スロベニアで最も人気な観光スポット、ポストイナ鍾乳洞。
首都リュブリャナから車で30分程度とアクセスがしやすい場所もあり、また多くの観光バスツアーも出ていることからスロベニアを観光で訪れた人は全員と言っていいほど足を運ぶ定番の観光地でもあります。
今回はそんなポストイナ鍾乳洞に行ってきたので、現地で撮った美しい写真とともに紹介します。
1. ポストイナ鍾乳洞アクセス
ポストイナ鍾乳洞へは車でのアクセスが最も便利ですが、レンタカーなど現地で運転できない場合にはリュブリャナ発のツアーに申し込むのが定番で簡単。
ポストイナ鍾乳洞だけを訪れるツアーやブレッド湖など他の定番名所と組み合わせたツアーなど多数の日帰りツアーが催行されているので、是非スケジュールに合うものを探して参加してみてください。
公共交通機関でも行けないことはありませんが、リュブリャナ発の列車本数が非常に少なく、またポストイナ最寄駅からも距離がありバス、タクシーなどを使わないといけないためタイムロスが大きくなります。
もちろん帰りも同様なので、よほど時間に余裕がある場合を除きおすすめはできません。
2. ポストイナ施設
ポストイナ鍾乳洞はスロベニアで最大の観光地ということもあり、観光開発が非常に進んでいます。
鍾乳洞横にはポストイナホテルが併設され、その1階部分にはフードコートやお土産屋、チケットセンターなど遊園地のような充実っぷり。
その他、多くのクラフトショップや個人土産物店などが立ち並んでいるところを見ても、やはりここは一大観光地なんだということを感じさせます。
3. チケット購入
ポストイナ鍾乳洞のチケットは複数の組み合わせで売られています。
鍾乳洞のみの入場券、併設されている博物館や水族館とのコンビネーションチケット、また約10km離れたところにある洞窟城プレジャマ城とのチケットなどなど。
団体ツアーで行く場合にはチケットが付いているため自分で購入する必要はありませんが、個人で訪れる場合にはコンビネーションチケットを買ったほうが各々購入するより安くなるので、個人の好みに応じて最適なものを選択してください。
チケットにはバーコードがついており、これで入場します。
入場時間は30分おきに指定されており、その時間帯のガイドツアーに参加するようになります。
4. 鍾乳洞内部へ
チケットに記入された時間が近づいたら洞窟入り口で待機します。そこでガイドツアーの言語別に分かれることになります。
英語、スロベニア語、イタリア語、ドイツ語など5言語程度が選択できるようになっていました。
尚、ここで中国人団体ツアーなど大集団ツアーとバッティングした場合、彼らも英語ツアーに参加することになります。朝一番のツアーなど団体客が多く参加しそうな回の場合、英語のガイドツアーは大混雑。
ガイド一人で100人以上を束ねていくことになり、また結構ルールを守らない人も多くストレスになるのであえて時間をずらしたほうがいいかもしれません。
今回私たちもこれに巻き込まれ、実際ガイドが説明中も殆どの中国人観光客は英語が分かっていないため大声でおしゃべり、フラッシュを焚くなという指示も無視しての悪行を繰り広げていたので、ちょっとゲンナリ、という経験をしました。
a. トロッコ乗車
まず洞窟内部に入ると前半3−4kmほどはトロッコ列車にのっての鍾乳洞探検となります。かなり風が強く寒く感じるのでそれなりの防寒対策はしっかりすることをお勧めします(気温10度)。
トロッコはなかなか早く、場所によっては壁スレスレや天井スレスレの場所を通り抜けて行くため結構臨場感あり。
迂闊に手や顔を出したり、カメラを外に向けていると危ない場面が結構多くあります。
また、多くの方がトロッコ乗車中に写真撮影を試みますが、暗所でしかもトロッコのスピードもなかなかのため余程いいカメラを持っていない限りほぼ100%まともな写真は撮れません。
その後徒歩での鍾乳洞探索の際に好きなだけ写真は撮れるので、乗車中は目で景色を楽しんで見てください。
b. 徒歩散策(ガイドツアー)
トロッコに5−10分程度乗車したのち、徒歩で約1時間の散策がはじまります。
ポストイナ鍾乳洞はヨーロッパ最大級の鍾乳洞として知られ、洞窟システム全体だと総長20kmにも及ぶのだとか。
そのため散策路が整備されているのはそのうちの一部のみにもかかわらずかなりの距離を歩くことになります。
また地面は濡れており滑りやすいので、スニーカーなど歩きやすい靴を履いて行くことをお忘れ無く。
今回参加したガイドツアーには50人以上の中国人団体客と同じだったため、先頭と最後尾はかなりの距離に。ということでガイドツアーのガイドは全くといっていいほど聞くことができませんでした。
が、逆に最後尾で人の少ない中歩きながら写真撮影をすることができました。
ちなみに後述するシュコツィアンに前日に訪れ少人数制のガイドツアーに参加していたため、基本的な知識はそちらで網羅。ということであえてポストイナ鍾乳洞ではガイドの説明にはあまり興味がなかった、というのもあります。
