KGBジェノサイド博物館〜リトアニアの歴史を知る必見スポット

リトアニアの首都ヴィリニュスにある重要な博物館の1つ、KGBジェノサイド博物館。リトアニアや周辺国の歴史を知る上で欠かすことはできない必見スポットです。

テーマは旧ソ連の秘密警察KGBやユダヤ人を対象に行われたナチスドイツのジェノサイドなど非常に重い内容。

非常に生々しい展示もありますが、過去に起こった悲劇を学ぶために老若男女問わず世界中から見学者が訪れています。

今回は実際にKGBジェノサイド博物館を訪れ、追加料金を払って写真撮影を行ってきましたので、みなさんとその内容をシェアしていきたいと思います。

1. ジェノサイド犠牲者の慰霊

ジェノサイド犠牲者

KGBジェノサイド博物館のすぐ近く、高く石が積まれた慰霊碑がありました。

リトアニアが独立を失ったのは1940年、ソ連による侵攻が原因です。その後ナチスドイツにより占領、そしてまたソ連に侵攻され編入と過酷な歴史を歩みました。

リトアニアが1991年に再度独立を果たすまでの約50年間、統治していたソ連の秘密警察KGBによるリトアニア人の迫害は続き、80万人近いリトアニア人が犠牲になったと言われています。

その犠牲者の家族の多くはまだ生存しており、私がこの慰霊碑の前を通った際にも花をたむける地元の方々がいらっしゃいます。

ジェノサイド博物館の中で見たものは、本当にこの世で起こったことなのかと少し信じられないようなものが多かったのですが、事前に実際にこのように慰霊に来る方々を見て現実味を感じることができました。

2. ジェノサイド博物館

ジェノサイド博物館

ジェノサイド博物館は、実際にナチスドイツが収容所として、そしてソ連の秘密警察KGBが1941年から1991年まで約50年間に渡り本部として使用していた建物をそのまま利用しています。

そのため、建物内部には展示の他当時使われていた地下牢や拷問部屋、処刑場が当時の血痕と共に残されています。

3. 展示

展示は主に3つ。ナチスドイツによる侵攻とホロコースト、KGBを中心とした旧ソ連による侵攻と迫害、そして最後まで独立を信じて戦ったリトアニア人の抵抗です。

当時の写真や実際の遺品などを中心に膨大な量の展示があります。

何もつつし隠すことなく、当時の事実をそのまま展示しています。ユダヤ人の家系というだけで大人も子供も殺されるホロコースト。

ゴミのように高く積まれる遺体の山。

そして、その山の上で誇らしくタバコをふかすドイツ兵。戦争が人間の理性を完全に失わせています。

シベリア抑留

ナチスドイツの手を逃れても、難は続きます。旧ソ連による統治が始まるとシベリア抑留が開始。日本兵がシベリアに運ばれたのと同様、多くのリトアニア人も強制労働を課されます。

そこには人格はありません。ただ番号を振られた労働者。動きが悪ければ処分されて終わりです。戦勝国が正義で、敗戦国が悪だなんていう単純な問題ではないことがよくわかります。

KGB本部

KGBの本部が置かれていた際の資料も豊富に展示されています。ヴィリニュスの本部には700人もの秘密警官が勤務し恐怖政治を敷いていました。

このKGBの制服を見るだけで震えが止まらなくなる人も未だに多いんだとか。

KGBが使用していた備品や映画の世界のような暗殺用の秘密武器などが多数展示されています。

リトアニア人が今民俗に誇りを持ち、コミュニストに対して徹底的に対抗しながら生きるその理由もここに展示されてます。

1989年にバルト3国(ラトビア、リトアニア、エストニア)で起こった独立運動の一環、人間の鎖、通称「バルトの道」に関する展示や、シャウレイにある世界遺産「十字架の丘」の歴史など、リトアニア人の抵抗の歴史についても知ることができます。

4. 地下牢

地下牢

KGBジェノサイド博物館の地下は、ナチスドイツの収容所として、そしてKGBの刑務所兼拷問部屋として利用された地下牢が当時のまま残され公開されています。

地上部分の展示とは異なり、非常に湿度の高く薄暗い雰囲気。訪れている人の顔も曇り、重い空気がさらに重くなります。

政治犯がまず最初に数日間収容される立ち牢。名前の通り座ることはもちろん、トイレに行くことも食事を取ることも許されません。まず人格を破壊し、抵抗する気を削がせる目的とのこと。

地下牢で最も顔を背けたくなる部屋と紹介されているこの部屋。非常に分厚い壁と扉によって完全な防音となっており、中に入った政治犯はいかなる叫びも外には届きません。

抵抗するものや拷問に耐えられず狂気となったものは壁に固定された服を着せられ呼吸ができないほどきつく縛られます。

一般の収容者は1日5分間のみトイレの使用が許されます。1人5分ではなく、このトイレの使用が5分間のみということ。多くの収容者が5分に殺到する光景は想像の域を超えます。

水攻めによる拷問部屋。丸い土台の上に立たされ、氷のように冷たい水が容赦なく注がれます。

このように抵抗する気をことごとく失せさせるような拷問部屋が数多く並びます。

扉は固く閉ざされ、中では何が行われているのか知る由もありません。

そして最もこの地下牢で目を背けたくなったのが処刑場。当時を再現したビデオが流れているのですが、あまりに残酷すぎてしっかり見ることはできませんでした。

処刑場

人が運ばれ数秒で銃殺、壁穴から外へと捨てられます。その音や叫び声を聞いた次の囚人が運ばれるも、取り乱す余裕もなく銃殺。流れ作業で人が死んでいきます。

壁には未だに当時の血痕や銃弾の跡が残り、地面には人骨が残されています。

これは映画の世界でも何百年も前の話ではありません。わずか数十年前にヨーロッパで行われていたことです。

5. 最後に

前回ラトビアを訪れた際にも、国民の間に共産主義に対して徹底的なアレルギーがあることを感じましたが、今回リトアニアのジェノサイド博物館を訪れその理由がクリアによくわかりました。

実際に、これは終わった話ではなく、ロシアや中国では未だにこのような民俗抑圧、虐殺、暗殺が行われていることに目を背けることはできません。

わずか30年前までこの建物が実際にKGB本部として機能し、この場で多くの人が拷問や虐殺を受けていたと考えると言葉を失います。

KGBジェノサイド博物館には非常に多くの見学者がいたにもかかわらず、私が過去に訪れたどこの博物館より静かで重い空気が流れていました。

リトアニアというと綺麗な街並みなどに注目がいきがちですが、この地で起こった事をしっかりと知るためにリトアニア旅行の際には必ず訪れたい博物館です。今回は展示のごく一部のみしか紹介できないので残りは是非ご自身の目で見てきてください。

未だに壁に残る血痕を見ながら、人間の命の儚さと同時に人間の残虐さを感じることになるでしょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

Shun

1988年 横浜生まれ。アイルランド、スコットランドへ短期留学後、スウェーデン南部マルメ1年留学、さらにその後英国ロンドンに大学院生として留学。北欧やバルト3国の大部分の都市・街を周遊し北欧の文化や観光情報にも精通。 留学に必要なIELTS対策と北欧を中心としたヨーロッパ観光情報をブログにて紹介中。

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