手付かずの大自然が今も残り、過酷な環境ゆえにそのほかの場所では決して見ることができない絶景が多くみられるアイスランド。
近年ではその魅力がSNSなどを通じて世界中に広がり、また航空便の本数が増えてきたこともあって徐々に身近になってきました。
そんなアイスランドの中でも特に人気なのがヨーロッパ最大の氷河として知られるヴァトナヨークトル Vatnajökull。氷の洞窟やヨークルスアゥルロゥン氷河湖 Jökulsárlón、アイスビーチなど観光のハイライトが多く集まっています。
今回はそんな一度は見たい絶景であるヨークルスアゥルロゥン氷河湖、氷の洞窟、そしてアイスビーチを現地を実際に訪れて撮影した絶景生写真を使いながら紹介していきます。
1. ヴァトナヨークトルについて
ヴァトナヨークトルはヨーロッパで最大の氷河と知られ、その広さは約8,100km²。
なんとアイスランドの国土の約8%を占め、周囲の自然保護公園の敷地と合わせると14,000km²にまで及びます。
現在温暖化の影響でその規模は縮小傾向にはあるものの、その氷の厚さは平均で数百メートルにも及び、場所によっては1km近い場所もあるとか。
この広大な氷河はアイスランドの観光需要に火をつけた立役者とも言え、氷河ハイキングや氷河内部にできた洞窟の探索など様々なアクティビティを提供してくれています。
今回はその中でもトップ3の人気を誇り1日で全てを回ることができるヨークルスアゥルロゥン氷河湖、氷の洞窟、そしてアイスビーチに焦点を当てていきます。
名称: ヴァトナヨークトル氷河
名称(アイスランド語): Vatnajökull
住所・マップ: Klapparstígur 25-27, Iceland
2. ヨークルスアゥルロゥン氷河湖
ヴァトナヨークトルから流出した氷塊が最後に海へと流れ出る場所に創られたのがヨークルスアゥルロゥン氷河湖。
写真奥がヴァトナヨークトル、手前にあるのがヨークルスアゥルロゥン氷河湖です。
大小様々な氷河がゆっくりと次から次へと流れてる光景はまさに圧巻。
ヴァトナヨークトル自体は約2500年前から形成が開始されたと言われ、そこから流れてくる氷も1000年近い年月を経たものもあるんだとか。
そんな氷河が最後海に流れて消えていくまさに最後の瞬間を見られると考えると感慨深いものがあります。
特徴はなんといっても青く輝く氷と、その水が溶け出した透き通る水が美しい河口部分。
氷が青い理由は長い年月にわたって圧縮されてきたため密度が高く、青い光以外は全て吸収されてしまうため。
もちろん不純物がなく綺麗だからであることはいうまでもありません。
氷の表面に黒く見えているものは火山灰。2010年にヨーロッパ中の航空交通網を麻痺させたエイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火は記憶に残している人も多くいるかもしれません。
レイキャビクからの距離は約400km。
車を使って約5時間ほどかかる場所ですが、この美しい氷河湖を見るため、そしてここを拠点として催行される氷の洞窟ツアーに参加するために通年多くの人が連日訪れます。
名称: ヨークルスアゥルロゥン氷河湖
名称(アイスランド語): Jökulsárlón
住所・マップ: Jökulsárlón, 781 Höfn í Hornafirði, Iceland
アクセス方法: 車・ツアーバス
見学: 無料(通年)
3. 氷の洞窟
ヴァトナヨークトル内にありアイスランド最大の秘境観光名所とも言えるのが氷の洞窟。
場所や安全面の問題により個人で訪れることはできませんが、冬季限定に催行されるツアーに参加することで氷河内に形成された洞窟に実際に入ることができます。
ほとんどのツアーの出発地はヨークルスアゥルロゥン氷河湖。ここで氷河の中を進めるように改造された見たこともないような巨大ホイールを備えた4WDジープに乗り込み、洞窟へと向かいます。
ジェットコースターに乗っているかのようなアップダウンの激しい道中。悪路を数十分かけて氷河の麓まで進んでくため、車酔いしやすい人や首などに問題を抱えている人は十分注意が必要です。
非常に密度が高く不純物を含まない氷は、太陽の光が入り込むとまるでLEDライトを灯しているかのように青く輝きます。
スーパーブルーとも呼ばれる奇跡の絶景。
何百年という月日をかけて創られた氷河であることもあり、よく観察すると火山が噴火した際の火山灰が含まれる層と透明に澄んだ層が積層しているのがわかります。
氷の洞窟ツアーではアイゼンやヘルメットなどの装備が渡され、また洞窟も毎年現地スタッフが安全を確認したものであるから安心、心置きなく写真撮影や氷とのふれあいを楽しむことができます。
内部に入れる洞窟は毎年代わり、また季節や天気によっても入れるかどうかの判断が変わるので、氷の洞窟ツアーに参加する場合にはなるべく冬の気温の低い時期(12末−3月初旬)がおすすめです。
