2割程なのですが、スウェーデンでは歯間ブラシを使う人の割合は7割以上と言われており、歯ブラシと共に最も売れるオーラルケア商品であります。
少し歯茎が下がってきたと思う方は3S~2S、歯周病が進み始め歯と歯の間の隙間が空いているかたはS〜M、ゴリラや大型犬の掃除にはL〜XLで選んでください。
歯間ブラシ用ジェル
スウェーデンでは歯間ブラシにつける専用のジェルまで売られています。
歯周病菌の殺菌成分であるクロルヘキシジンと、虫歯予防のためのフッ化物が配合されているのが特徴。
そのためこちらは日本では「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)」の規制のため購入することはできません。
トゥースピック
トゥースピックは、日本でいうところの爪楊枝。スウェーデンでは極めてポピュラーな日々のオーラルケア製品として使われています。
木の形が歯と歯の間に合うように作られており、フッ化物が染み込んでいるので虫歯予防として最適です。一度使うと気持ち良さの虜になります。
残念ながら日本での取り扱いはありません。
舌ブラシ
前述の通り、欧米人はとても口臭に気を使います。その原因はキスの文化やボディタッチの多い国民性だとか。
そんな口臭の主な原因は「舌」。鏡の前でベーってやってみましょう。白い「苔」のようなものがくっついていませんか?
舌苔というのですが、正体は菌の塊です。少量付いている程度であれば正常なのですがその量が増えると口臭の原因になります。よって口臭ケアに最適なのが舌苔のケアというのは歯科界では常識です。
特に服薬や加齢など様々な原因で唾液量が減ってきている人やストレスを抱えている人などは舌苔がたまりやすいことがわかっています。
多少舌苔がついているのは全く問題のない状態なので、やりすぎて舌を傷つけないようにだけ気をつけてください。
5. 最後に
スウェーデンの街の薬局に行って買ってきたものを中心に、スウェーデンでのオーラルケア製品最大シェアを誇るTepeのラインナップをご紹介しました。
そして自分自身驚いたことに、日本でも大抵のものは買えるんだなーということもわかりました。今後、日本国内の薬局等でも取り扱いが増えてくるといいですね。
是非スウェーデン人と同じの歯の健康を手に入れるために、スウェーデン人と同じ道具をつかって、スウェーデン人と同じ意識を持ってケアをしていきましょう!
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