本当になんでこんな鍾乳洞が作られるのか、自然の凄さにただただ恐れおののくのみ。
なんとポストイナ鍾乳洞の形成は200万年前に始まったとのこと。いかに長い月日をかけて形成されてきたのかがわかります。
そして何より、最初にここを発見した人、そして現在のような十分な装備がない中で完全な暗闇である洞窟を開拓していった人たちに感銘を覚えざるを得ません。
初めてこういう景色を見た人はどう感じたのでしょうか。
記録によればポストイナ鍾乳洞の入り口部分が見つかったのは13世紀。その後大部分は18−19世紀に発見され、1819年当時の皇太子フェルナンド1世の訪問により一気に世界的に有名になったそう。
驚くことに、有栖川宮威仁親王夫妻が1889年12月24日に訪れて以来、日本の皇室関係者も多く足を運んでいる所縁の地になっているようです。
鍾乳石の色は本当に様々。鍾乳石の基本的成分はカルシウム。白い部分は完全にピュアなカルシウムから成っています。
一方赤みがある場所は鉄分を多く含むんだとか。含むミネラルによって鍾乳石の色が変わってきます。
まるでこの世とは思えません。ディズニーランドのアトラクションの中にいるような雰囲気ですが、全て自然が作り出した賜物です。
天井から伸びてくる結晶を鍾乳石、下から伸びてくる結晶を石筍といい、この2つが繋がったものを石柱といいます。
なんと鍾乳石の平均生成速度は100年で1cm、石筍はさらに倍近くかかるんだとか。200万年前に形成が始まったこの鍾乳洞、この石柱1本が数千年を物語っていると考えると感慨深いものがあります。
ただただ圧倒されるまま、約1時間の散策が終了。同じ形のものは一つとしてないため、見ていて飽きることは全くありません。
5. シュコツィアン鍾乳洞との比較
ポストイナ鍾乳洞に訪れる前日に、もう一つの鍾乳洞、シュコイツァン鍾乳洞に訪れていたため両者を簡単に比較して見ます。
ポストイナ鍾乳洞
ポストイナ鍾乳洞は完全に観光客向け。トロッコ列車などアトラクションもあり、またガイドツアーもマイクを使って観光客向け設備が整っています。
写真撮影も許可されているのもポイント。
さらに本当に様々な人が訪れるため、アップダウンは少なく足場もさほど悪くはありません。中にはベビーカーを押している人もいました。
一方で、超人気観光地ということだけあって、鍾乳洞の中は大混雑。特に団体ツアーと同じ時間帯になるとかなり喧騒という雰囲気。自然のパワーを感じながら厳かな雰囲気に浸るという余裕はありません。
シュコツィアン鍾乳洞
こちらは世界遺産登録されていることもあり、鍾乳洞内部は殆ど観光客向けの開発がされていません。ライトアップなども最低限。
バスツアーなどが訪れることは殆どなく、ガイドツアー参加人数も少ない(10−20人)ため話もよく聞けますし、自然が作り出した奇跡的な鍾乳洞の厳かな内部の雰囲気に身を浸すことができます。
一方で、写真撮影は完全に禁止されているため一切の記録を取ることができません。
また、3−4kmほどの道のりを2時間半程度かけて徒歩で歩くことになりますが、内部ではアップダウンが激しく、階段がひたすら続くというエリアもあります。
そのためこちらに参加する際には体力がそれなりに必要です。
シュコツィアン鍾乳洞についてはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
思い出を作るために訪れる場合、体力に不安な場合、子供づれの方、高齢の方にはポストイナ鍾乳洞を、手付かずの鍾乳洞をじっくりと堪能したい方はシュコツィアン鍾乳洞がおすすめです。
もちろん時間がある個人旅行者の方は、両方に足を運んでみると色々比較もできて面白いと思います。
6. その他鍾乳洞写真
この記事内で紹介しきれないポストイナ鍾乳洞の写真は、写真ギャラリーコーナーにて公開していますので、そちらも合わせてご覧ください。
7. 最後に
現在鍾乳洞内部での写真撮影は許可されていますが、フラッシュ撮影は禁止なため、スマホカメラやコンパクトデジカメだと撮影が難しい可能性があります。
しっかりと写真に残したい場合にはそれなりに高感度撮影ができるカメラの準備をしていきましょう。
写真を色々と紹介しましたが、なかなかあのダイナミックさは生で見ないと伝わらないこともあるので、是非ご自身の目でその壮大な自然の力を感じに訪れてみてくださいね!
車でのアクセスが一番便利ですが、現地でレンタカーを借りられない場合には現地オプショナルツアーが最も便利で定番。
リュブリャナ発のポストイナ鍾乳洞へいくツアーは毎時多数催行されているので、スケジュールに合うものを探して参加してみてください!
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