スロバキア第2位の規模を誇る都市で、東部ハンガリーとの国境近くに位置するコシツェ。2013年には欧州文化首都にも選ばれた歴史と文化が詰まった街です。
もともと1993年まではハンガリー領だったこともあり、チェコスロバキア文化とハンガリー帝国文化が入り混じった大変ユニークな特徴のある場所で、観光をしていても首都ブラチスラバとは随分と違う雰囲気を感じることができます。
そんな魅力が多くあるコシツェの中から、実際に足を運んで見て自信を持って皆さんにおすすめできる主要観光名所を15箇所紹介していきます。
1. メインストリート
スロバキア語でHlavnáと呼ばれる旧市街中心部に伸びる通り、英語にするとそのままメインストリートという意味でになります。
日中は歩行者天国になり、主要な観光名所やホテル、レストランが数多く集まる通りなため地元の人はもちろん多くの観光客で賑わいます。
カラフルなこれぞヨーロッパと言えるような建物が一列に建ち並び、首都ブラチスラバとは一味違った雰囲気を感じ取ることができるでしょう。
名称(スロバキア語): Hlavná
名称(英語): Main Street
住所: Hlavná, 040 01 Košice, スロバキア
2. ローワー・ゲート考古学博物館
見逃しがちではあるもののコシツェに来たら是非訪れてほしい場所がローワー・ゲートと呼ばれる博物館。現在のメインストリートのまさに地下にある地下博物館になっています。
12世紀から13世紀頃に要塞都市コシツェへと続くゲートとして作られたもので現在見つかっているゲートの中では最古。
なんと1996年のメインストリート舗装工事の際に発掘されるまでずっと地下に眠っていたという大変貴重な遺産です。
地下博物館は遺跡を発掘したそのままの形で残されており、当時の地下水路や様々な行政に使用されていた区画などを歩いて回ることができます。
名称(スロバキア語): Dolná brána
名称(英語): Lower Gate
住所: Hlavná 10/14, 040 01 Košice, スロバキア
3. コシツェ紋章の像
ローワー・ゲートのすぐ近くに建てられているブロンズ像、コシツェに来たら是非記念写真を撮っておきましょう。
1502年から現在に至るまで使用されているコシツェの紋章を表した銅像で、台座部分にはその起源となった1369年、1423年、1453年に使用されていた紋章も埋め込まれています。
名称(スロバキア語): Socha košického erbu
名称(英語): Andrassy’s Coat of Arms Statue
住所: 040 01 Staré Mesto, スロバキア
4. イマキュラータの像(ペスト記念柱)
18世紀に欧州全土を襲い多数の犠牲者を出したペスト。そんなペストの終焉を記念して欧州では様々な場所でペスト記念柱をみることができますが、コシツェには大変精巧で美しいと評判のペスト記念柱が建てられています。
高さ14メートルの柱の頂上部分には聖母マリアが、そして柱を囲むように3人の聖職者の像が、そしてさらに外周フェンス部分に5人の聖職者の像がデザインされています。
もともとのものは1723年に製作され、その後20世紀に入り世界大戦中のダメージ修復が行われました。
名称(スロバキア語): Súsošie Immaculata
名称(英語): Sculpture Immaculata
住所: Hlavná, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
4. 聖エリザベス大聖堂
コシツェ旧市街の中心部にあり、観光の顔とも言えるのがゴシック様式の大きな建物が特徴のカトリック教会、聖エリザベス大聖堂。
スロバキア最大のカトリック教会であるとともに、ヨーロッパでも最東部に位置するゴシック様式の大聖堂の一つといわれています。
13世紀以降コシツェの街と教会は切っても切れないほど密接な関係にあり、今も文化の中心。1378年に起源となる教会の建設が行われ、その後度重なる増改築を経て1508年に現在の姿になったと言われています。
内部は白を基調とした落ち着いた印象ながら、祭壇周りやスライドグラスの豪華さは息をのむ美しさ。
見学は無料ですが、写真撮影は数ユーロかかるので内部の受付で許可証を購入してください。
5. 聖エリザベス大聖堂鐘塔(北塔)
