オーストリア西部に位置し、モーツァルト生誕の地や映画サウンド・オブ・ミュージックの舞台として知られるザルツブルグ。
東アルプス山脈を見上げる美しい街には、世界遺産にも登録されている歴史地区を中心に数多くの見どころがあり、また冬季にはアルプスでスキーを楽しむ人などが立ち寄る通年賑わいを見せる観光都市でもあります。
ザルツブルクを訪れる際にみておきたい観光名所やおすすめホテル、そして地元の人がおすすめするオーストリア料理店など、旅行前に知っておきたい観光情報をまとめました。
1. ザルツブルクへのアクセス
日本からザルツブルクへの直行便がないため、オーストリア首都ウィーンを経由する方法、もしくは隣国ドイツのミュンヘンを経由しそこから鉄道でアクセスする方法が最短となります。
東京〜ウィーン:ANA・オーストリア航空
東京〜ミュンヘン:ANA・ルフトハンザドイツ航空
大阪〜ミュンヘン:ルフトハンザドイツ航空
所要時間は増えますが、トルコ国際航空(イスタンブール経由)やエミレーツ航空(ドバイ経由)などを利用すると航空運賃を大幅に抑えることも可能なので、節約思考の方におすすめです。
ザルツブルクまでは鉄道でウィーンから約3時間、ミュンヘンから約2時間です!
2. ザルツブルクの治安と犯罪
2-1. ザルツブルグの治安状況と注意するエリア
一般的にオーストリアの治安は安定していると言われていますが、ザルツブルクはやや下町感もあり場所によってはあまり雰囲気が良くないエリアがあります。
日中は特に問題ありませんが、特に夜間のザルツブルク中央駅周辺はアフリカや中東からの移民・難民の若者集団が集まっていてあまりいい雰囲気ではないので注意が必要です。
また橋の下やトンネル内などシェルターになりうる場所についてもホームレスや物乞いが多く集まるので可能な限り近づかないようにしましょう。
夜間の到着になってしまう場合には、駅に隣接して複数ホテルがあるので、そちらで一泊するかタクシーを利用して足早に旧市街エリアまで移動することをおすすめします。
観光の中心となるザルツブルク旧市街やその周辺エリアについては夜間の治安も心配なく、安心して歩くことができます。
2-2. 観光客が巻き込まれやすい犯罪
観光客が最も心配する必要があるのは、スリや置き引き。特に中央駅周辺で大きな荷物を持っている際などは注意が散漫になりやすく注意が必要です。
オーストリアでは物乞い行為は禁止されていますが、ヨーロッパの多くの都市同様取り締まりはほとんどされていません。あまりにしつこい物乞いに遭遇することは少ないですが、もしついてきそうな雰囲気がある場合には「Polizei ポリツェイ」と警察を呼ぶそぶりを見せてその場を回避してください。
タクシーについてはメーター制ライセンスタクシーを使用するのはもちろんのこと、運転手の雰囲気を事前に確認するのも大切。差別的なことを言うつもりはありませんが、わざと遠回りしたり料金を釣り上げたりと移民ドライバーとのトラブルのほうが報告は圧倒的に多いのは事実です。
また稀ではありますがクレジットカードでの支払いを受け付けていないドライバーは利用しないことをお勧めします。
3. キャッシュレスの状況
オーストリアは一般的にキャッシュレスが進んできており、ほとんどの場所でクレジットカードを利用可能。
特に観光名所の入場券やレストラン・カフェ、ホテルなどはクレジットカード決済が基本となっています。
一方でごく一部例外的に現金のみという場所も存在しているため、常に最低限度のユーロを現金で持っていくことをおすすめします。
例えばファストフードスタンドやごく一部の個人タクシー、市場内の個人商店などではカードが使用可能か事前の確認は欠かせません。
ヨーロッパ旅行で役立つクレジットカードの選び方はこちらの記事で詳しく解説しています。
4. ザルツブルクの見どころ
ザルツブルクの見どころの大部分は世界遺産にも登録されている歴史地区エリアに集中しており、徒歩での観光がしやすい街となっています。
観光日数の目安として、街の名所を廻るだけであれば1日、コンサートなどを鑑賞する場合には2日。
ザルツブルクでの滞在期間を3日以上取れる場合にはザルツブルクからハルシュタットやハライン岩塩坑等郊外にまで足を伸ばすこともできるようになります。
4-1. ザルツブルク大聖堂
ザルツブルク旧市街中心部にある街のシンボル、ザルツブルク大聖堂。774年に大聖堂のドーム部分が造られ、その後は長年の増改築を経て現在のバロック様式の姿となっています。
ヨーロッパ最大のパイプオルガンが設置されていることで有名で、観光客向けのコンサートも日々行われています。
名称:Dom zu Salzburg
住所・マップ:Domplatz 1a, 5020 Salzburg
ホームページ:https://www.salzburger-dom.at/