名称: 氷の洞窟
名称(英語): Ice cave
アクセス方法: 現地ツアーのみ(冬季限定)
4. アイスビーチ(ダイヤモンドビーチ)
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖から徒歩すぐ。氷河が海へと流れ出た場所はアイスビーチ(ダイヤモンドビーチ)と呼ばれており、真っ黒な砂浜に輝く数多くの氷塊が漂着した光景を楽しむことができます。
まさに数百年にわたって氷河の一部を成していた氷の最後の姿、このあとは海へと溶け出して姿を消す場所です。
特に冬場では大きな氷塊があちこちにゴロゴロと転がっており、なんとか持ち上げられそうなものから、人間の体より数十倍も大きいものまで様々。
氷の色も様々で白く透明に輝くものから、氷の洞窟で見られたような真っ青に輝くものなど。
表面の凸凹模様もみなそれぞれです。
もちろん氷河なので、水は淡水でいうまでもなく綺麗。
コップやお酒を自分で持ってこれば、ここで氷河ロックを作ることも可能です。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖の目と鼻の先にも関わらず訪れる人が少ないので穴場なのかもしれませんが、この美しさを見ずに帰るのはもったいない。
ちょっと隠れた必見スポットです。
名称: アイスビーチ(ダイヤモンドビーチ)
名称(アイスランド語): Jökulsárlón Ice Beach
住所・マップ: Diamond Head Dr, Merritt Island, アイスランド
アクセス方法: レンタカー・ツアーバス
見学: 無料(通年)
アイスビーチについての詳細記事はこちら
5. 最後に
アイスランド観光・ツアー検索はこちらから〜Guide to Iceland
今回はアイスランド南東にあり、奇跡の絶景が楽しめるヨークルスアゥルロゥン氷河湖とそこからアクセスできる観光名所を紹介しました。
私が訪れた際は、次から次へと現れるアイスランドでしか決して見られないような絶景に圧倒されっぱなし。
死ぬまでに一度、という言葉がありますが一度とは言わず何度でも訪れたくなる場所で、世界中様々な観光地を訪れた中でも最も印象に残っている場所です。
レイキャビクから距離がありなかなか自分で訪れるのは大変な場所ではありますが、ツアーバスも多く出ており、何よりアイスランドで最も人気なスポットですので是非私が受けた感動を味わいに足を伸ばしてみてください!
☆氷の洞窟・氷河湖を廻るアイスランド現地観光ツアーはこちら☆
ツアー予約について
氷の洞窟に参加する場合には現地ツアーに申し込むことが必須。非常に人気で定員も限られているためなるべく早い予約が鍵になります。
レイキャビク発のバスツアーでは1泊〜2泊でアイスランド南部の観光名所を回りながら、今回紹介したヨークルスアゥルロゥン氷河湖、氷の洞窟やアイスビーチを全て回るツアーが出ています。
また、冬道の運転に慣れている人はレンタカーを使ってレイキャビク から約4時間半(約380k)。その場合にはヨークルスアゥルロゥン氷河湖発の氷の洞窟ツアーに申し込みをしてください。
服装について
冬季のアイスランド観光全般に言えますが、非常に風が強く頻繁に雨や雪がふります。さらに氷の洞窟など自然を堪能するツアーの場合には足場も非常に悪く、泥道を進むことも多々あります。
そのため、上下とも完全防水の防寒着を常時着用(スキーウェアでもOK)し、靴もある程度しっかりとし防水機能が備わっている冬用のブーツを用意するようにしてください。
一方、移動時間が長くなるため脱ぎ着が楽なように重ね着を基本とし、サンダルのようなものを合わせて持っていくと楽になります。
ヘルメットやアイゼンなど必要な装備は全てツアー会社が用意してくれますが、街用のスニーカーや素肌が出ているような格好の場合安全上の理由により参加を断られる可能性もあるので注意が必要です。
氷の洞窟向けカメラについて
氷の洞窟などアイスランドの絶景を楽しむ旅行をする際は、合わせて絶景写真の撮影もしたいところ。
まず前提として突発的な雨が非常に多く、大きな滝や氷河など観光名所の多くで水に濡れる機会が多いので防水のカメラを持っていくことをお勧めします。
その上で、氷の洞窟内部はカメラにとっては暗いシチュエーションであり、三脚などを使ってシャッタースピードを遅くし長時間露光をした方が綺麗に取れるので、ハンディカメラはあまりお勧めできません。
また長時間露光によって歩き回る人を写真から消すことができるので、より洞窟内部をしっかりと綺麗に写すことができます。
完全防水で小型サイズなお勧めカメラについてはこちらの記事内で紹介しています。
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