聖エリザベス大聖堂の裏側に小さな入り口があり、北側鐘塔に登ることができます。
入場可能な時間には、塔へと上がる扉の前にプレハブのチケット売り場が出ているので目印にしてください。
塔へは途中ですれ違うのが難しいほど狭い螺旋階段を登っていきますが、途中にはいくつかの小さな部屋があり、それぞれ塔の作業員の部屋や、鐘の保管庫などもあわせて見学が可能です。
コシツェでNo.1の絶景スポット、旧市街はもちろん街郊外にある共産団地エリアや山々など360度周囲を望むことができます。
6. 聖ミカエルチャペル
聖エリザベス大聖堂のほど近くにある聖ミカエルチャペル。14世紀にゴシック様式で建てられました。
聖エリザベス教会はもともとドイツ・ハンガリー教会として役割が与えられましたが、こちらはスロバキア教会として長い間地域の信仰を支えてきています。
名称(スロバキア語): St. Michael’s Chapel
名称(英語): Kaplnka svätého Michala
住所: Hlavná 21, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
7. ウルバンタワー
聖エリザベス大聖堂の前に建つウルバンタワー。
もともとゴシック様式の鐘塔として14世紀に建設され、その後1775年に特徴の一つであるバロック様式のピラミッド型の屋根が取り付けられました。
鐘は聖ウルバンに捧げられたもので、塔の前に1557年から使用されていた鐘が広場に一般公開されています。
名称(スロバキア語): Urbanova veža
名称(英語): The Urban Tower
住所: Hlavná, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
8. コシツェ劇場・歌う噴水
コシツェ旧市街中心部、ウルバンタワーの近くにあるコシツェの劇場。小規模ながら本格的なオペラ劇場の設備が整っており、通年オペラ、コンサート、劇などが行われています。
また、劇場の前にはコシツェ市民の憩いの場でもある緑あふれる公園があり、そこにはコシツェのちょっとした名物でもある音楽に合わせて踊る噴水があります。
メインストリート上にあり人通りが多いエリアなので夜間も安心、ライトアップされた噴水も一見の価値ありです。
名称(スロバキア語): Štátne divadlo Košice/Spievajúca fontána
名称(英語): State Theatre Košice/The singing fountain
住所: Hlavná 32/58, 040 01 Košice, スロバキア
9. 旧市庁舎
18世紀からコシツェの街の中心として機能してきた旧市庁舎。バロック古典主義様式の建物の外観が特徴的です。
現在内部は特別なイベントで利用されるほか、1階部分は観光案内所となっているのでコシツェを含むスロバキア東部の観光の情報を詳しく知りたい方は訪れてみてください。
名称(スロバキア語): Stará radnica
名称(英語): Old Town Hall
住所: Hlavná, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
10. Hrnciarska通り(クラフトレーン)
コシツェのメインストリートと平行に走る路地、非常に細い通りですが、カラフルで小さな家屋がたち並び、バーやレストラン、クラフトショップが軒を連ねています。
メインストリートと比べると物価も若干控えめでアットホームな雰囲気を楽しめる場所になっています。
名称(スロバキア語): Hrnciarska
名称(英語): Craft Lane
住所: Pri Miklušovej väznici 930, 040 01 Košice, スロバキア
11. ミルクス刑務所博物館
クラフトレーン沿いにたつゴシック様式の2回建の建物がミルクス刑務所。
17世紀から19世紀にかけて実際に刑務所として使用されていた場所で、現在は中世の犯罪・拷問博物館として一般公開されています。
中世ヨーロッパのちょっとミステリアスな歴史に興味がある方は是非訪れてみてください。
名称(スロバキア語): Miklušova väznica
名称(英語): Mikluš prison