4-2. ホーエンザルツブルク城
ザルツブルクにありハプスブルク家の支配の象徴とも言えるホーエンザルツブルク城。城へは徒歩もしくはケーブルカーを使ってアクセスが可能です。
城内は中世の展示を中心とした博物館となっており、頂上から一望するザルツブルクやウンタースベルク山は一生に一度は見たい絶景としてもしばしば取り上げられています。
名称:Festung Hohensalzburg
住所・マップ:Mönchsberg 34, 5020 Salzburg
ホームページ:https://www.salzburg-burgen.at/de/festung-hohensalzburg/
4-3. モーツァルトの生家
世界的な音楽家モーツァルトの生家がザルツブルク旧市街中心部ゲトライデ通りにあり、内部ではモーツァルトの幼少期の生い立ちや音楽への取り組みなど貴重な記録が展示されています。
名称:Mozarts Geburtshaus
住所・マップ:Getreidegasse 9, 5020 Salzburg
ホームページ:https://mozarteum.at/museums/mozarts-geburtshaus/
4-4. マカルト橋
ザルツブルク旧市街と新市街を隔てるザルツァハ川にかかる歩行者専用の橋、マカルト橋。恋人たちの愛の印としてつけられたカラフルな南京錠が印象的でフォトジェニックな観光名所になっています。
名称:Marko-Feingold-Steg
住所・マップ:Marko-Feingold-Steg, 5020 Salzburg
4-5. ミラベル宮殿・庭園
ザルツブルク新市街側、ザルツァハ川に隣接しているミラベル宮殿・庭園。市民や観光客の憩いの場として愛されています。
宮殿内の「大理石の間」はモーツァルトが実際に演奏を行ったことで知られており、現在も定期的にンサートが行われています。庭園は映画サウンド・オブ・ミュージックの劇中でも登場したことで有名です。
名称:Mirabellgarten
住所・マップ:Mirabellplatz 3, 5020 Salzburg
ホームページ:https://www.stadt-salzburg.at/mirabellgarten/
4-6. モーツァルト広場
ザルツブルク旧市街エリアの中心部にあるモーツァルト広場は、名前の通りモーツァルトの像がシンボルになっている市民憩いの場所。
ザルツブルク歴史地区の世界遺産登録を示すユネスコの記念碑も像の前に設置されており、記念撮影におすすめな場所です。
名称:Mozartplatz
住所・マップ:Mozartpl., 5020 Salzburg
4-7. ザルツブルク旧市庁舎
ザルツブルク歴史地区でフォトジェニックな通りがザルツブルク旧市庁舎前の小道。あまり人通りが多い場所ではありませんが、おしゃれなブティックが立ち並ぶエリアになっています。
名称:Altes Rathaus
住所・マップ:Kranzlmarkt 1, 5020 Salzburg
4-8. ゲトライデ通り
モーツァルトが17歳まで住んでいた生家もあるザルツブルク旧市街で最も賑やかなショッピングストリートがゲトライデ通り。
昔ながらの鋳造鉄で造られた店の看板が目を引くフォトジェニックなエリアでもあります。世界でも有数のおしゃれなマクドナルドの看板も探してみてください。
名称:Getreidegasse
住所・マップ:Getreidegasse, 5020 Salzburg
4-9. 聖ペーター修道院附属墓地
ホーエンザルツブルク城の麓にひっそりとたたずむ由緒高い霊園、聖ペーター修道院附属墓地。
その起源は西暦700年頃にまで遡るザルツブルクで最も古い霊園の一つで、オーストリアを代表する歴史的な著名人が埋葬されています。
名称:Friedhof St. Peter
住所・マップ:Sankt-Peter-Bezirk 1, 5020 Salzburg
ホームページ:https://www.stift-stpeter.at/
4-10. ヘルブルン動物園
ザルツブルクを子供連れで訪れる方におすすめなのがヘルブルン動物園。歴史地区からバスで20分程で訪れることができるザルツブルクで最大の動物園です。
山肌沿いに自然な地形を生かした動物園で、ウサギやモルモットなど触れ合いを楽しめる小動物からサイやライオンなどの大型動物まで自然に近い環境で公開されています。
名称:Zoo Salzburg Hellbrunn
住所・マップ:Hellbrunnerstraße 60, 5081 Anif
ホームページ:https://salzburg-zoo.at/
5. ザルツブルク歴史地区おすすめホテル
5-1. 観光に最適な歴史的ホテル