住所: Pri Miklušovej väznici 10, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
12. シナゴーグ(ユダヤ教会)
もともとスロバキアには多くのユダヤ人が住んでいましたが、第二次世界大戦中の迫害により数を減らし、今では大きなユダヤ人コミュニティを見ることはほとんどなくなりました。
そんなスロバキアに残る数少ないユダヤ教会の中でも非常に規模が大きく美しいと評判の建物がコシツェの Puškinova通りにあります。
コシツェで有名な建築家Ľudovít Oelschlägerによってデザインされ、1930年頃Hugo Kabošによって建てられました。
教会とユダヤ人学校として使われています。
名称(スロバキア語): Synagóga na Puškinovej ulici
名称(英語): Synagogue on Puškinova Street
住所: Puškinova, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
13. ヤコブ宮殿
コシツェ中央駅やバスターミナルから旧市街中心地へ続く通り沿いにある、非常に独特な外観を持つヤコブ宮殿。
1899年にネオ・ゴシック様式で建設された緑屋根が特徴で、まるでドラキュラ城のような尖塔を見れば思わず足を止めざるを得ません。
チェコ・スロバキア亡命政府大統領が執務に使用したり、イギリス領事館が置かれたりと、スロバキアのれきの中でも非常に重要な役目を担ってきた建物。
内部一般公開はされていませんが現在も地域の重要な行事で使用されています。
名称(スロバキア語): Jakabov palác
名称(英語): Jakab’s Palace
住所: Mlynská, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
14. マーライ・シャーンドル像
マーライ・シャーンドルはハンガリーを代表する作家の一人。
第1次世界大戦〜第2次世界大戦にかけて中産階級文学で最も影響力を及ぼしたハンガリー人の一人と言われています。
1900年にオーストリア・ハンガリー帝国のカッシャ市、現在のスロバキアのコシツェに生まれたこともあり、その活躍を記念した銅像がコシツェ中心部に設置されています。
15. 赤軍ソ連兵慰霊碑
第二次世界大戦中、チェコ・スロバキアはナチスドイツの侵攻を受け消滅、しかしながら戦時中もチェコ・スロバキア再建を目指した亡命政府がパリやロンドンを中心に活動していました。
政治中スロバキアの大部分は旧ソ連に占領されており、終戦が近くなった1945年、チェコ・スロバキア亡命政府は当時のソ連が占領していたコシツェでチェコスロバキア共産党と臨時政府を立ち上げます。
現在は共産党が15年以上1議席も獲得できないほど反共産主義が根付いているスロバキアではあるものの、そんな過去の歴史からコシツェの中心部には戦時中犠牲となったソ連兵を慰霊するための記念碑が設置されています。
東欧の複雑な歴史の一面を垣間見ることができる数少ない遺産になっています。
名称(スロバキア語): Pamätník vojakov Sovietskej armády
名称(英語): Monument to the Soviet Soldiers
住所: Námestie osloboditeľov 3377/1, 040 01 Staré Mesto, スロバキア
最後に
スロバキア第2位の都市、コシツェの主要観光名所を15箇所紹介しました。
人口の多い街ではあるものの観光名所は旧市街を中心に狭い範囲に密集しており、半日程度でも十分に観光が可能なため、ブラチスラヴァから日帰りで訪れることも可能な街です。
また、コシツェから片道2時間半程で、天空の城ラピュタのモデルとなったともいわれる世界遺産「スピシュ城」にも行くことができるためスロバキア東部観光の拠点として1−3泊してみるのもおすすめ。
首都ブラチスラバとはまたちょっと違うハンガリー帝国の影響を強く受けたコシツェの街を楽しんでみてください。
海外旅行をする人が必ず持つべきクレジットカードの決定版は?
国際ブランド、付帯保険、旅行中の特典、カードを選ぶポイントは様々。
海外40ヵ国以上を訪れた旅のプロがヨーロッパ向けクレカの選び方とおすすめを伝授している人気記事をチェック!