ザルツブルクの歴史地区観光に最もおすすめしたいのがラディソンブル ホテル アルトシュタット。1377年に建てられた歴史のある建物の中に入っており、モーツァルトの生家から徒歩4分、ザルツブルク大聖堂まで徒歩3分の好立地にあります。
旧市街内唯一の5つ星ホテルでありながら、リーズナブルというのもポイント。もちろんサービスのレベルは星の数に遜色なく、また平均的なホテルの客室よりもかなり広々つくられているため、大きなスーツケースを広げても余裕があります。
特に朝食ブッフェはホテルが人気となる理由の大きな一つで、ザルツァハ川を見下ろす絶景を楽しみながらの食事の時間はまさに至福の時。
朝食時のドリンクとして追加料金なしでシャンパンも楽しむことができるのもポイントです。
住所・マップ:Rudolfskai 28, 5020 Salzburg
ホテルランク:5つ星
料金:1万8千円〜/泊
宿泊レビュー:【ザルツブルク/ラディソン】観光におすすめ5つ星ホテル宿泊レビュー
5-2. ユニークな元修道院ホテル
歴史地区、17-18世紀にかけてつくられた三位一体教会に隣接しているホテル、ガストハウス イム プリースターゼミナール ザルツブルク。
もともと修道院だった場所をゲストルームに改築したユニークなホテルになっています。
シンプルな客室ながらシングルルームからファミリールームまで各タイプ用意されており、朝食もブッフェ形式で提供。
ホテル各フロアにチャペルがあったり、客室に十字架が飾られているなど不思議と少し神聖な気分になる宿泊施設として大変人気があります。
住所・マップ:Dreifaltigkeitsgasse 14, 5020 Salzburg
ホテルランク:3つ星
料金:1万5千円〜/泊
宿泊レビュー:【ザルツブルク】観光におすすめ修道院ホテル宿泊レビュー
6. 在住者おすすめレストラン
ザルツブルグ歴史地区でオーストリア料理を楽しめるレストランを探しているなら是非おすすめしたいのがSternbräu。
地元の人でさえも口を揃えて勧める人気店で、オーセンティックなオーストリア・ザルツブルク料理をリーズナブルに楽しむことができます。
このお店で是非食べてほしいのがザルツブルグの名物菓子ザルツブルガー・ノッケル。ザルツブルクから望む特徴的なアルプスの山脈を模したスフレケーキで、通常3連山となっているのですがこのお店では1人用に1山で提供しています。
日本人の舌にとっては非常に甘いお菓子なため、1山でも複数人でシェアするのにぴったりです。
住所・マップ:Griesgasse 23, 5020 Salzburg
ホームページ:https://www.sternbrau.at
予約:可能
営業時間:午前9時〜午後10時(週末 〜午前2時)
7. ザルツブルク厳選現地ツアー・サービス
ザルツブルク滞在中に是非利用したい観光サービスや現地発着日帰りツアーを紹介します。
7-1. ザルツブルクカード
ザルツブルグをお得に効率よく観光する際に是非購入したいのがザルツブルクカード。
24時間、48時間もしくは72時間の間、市内の公共交通機関や観光名所を全て利用し放題となるシティパスです。
観光名所がコンパクトにまとまっていることから、見どころをテンポ良く回りやすいザルツブルク。入場料金を気にすることなく観光できるようになります。もちろん記事内で紹介したホーエンザツツブルク城やモーツァルトの生家、ヘルブルン動物園へも入場することができます。
7-2. ハルシュタット
ザルツブルクから半日〜1日観光におすすめなのが、ザルツカンマーグート地域の最奥に位置するハルシュタット。ザルツブルクから片道2-3時間でアクセスすることができます。
世界で最も美しい湖畔の村とも言われており、周辺に広がるダッハシュタイン山塊と共に世界遺産に登録されています。
7-3. ベルヒテスガーデン岩塩坑
ザルツブルクは名前の通り岩塩の採掘で発展した街。そんな岩塩坑の一つ、ベルヒテスガーデン岩塩坑は観光用に公開されています。内部では岩塩を運ぶために使用していたトロッコに乗りながらスリル満点の坑内見学と地底湖でのクルーズを楽しむことができます。
最後に
オーストリア第2の都市ザルツブルグは世界遺産に登録されている歴史地区を中心に見どころがまとまったコンパクトな観光都市。
モーツァルトが生まれ若かりし頃を過ごしたことでも知られる音楽と芸術の街として観光客を通年惹きつけています。
オーストリアのウィーンやドイツのミュンヘンからのアクセスも良く、日本からも旅行しやすいので是非次の旅行先に選んでみてはいかがでしょうか。
海外旅行をする人が必ず持つべきクレジットカードの決定版は?
国際ブランド、付帯保険、旅行中の特典、カードを選ぶポイントは様々。
海外40ヵ国以上を訪れた旅のプロがヨーロッパ向けクレカの選び方とおすすめを伝授している人気記事をチェック!